トンガ料理
■オタイカ
生魚をレモン汁とココナッツミルクなどであえたもの。美味しいです!
■ルー
タロイモの葉でコンビーフを包んだもの。ほろ苦かったような。
■タコカレー
タコをココナッツミルクで煮たものはまさにトンガ料理ですが、これは珍しくカレーバージョン。とても美味しかったです。
■サツマイモ
色は白っぽく甘みもやや少なめ。これなら主食にしてもOKな感じ。現地語でクマラ。(※本来もっとメインな主食はヤムイモ、タロイモ、キャッサバです)
■ファイカカイ
小麦粉だんごにキャラメルソースをかけたようなお菓子。もちもちしてどことなく和テイスト。
プアカ(ブタの丸焼き)
トンガ人に招待されて、日曜日のご馳走をいただきました。トンガでご馳走といえばブタの丸焼き。そしてブタの丸焼きも一から手作りです。こちらも朝8時からお手伝いしました。
トンガのお父さんは料理上手。段取りも手際もお見事です。そんな父の背中を見て、子供たちも思うところありでしょう。現金収入は少ないかもしれないけれど、庭には食材の山。豊かな生活だなあとしみじみ思いました。
マニオケ(キャッサバ)
日曜の朝、トンガ料理のお手伝い。まずはキャッサバの皮むきから。最初にお手本をつぶさに観察。包丁で縦に切れ目を入れると、外皮とその内側の薄皮がピリピリときれいにむけます。この感触、クセになる。
トンガ人の主食はお芋です。ウフィ (ヤムイモ)、タロ (タロイモ)、クマラ (サツマイモ)、そしてマニオケ (キャッサバ)。どれが一番好きかは本当に人によってばらばらですが (自分はウフィ)、比較的あっさりしたマニオケは、毎日の食卓で好まれるお芋です。
ウム料理1 下ごしらえ
トンガの伝統的な蒸し焼き料理 「ウム」。中でも人気の高い 「ルー・シピ」 の作り方。(ルー:タロイモの葉、シピ:羊肉)
①バナナの葉を火であぶり柔らかくして、茎を取る。
②バナナの葉の上にタロイモの葉を4、5枚重ねる。
③下茹でした羊肉と刻んだ玉ねぎを乗せ葉で包む。
④ココナッツミルクをそそぎ、バナナで全体を包む。
⑤バナナの葉の茎でしばって下ごしらえ完了
ウム料理2 加熱
ウム料理を作るとき、昔は庭に穴を掘ったそうですが (もちろん今でもそうしている人も)、写真のようにウム用の釜があればなお便利です。たくさんの炭火を作り、熱が冷めないように石とかレンガもあらかじめ入れておき、そこに火の通りにくいタロイモから順番に重ねていきます。
タロイモ、ルー・シピ、魚 (ホイル焼き)、キャッサバ、おまけのココナッツ。バナナの葉を2枚かぶせ、鉄のフタをしてから、水蒸気が逃げないようにぼろ布を何枚もしき、最後に木の重しを乗せればOK。この量で調理時間は1時間半でした。
ウム料理3 完成
待つこと90分、ついにウム料理の完成です。フタを開けると大量の水蒸気と香ばしい匂いがあたりに広がりました。キャッサバの色を見てご主人が 「ちょっと焼きすぎかな」 とぼやいていましたが、そのキャッサバをつまみ食いしてみると、食感はパーフェクトなくらいホコホコでじんわりと甘く、まるで栗のような味わい。「美味しい!」 と思わず口をついてでてしまったことは言うまでもありません。
