世界の料理を紹介しているブログを読むのが好きです。世界にはまだまだ自分が食べたことのない料理が、なんとたくさんあることか。(※2021年9月の記事を編集再録、世界食糧デーにちなんで)
世界の料理を紹介している代表的なウェブサイト
・世界の料理レシピ集 (e-food.jp)
・おうちで作れる世界のレシピ (ライツ社)
とてもありがたく貴重なサイトですが、自分にとっては大半が未知の国の未知の料理なので、紹介されている料理 (基本は1国1品) が本当にその国を代表する料理なのかなと、少しもやもやした感覚もどこかにあったりします。ということで、自分が住んだことのある国で比較してみました。(世)=世界の~、(お)=おうちで~。
カタール
(世) ハリース (麦のお粥)
(お) ムラビヤン (海老の炊き込みご飯)
どちらも「あったな」という感じ。(世) では、ムラビヤンはアラブ首長国連邦の料理と紹介しています。カタール、バハレーン、ア首連は人も文化も近いですから。自分はカタール時代、アラブ料理もよく食べましたが、どれがカタール料理と意識はしていなかったです。カタール料理専門店があったわけでもないし。
サウジアラビア
(世) カブサ (羊の炊き込みご飯)
(お) 野菜のオーブン焼き
サウジアラビア人のルーツを砂漠の民と考えれば、野菜メインの料理は個人的にはあまりピンとこないです。やはり圧倒的にカブサの方が国を代表しているという認識。(お) は「我が国にも野菜料理があるんだ」という、回答者の自負心が見えるような気がしました。
エジプト
(世) コシャリ (炭水化物の三連コンボ)
(お) コシャリ
きっとコシャリだろうなと思ったら、やっぱりコシャリでした。鳩のグリルとかモロヘイヤスープとかバミヤ (オクラのトマト煮) とか、もっと美味しいものもあるんですけどね。コシャリはエジプト時代にさんざん食べたので、もう思い出すだけで胸焼けが、、とか言いながら、バンコクでもアラブ人街に食べに行ったりしました。
ヨルダン
(世) マンサフ (羊の炊き込みご飯)
(お) マンサフ
サウジアラビアのカブサと違って、羊肉はヨーグルトソースで煮込み、食べる時はご飯にそのソースをかけていただきます。ちょっとクセありですが、自分は大好きです。まさにヨルダンを代表する一品。ただ、ヨルダンのアラブ料理は洗練されていて、生肉も美味しくいただけるほど。他にも美味しいものがたくさんあります。
エチオピア
(世) ドロワット&インジェラ
(お) ドロワット
エチオピア料理といえばやはり唐辛子と肉、野菜、豆などを煮込んだシチュー、"ワット"。その中でも、やはりここ一番の料理は鶏肉 (ドロ) を使ったドロワットです (写真中央)。美味しさも辛さも最上級。そしてやはりインジェラ (クレープ状のパン) がなくてはご飯が始まりません。ドロワットでいただくインジェラは本当に美味しいです。バンコクにもナナ駅周辺にエチオピア料理のお店があって、何度かインジェラを食べに行きました。
トンガ
(世) ロイフェケ (タコのココナッツミルク煮込み)
(お) キャベツとコンビーフのココナッツミルク煮込み
どちらも日常よく食べる料理です。両方とも鍋で作れますが、タロイモの葉っぱに包んで (さらにバナナの葉で覆って) 土中の熾火で蒸し焼きにした料理 "ウム" にする方がより正統派でしょう。毎週日曜日、トンガ人がみんな家庭でウムを作るので、ヌクアロファの町も煙っぽかったです。
フィジー
(世) ココダ/ココンダ (生魚のマリネ)
(お) ココンダ
国民の半数近くがインド系なのでカレーも国民食ではありますが、やはりフィジーと言えばココンダです。ココナッツミルクとレモン (ライム) が効いた、さっぱりいただける一品。トンガにもほぼ同じ料理 "オタイカ" があります。
インドネシア
(世) サテ (焼き鳥/牛/羊 etc.)
(お) ガトガド (ゆで野菜のサラダ)
どちらもポピュラーなインドネシア料理です。日本でも知名度が高い方でしょう。国を代表する料理として異論はありません。バンジャルマシンで食べた写真のサテキジャン (鹿肉のサテ) は本当に美味しかったです。ただ、島ごとにいろんな食文化があるので、他にもまだまだ美味しいものがあります。
タイ
(世) グリーンカレー
(お) ヤムウンセン (春雨サラダ)
中華 (潮州料理) の系統もあるし、タイ料理のバラエティーに富んだラインナップでは、とてもひとつやふたつに絞りきれないところだと思います。このふたつが選ばれたのも、これはこれで納得ですが、別にこれがトムヤムクンとソムタムでも違和感はありません。カレーは今だったらグリーンカレーよりマッサマンカレー、さらに次はゲーンハンレー (北タイカレー) かなと思ったりもします。
日本
(世) ちらしずし
(お) おかんのお好み焼き
日本代表がこれでいいのかなと思ったりもしますが、外国人に紹介するなら、どちらも手軽に作れそうだし、これはこれでOKですね。自分が選ぶなら、うーん、親子丼かなあ。丼もので和風出汁が効いていて、安く簡単に作れて、多くの人が食べられるという意味で。豚や牛は宗教的に食べられない人たちも多いですからね。下の写真は2枚ともバンコクでいただいたもの。1枚目「歌行燈」の親子丼セット、2枚目「伊勢」の生親子丼。