A Dog's World 

~海外で暮らす・日々の記録・旅の記憶~   

最も美味しい料理(4)トンガ・フィジー

「最も美味しい料理」を考えるシリーズ、アラブ料理エチオピア料理に続き、トンガとフィジーです。正直そこまでバラエティーに富んだ料理は食べてこなかったので、パパッとあげていきましょう。

豚の丸焼き@トンガ

自分の中では最も美味しい料理の筆頭 (⇒過去記事:最も美味しい料理 (1) 序章)。今まで食べたすべての料理とくらべても、間違いなく最上位の美味しさです。言ってみれば、トンガのお父さんが裏庭で作る家庭料理なのですが、子豚を丁寧にじっくり手で焼き上げるだけで、こんなにも極上の味になるのかと、いつも驚きながらいただいていました。

時間をかけて焼いた子豚は、余分な皮下脂肪が溶けてなくなり、皮は香ばしくパリパリ (というかバリバリ)、お肉は旨味がしっかり閉じ込められ、ひと口噛むたびジュワッと肉汁があふれます。きっと豚そのものも、肉質がいいのでしょう。みんなココナッツをたくさん食べ、庭やその辺の空き地を毎日元気に走り回っている子豚たちですから。

念のため、他の国で食べた豚とくらべてみます。まずはフィリピンのセブ島で食べた豚の丸焼き "レチョン"。トンガに行く数年前に食べたものです。これも美味しかったですが、子豚ではなくだいぶ育った大豚。なので、皮下の脂身も厚かったし、肉の味も少し大味だった記憶が。

インドネシア、バリ島のバビ・グリン (豚の丸焼き)。ホテルビュッフェの料理でしたが、中国人団体客に根こそぎ持っていかれてしまい、ようやく欠片を少し食べられただけ。皮のパリパリ感は今ひとつでした。

タイの中華料理屋 (@バイヨークタワー) ではパリパリ・サクサクに焼かれた豚の皮をいただきました。これは美味しかったですね。でも結局、丸焼きとしては食べていないので。もしお肉も出されていたら、さぞ美味しかっただろうなと思うと残念です。

タイ、豚の丸焼きならぬ、豚の丸揚げ。焼きと揚げは出来上がりもぜんぜん別物。どちらも美味しいけれど、個人的には焼きに軍配。

タイ、豚の丸焼きですが、あろうことか皮を剥いで焼くという天下の愚行を目撃 (あるいは皮が美味しいので先に売れてしまったとか?)。とにかく話になりません。もったいないことこの上ない。ということで、豚の丸焼きはやはりトンガが一番美味しかったです。

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トンガは他にも「ウォーターフロント」で食べたペッパーステーキやロブスターパスタなど記憶に残る味はありますが、とても美味しい料理ではあっても、最も美味しい料理にエントリーするほどではないかなと。当時は最も美味しい料理と思って食べてはいましたけれど。

トンガ料理のオタイカ (白身魚のココナッツミルク&ライム和え) ももちろん美味しかったですが、よだれが止まらなくなるようなパンチ力はありません。同じくロイフェケ (タコのココナッツミルク煮) も。中華料理は「エバーグリーン」でさんざん美味しいものをいただきましたが、タイで本格中華 (潮州料理) を味わってしまった今、どうしても輝きが薄れてしまいます。

トンガ時代はトンガ料理 (地中で蒸し焼きにするウム料理など) が大好きでしたが、休暇でニュージーランドに旅行して、現地のパブでシーフードの盛り合わせやクラムチャウダーなんかを食べてしまうと、なんだか一気にトンガ料理の印象が消えてしまうのでした。。

トンガのグルメ:トンガ料理
トンガのグルメ:中華・洋食

ハイブリッドマンゴー@フィジー

フィジーローカルの食べ物で最も印象に残った味、それは「ハイブリッドマンゴー」です。この味は世界レベル、自信を持ってそう言えます。ナンディーやラキラキなど島の西側が産地なので、東側にあるスバのマーケットにはほとんど出回りません。なので旬の季節に西部出張が決まると、これでハイブリッドマンゴーが買えるとほくそ笑んだものです。

若いものは柑橘類のような華やかな酸味があり、熟してくると砂糖のようなスッキリした甘味が出てきます。マンゴーといえば南国のフルーツらしく、ねっとりまったりした、悪くいえばボケた甘味というイメージですが、ハイブリッドマンゴーはちょっと別物。酸味と甘味のバランスがちょうどよいものに当たった時は、思わず「ウマッ!」と声が出てしまいました。

ジャージャー麺@フィジー

首都スバ中心街の一画にある「上海 (Shanghai)」という中華料理屋で食べたジャージャー麺が殊の外美味しかったです。味はいくつかありますが、おすすめはシーフードかポーク (写真はポーク)。麺のモチモチ感とソースの絶妙な味付けは本当に美味しくて、何度食べても飽きることがありませんでした。いつも無我夢中で食べていたなあ。

ただ、日本のジャージャー麺とも韓国のチャジャンミョンとも異なり、かといって他の中華料理屋で食べた炸醤麺とも違うんですよね。もしかしたら、店主が日本人向けに (みんなが知っている名前である) ジャージャー麺だよと言っていただけかもしれません。まあでも名前はどうでもいいや、とにかく素晴らしく美味しかったんだから。

ちなみに、これまでジャージャー麺にはけっこう痛い目にあっています。いつも日本のピリ辛肉味噌が載ったジャージャー麺を想像して頼むのですが、海外ではそんなのには一度も出会ったことがありません。しかもキュウリ搭載率が高くて (キュウリが超苦手・・)。

ジャージャー麺@ヌードルキング/スバ

ジャージャー麺@萬味香/ジャカルタ

ジャージャー麺@福華餐廳/バンコク

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フィジー料理はトンガ料理に似ていて、もちろん嫌いではなかったですが、すべてにおいてトンガの方が美味しいと思いました。スバにはマクドナルドも映画館もあるし、国土・人口・経済力で言ったらフィジーの方が圧倒的に大国なのですが、文化面で見ればトンガの方がずっと洗練されているように感じました (トンガを贔屓目で見ています)。

フィジーは約4割がインド系住民です (国籍はフィジー人)。なので、インドカレーを食べる機会も多かったです (レストラン or スタッフの家に呼ばれる)。フィジーのインドカレーは、これまで自分が食べてきてイメージが固まっているインドカレーとは何かが違っていて、心底美味しいと思ったことはほとんどありませんでした。

なのですが、シンガトカでお寺がやっているレストランに行って野菜カレーの盛り合わせを食べた時、ようやく合点がいきました。フィジーのインドカレーは、とにかくヘルシーなんです。普通、インドカレーは野菜・豆カレーであっても、けっこう油が使われています。だから美味しいのですが、ヘルシーさで言うとマイナス。

フィジーのインドカレー (とくに野菜カレー) は、油っ気がかなり少なく、またスパイスもマイルド。これを味気ないと取るか、ヘルシーあるいはナチュラルと取るか、きっと問題はそこなんだと思います。お寺のカレーは油ゼロかと思うほどさっぱりしていましたが、野菜や豆本来の味が濃かったので、美味しくいただくことができました。

ということで、フィジー料理もインドカレーなら (お店を選べば) 自分は好きです。ただ、最も美味しい料理にエントリーするには、ちょっとパンチが弱いですね。

フィジーのグルメ
フィジーで食べた麺料理
フィジーで食べた中華料理・各国料理

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ツバルで食べたもの (参考)
ニュージーランド旅行記 (参考)