じっくり丸焼きにしたブタとあわせて、この量を大人9人、子ども2人でいただきましたが、もちろん半分も食べきれませんでした。親切なご主人がその日の夕飯にと、たくさんお土産にして持たせてくれましたけれど、それでもだいぶ余っていたなあ。
これだけの料理をしても、食材はほぼ自家製だし、生ごみもほとんどでません。ごみが出ても家畜のエサか畑の肥やしになるので、環境にもやさしい。見習うところがたくさんあると感じました。実はトンガ人て塩胡椒とか下味をつけないんですよね (食べる時に各人が塩をふる)。それだけはなーといつも思いますが、でも、美味しいです、ウム。
ココナッツ七変化
①水分補給 (ココナッツジュース)
②家畜の餌 (ココナッツの実)
③調味料 (ココナッツミルク)
④漉し器 (実のまわりの繊維)
⑤燃料 (外殻)
⑥カップ (内殻)
⑦かご (ヤシの葉) ←ちょっと無理が・・・
ウム料理に欠かせないココナッツ。まずは写真のような鉄の棒を使って、トンガ人はあっという間に実を取り出します。しかしこれがまた難しい。何度やってもうまくいきませんでした。腕力だけの問題ではなく、刺す場所とかむく方向とか何かしらポイントがあるようです。
実を取り出したらある場所をうまく山刀の背で叩くと、気持ち良いほどパカッと真っ二つに割れます (後述)。専用の道具で実を細かく削ってから、ほぐしたココナッツの繊維につめてギュウッとしぼれば、あっという間にココナッツミルクのでき上がり。しぼりかすはニワトリのご馳走です。
ココナッツジュースは人の喉をうるおすだけでなく、ブタの丸焼きの照りを出すためにも使われます。お腹の調子が悪い時にも、ジュースが良いと言われています。ちょっと飲むとまるでポカリスエットですが、けっこうこってりなので飲み過ぎには要注意。
ココナッツはよく燃えます。ウムを作るときも燃料として大活躍。カバを飲むカップもココナッツだし、ヤシの葉はお芋を入れるカゴになるしで、とにかくココナッツ (ヤシの木) ほど人に有益な植物はないんじゃないでしょうか。
もしトンガにココナッツがなかったら、生活形態が大きく変わっていたかもしれません。ちなみにトンガ語でココナッツはニウ (Niu)。
ココナッツの正しい割り方
もしかしたら一生に一度くらいはあるかもしれない、”ココナッツを正しく割らなければならない” その時のために、以下、手順を。
まず、ココナッツは外殻をむいて実を取り出します。続いて、ココナッツの「顔」を見つけます。黒い眼がふたつ、白い口がひとつ必ずあるので、容易に判断がつくでしょう (写真参照)。
手のひらの上に、親指で目と口を押さえるポジションでココナッツをのせ、顔に見立てた場合の脳天にあたる部分を上にします。
あとは山刀の背で勢いよく脳天の部分を叩けば、あら不思議、ココナッツはいとも簡単にパカッと割れるのです。顔で言えば耳-脳天-耳という方向で割れます。
叩く方向を間違ったり勢いが足りなかったりすると、二度三度やってももうスパッと割れてはくれません。
これがスマートにできたら、トンガ人とサモア人 (その他ポリネシア系の人) に賞賛されること間違いありません!
