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最も美味しい料理(5)インドネシア料理

「最も美味しい料理」を考えるシリーズ、アラブ料理エチオピア料理トンガ・フィジーに続いて、インドネシア料理です。インドネシアで食べたものについては、実はすでに一度、総括を行っています。インドネシア料理ベスト3と、それ以外でとにかく美味しかったものベスト3を書きました。その過去記事を下に再録します。

なお、1万8000もの島々からなる島嶼国家のインドネシアは、主要な島ごとに風土も異なり、それぞれ特色ある郷土料理があります。このブログでもたくさん紹介しているので、各地の料理を載せた過去記事のリンクを列記します。ご興味あればぜひ。

ジャカルタ1ジャカルタ2ジャカルタ3アチェスラウェシ島バニュワンギバリ島バンジャルマシン中部ジャワニアス島スマトラ島インドネシアのスープまとめ

インドネシア極私的おすすめ料理(再録)

インドネシア料理は島によっていろいろ特徴がありますが、どこで何を食べてもそれなりに美味しく、辛すぎてギブアップしたことはあっても、不味くて食べられなかったことは一度もありません。

レストラン巡りにおける自分の行動範囲がB級寄りだったこともあって、言ってみればラーメン・焼きそば・炒飯・カレー、焼き鳥・ゲテモノ・肉団子、といったあたりをグルグルしていたわけで、逆に、心の底から美味しいと思ったもの、ため息が出るほど感動したものなども、正直言うとそんなに多くはありませんでした。

そんな中、これだけは本当に美味しかったと言えるもの、インドネシア料理のベストスリーです。

第1位:ミーアチェ
やはりアチェで食べたミーアチェは格別の美味しさでした。写真はバンダアチェのMie Razaliのもの。本格的なアチェ風カレー味ですが、日本人にもすんなり受け入れられるであろう旨味がたまりません。日本で支店を出したらいけるんじゃないかと思う一方、この美味しさは、今では違法となった魔法のハーブがこっそり使われているのではないかと噂されていることから、レシピは門外不出の可能性も。

第2位:サテ・キジャン
キジャン(鹿)のサテです。お肉の味もさることながら、真っ赤なソースが素晴らしく、バンジャルマシンで3日連続通ったほど病みつきになる美味しさでした。ただもう地元でも鹿の生息数が減ってしまい、なかなか食べられなくなっているとの情報も。いやだって美味しいんだもの、ホント。

第3位:ラウォン
スラバヤ名物の真っ黒スープ、ラウォン。ゴロッとした牛肉は柔らかく煮込まれ、奥深い味のスープはご飯との相性もバッチリ。塩茹でのアヒルの卵を入れて食べるのが正解です。激辛チリソースを適量混ぜて食べると一気にローカルグルメ感が出てきて、この変化の妙が楽しいスープでした。最後の方、インドネシア料理といえばこればかり食べていました。

次点:ハコフグ
新鮮な魚介が自慢のスラウェシ島マカッサルの名物料理、ハコフグの天ぷら。見た目のインパクトは我が人生でも最大級。そして、お味の方も極めて良好。繊細な白身には天ぷらが殊の外合っています。日本でも食べられるのかな。

* * *

さて、インドネシアを離れる最後の頃は、やはりこれだけはもう一度食べておきたいなという料理が明確になってきました。自分の場合、それらは必ずしもインドネシア料理ではなかったのですが、抑えようのないストレスがたまった時、本当に美味しいものが食べたいと魂が叫びをあげた時、いつも食べに行っていた料理ベストスリーです。

第1位:Legend of Noodle
このお店の海鮮チャンポンには本当に助けられました。強烈な魚介の旨味に加え相当辛いので、食べ始めると同時に嫌なこともすっかり忘れ、ひたすら麺をすする行為に没頭することができました。700円くらいですが、この値段にしてはかなり豪華な内容です。麺がモチモチで本当に美味しく、ジャカルタにあるあらゆる麺料理の中で一番好きでした。