ウフィ(ヤムイモ)1
トンガの主食はお芋。ウフィ (ヤムイモ)、タロ (タロイモ)、クマラ (サツマイモ)、マニオケ (キャッサバ)。個人的にはウフィが一番美味しいと思いますが、タロが大好きな人もいれば、毎日食べるならマニオケが一番と言う人など、好みはやはり人それぞれ。
トンガ農業省のレポートによれば、トンガにはウフィだけでも細かく分ければ130種類もあるそうです。もちろん全部が食べて美味しいわけではなく、食用に適した品種というものがあります。
最近になってようやくウフィを自分で買って食べるようになり、きちんと品種を意識してみるようになりました。そうしてまず食べ比べたのが、ボリとロシ (ロセかも)。結果、ボリが粘度も高く甘みもあって、かなり美味しいと思いました。
今日は、トンガ人が大好きだというカホカホを購入。値段は少し高めですが、とにかく露天のおばちゃんが「ベスト!」を連発するので、弥が上にも期待は高まります。家路を急ぎ、さっそくすりおろし作業にとりかかりました。
実はボリよりもネバネバなんじゃないかと期待していたのですが、いざすりおろしてみると意外に水っぽい。さらにロシとはちがって、とてもなめらかにすりおろせます。そして液状になっても太い糸をひくようなネバネバが。だし醤油、七味、卵を混ぜてちょっと生でひと口。「あ、美味しい・・・」思わず声が出ました。これは明らかに味が違います。
で、いつもの手順にしたがってフライパンで焼きあげ。できあがったパンケーキは甘みが強く、食感も粒状感がなくとてもなめらか。なんといっても冷めても美味しい。これが一番の驚きでした。やはりトンガ人が大好きというだけのことはあります。今日マーケットに並んでいたのはみんな比較的小ぶりだったし、これならなんとか一人でも買えそう。当分カホカホで楽しめそうです。以下、いくつかウフィを簡単にご紹介。
①ボリ
美味しい。トンガ人も好き。粘度が高くとろろに最適。丸っこい形。
②ロシ (ロセ)
あまり美味しくない。水っぽい。ややエグ味あり。トンガ人は好まないが、オーストラリア北部の人たちが好きなので輸出用に栽培している。
③カホカホ
とても美味しい。トンガ人が大好き。王族関連行事の食事には必ずカホカホが使われる。形はいろいろ。
④ウフィレイ
ニウアトプタプでよく栽培されている。
⑤ポア
ゆでた時の香りが独特なので有名。
⑥ソロモネ
美味しい。
⑦キビ
やわらかいのでお年寄りに好まれる。
ウフィ(ヤムイモ)2
この頃ではきちんと品種を確認してウフィ (ヤムイモ) を買おうと心がけていますが、そう意識してマーケットをのぞいてみると、まぁ、あるわあるわ。まだ食べたことのないウフィが山のように売られています。さながら宝の山ですね。
今の狙いはカウメイレ (ネバネバ強い) とウフィレイ (ニウアトプタプ原産)。今日もマーケットに並んでいましたが、なかなかバラ売りしてくれないので、おいそれと買うわけにはいきません。これが日本のスーパーなら、4分の1くらいで切り売りしてるんでしょうけど。
さて、今日の夕ご飯は知人からもらったパホロ (Paholo)。とても柔らかく、お年寄りに好まれるのだとか。確かにすりおろしはかなり水分豊富。生で食べるとややシャリシャリ感があり、ちょっとグレードは落ちるかなといったところ。
いつものように焼いてみましたが、ひっくり返すとき大失敗 (最後の写真)。やはり柔らかかったです。甘みはほどほど、くせもなく食べやすいので、確かにお年寄りにはいいのかな、なんて思いました。今のところまだカホカホが一番かな。
ウフィレイ
トンガ最北端の島、ニウアトプタプ原産で、トンガ人にも美味しいと評判のヤムイモ、ウフィレイをようやく買うことができました。英語名は Sweet Yam。なんとも期待が高まります。
ワクワクしながらすりおろしてみると、これはもうすぐに違いが分かりました。ネバネバがすごい。すごすぎます。水分が少なく、すりおろし器に貼りつくようです。すりおろすのが大変なほど。
容器にうつそうとしても、へばりついて簡単には出てきません。これまでで一番粘りが強いと思ったボリとはまた次元が違うネバネバ。まるでトリモチ。
これは生でいただくしかありません。もちろん、とろろ蕎麦に決定。ということでできあがったのが写真の一杯。美味しかったです。自然の甘みが感じられました。
なお、とろろには醤油を混ぜていますが、それにしてもちょっと色が赤茶色ですよね。実はすりおろした側から変色していきました。たぶん味に影響はないと思いますが。
レモンとか混ぜたらいいのかな。次はマグロを買ってきて山かけにしようかな。夢はふくらむ。ちなみに購入はババウのマーケット。ひと山3個で3パアンガ (150円) でした。
コンビーフ食べ比べ
体に良い要素が何ひとつないのは百も承知ですが、いつかやらねばなるまいと勝手に決めていたコンビーフの食べ比べ。ファレコロア (雑貨屋) によったら手頃なサイズのパッカンのやつが3個あったので、意を決して緊急購入!
1. ソールズベリー (Salisbury)
・ニュージーランド製コンミート
・調理肉75%(牛、羊)、牛ハツ、塩
2. パーム (Palm)
・ニュージーランド製コンビーフ
・牛、水、塩
3. イクナ (Ikuna)
・フィジー製コンビーフ
・牛、水、塩、砂糖
自分の好みでいえば2→1→3。トンガ人も多くが2を好き。比較するまでもなく2の圧勝かと思われますが、中には1をすすめるトンガ人もいます。ただし1はビーフ100%ではないので比較しづらいですね。個人的にはハンバーグも合挽きが一番好きですが、やはりビーフ100%ハンバーグの権威は絶大なものがありますから、合い挽きのほうが美味しいだなんて、口が裂けても言えません。
1はお肉がまざっている分、飽きずに食べられると思います。「あ、ハツ!」なんて口の中で感じながら食べるのは楽しいもの。塩分も控えめで好感触。ただし、2はさすがの絶対王者。塩分やや高めながら、味のキレ、コク、お肉感、どれをとっても完璧でした。写真でもわかる通り、結局一番パクパク食べてしまいました。血液が急速にドロドロになるのを感じたため (←気のせい)、なんとか箸を止めましたが。
さて、問題の3。特筆すべきはパッケージに「For the People of Tonga (トンガ国民のために)」と書かれていること。何かトンガ人向けに特別な味付けが施されているのでしょうか。残念ながらそのようなキラリと光る部分は感じられませんでしたが、ひと言で言えば、普通。
たぶんコンビーフのもっとも一般的な味。ちょっと脂臭くてもっさりしていて、輪郭がぼやけたようでいてやはりそれこそコンビーフの味だと納得するあの感じ。本当はお肉が食べたいんだけど、お金もないし今日はコンビーフで我慢すっか、というあの学生時代の味です。
そう、ポイントはそこかもしれません。2のパームは、お肉ではなくあえてこれを食べたいと思わせる、強烈なごちそう感があるのです。それに比べたら1のソールズベリーはやや劣りますが、味が豊かなので食材として重宝されるのがわかります。3のイクナはその点まだまだ伸びしろがありますね。今後に期待です。
なーんて、わかったようなことを書きましたが、本当はノザキの馬肉が入った安いやつが好きなワタクシでした。
カレーモア
トンガはカレーモア (チキンカレー) が美味しいです。だいたいどのお店で食べてもハズレなし。インド風チキンカレーとは別物と考えれば、個人的にはシンガポールレストランのカレーモア (写真1枚目: 5パアンガ=225円) が最強と思っていましたが、あらためてタラヒバレストランのカレーモア (写真2枚目: 3パアンガ=135円) を食べてみたら、しみじみスゴイなと思いました。何ってそのボリュームが・・・。マニオケ (キャッサバ) に手を付ける余裕なかったです。
タラヒバレストラン
お店の前を通るたび、もうもうと煙を上げるバーベキューグリルに目が釘付けになります。やはり炭火で焼いたチキンは最高。魚も美味しかった。カレーモアも名物メニューです (上の記事参照)。写真3枚目ののミックスBBQで7パアンガ (320円)、ポテトなしなら5パアンガ (230円)。
トンガ国産ハチミツ
トンガで唯一深い森を有するエウア。その大好きな島から、またひとつ素敵なお土産が届きました。ハチミツです。もちろん100%天然だろうしきっと森の恵みをギュッと詰めこんだハチミツなんだろうとは思いますが、エウアらしい簡素なラベルからは、このハチミツが生まれたストーリーは知る由もありません。
今度エウアに行ったらたずねてみよう。なんかうちの大家さんがやってるらしいし (←早く言ってよ!)。お味の方は、重すぎず軽すぎず、甘さは控えめながら香りは濃厚。口にするとパッと爽やかな酸味があり、「ああ、これは森に咲くコーヒーの花の蜜も入っているのかな」 などと想像がふくらみます。
やや透明度が低いのも、細かい泡が出ているのも、すべて天然の証拠。これは売れる!