第2位:Holy Cow!
インドネシア発祥のステーキハウスです。コスパが良いのが第一のウリですが、コスパだけでなくお肉も普通に美味しかったです。元気がない時は、いつもここのHoly Stake (400グラム) でした。お肉をモリモリ食べている自分の姿を、第三者的な自分が俯瞰で見ていて、「こんなに食べられるならまだまだ頑張れるよ」と自分に言い聞かせていたんだなと、そんなことをぼんやり思い出します。

第3位:萬味香 (Wan Wei Xiang)
スッポン鍋を食べたのは実はインドネシアのこのお店が初めてなのですが、注文を受けてからさばき、余分な味付けをせずシンプルにお酒と醤油で炊いた新鮮なスッポンスープは、本当にいくらでもいただけるお味でした。食べた翌日はスッキリと寝覚めがよく、明らかに調子がよかったです。医食同源、中華料理の偉大さに感服でした。会社でフラフラになり、病院で点滴を打ってまた仕事に戻ってといったこともありました。同じお金を払うなら、こういう元気が出る料理を食べたいものです。

(過去記事はここまで)

「ホリーカウ」のステーキについては、ある日、稀有な体験をしました。過去記事はブログ引っ越しの際に一旦削除していたのですが、せっかくなのでここに再録します。もしかしたらあの時のこのステーキが、「最も美味しい料理」にランクインするかも。

熟成肉?

Holy Cow!はインドネシアローカルのステーキハウスです。自分は月に一度くらい、がっつりお肉が食べたくなるのですが、ここ半年ほどは必ずこのお店に来ています。コスパがいいのは当然で、さらにお肉が美味しいため、もうここ以外でステーキを食べるのは馬鹿らしいほど。

このところ頼んでいるのは、メニューの中でも一番大きい400グラムの Holy Steak。焼き加減はミディアムレアが自分の定番。こちらの人は焼きすぎることもあるので、こう言っておけば悪くてもミディアムでおさまります。

日曜日のお昼時、ガンダリヤシティのお店にて。いつもどおりに注文して、テーブルに運ばれてきたお肉にナイフを入れてみると、断面が何やら白っぽい。赤身肉なので、いつもはもっと真っ赤なのに。

今日は焼きすぎかな? と思いつつパクリと頬張ると、肉汁がジュワーッと口の中に広がるいい具合のミディアムレア。いや、肉汁というか、お肉そのものが溶けるようになくなっていきます。

ちょっと不思議な食感にとまどいながら、二口目。うん、美味しい。というか今までで一番お肉に旨味があります。塩胡椒で焼いただけで、こんなに美味しいもの? うーん。。

あれこれ考えつつ、しかしナイフとフォークは止まりません。あまりにお肉が美味しいものですから、マッシュルームソースをつけるのも忘れ、夢中で食べ進めました。

しかしふと我に返り、冷静にお肉の断面をながめてみると、やはりとても白っぽい (赤身が白く濁っている)。色的には、完全にヤバいやつじゃないのかと疑う一方で、これってもしかして、熟成が限界まで進んでいる状態なのではと思い至りました。

そう考えると、嬉しいような怖いような、なんとも複雑な気持ちになり、思わずカメラを取り出し写真をパチリ。急に食べるのを止めて、怪訝な表情でお肉の写真を撮ったものですから、店員がすっと近づいてきて、「何か問題でも?」と心配そうに聞いてきました。

「いやいや、今日は特別美味しくてね」とぎこちない笑顔で答えたものの、この店員の素早い対応、こちらはますます疑心暗鬼に。超熟成って、つまりは腐りかけ? 実は店員もヤバいと思っていたのでは?

いまだに真相はわかりませんが、ただひとつ言えるのは、こんなに美味しいステーキを食べたのは初めてだったということ。とても貴重な食体験でした。

その他の料理

うーん、あとはやっぱり念のため、ソプブントゥッ (@ボゴールカフェ)、ヘビの唐揚げ (@萬味香)、ルンダン (@メダンバル) もあげておこうかな。これらも感動レベルで美味しかったしな。