イフィ(タヒチアン・チェストナッツ)
タタカモトンガ村のある農家の家で、イフィ (タヒチアン・チェストナッツ) の実を見せてもらいました。1個7~8cm。木になっている時は緑色で、収穫後 (地面に落ちた後) 放っておくと表面がパサパサの繊維状になります。
この毛玉の状態を見て初めて、近所の大木がイフィの木だったのかと悟りました。ある時期、地面にたくさんの実が落ちていて、なんだか食べられそうなのになーと思った記憶があります。
シーズンにはマーケットで焼いたイフィが売られています。クリのほこほこ感と甘味をだいぶ少なくした感じ。まあまあ美味しいです。
ノニジュース
今でもトンガのあちらこちらに自生しているノニ。黄色く熟した実を摘んでそのまま放置しておくと自然発酵し、2ヶ月ほどでノニジュースができあがります。ちなみにその発酵にともなって数%のアルコール分もできるのですが、それなのに地酒としてのノニ酒ってのはないんですよね。あっても良さそうなものですけれど。
ポリネシアでは古くから健康のために利用されていたノニ。やはり確かに効能はあるようです。味はかなり独特で、けっして美味しいものではありませんが、激マズというほどでもありません。自分も健康のため飲み続けています。500ml=12パアンガ (600円)。
メイ(パンノキ)
パンノキ (英語名:ブレッドフルーツ Breadfruit) はポリネシア原産で、大きな葉をつけるため庭や空き地に日除けの木としてよく植えられています。ハワイアンキルトの葉っぱの模様がこれですね。
1本の成木から年間200個も実がとれ、直径20センチほどの実は重さにして2~3kg。1個で大人1日分のカロリーをまかないます。ポリネシアでは子どもが生まれると、一生食べ物に困らないようにと、新しく1本パンノキを植えるのだそうです。
トンガも町のあちこちでパンノキを見かけます。あまりにもたくさんあるので、わざわざお金を払って食べるものではないと思われているのでしょう。確かにパンノキをメニューに載せているレストランは少ないと思います。
パンノキはトンガ語でメイ (Mei)。昨日ランチを食べたお店に珍しく「メイチップスあります」と書かれていたので、思わず注文しました。薄切りのメイを素揚げしたものですが、外側はほどよくパリッ、中はサツマイモのようにホクホク、とても美味しかったです。
食感もそうですが、味も甘くないサツマイモといった感じ。揚げ物の他に蒸し焼き、直火焼き、茹でるといった調理法があるそうです。芋けんぴとか金団、あるいは煮物なんかにいいかもしれません。
食物繊維とビタミンCはサツマイモに勝っています。お店の厨房で茹でたのを見せてもらいましたが、ご飯がわりに食べたら繊維質も多いし、健康食としていけるんじゃないでしょうか (トンガではココナッツミルクで和えて食べるそうです)。
ちなみに、パンノキの実は「パンノミ」ではなくてやっぱり「パンノキの実」なんですよね、当たり前だけど。ずっと「パンの木」だと思っていたので勘違いしてました。
* * *
■パンノキ線香
パンノキの雄花は線香になると聞き、カラカラに乾いたのがあったので本当に線香みたいに燃えるか実験。ライターでおもむろに火をつけると、うん、見事に線香でした。
ただ、さすがに良い匂いがするというのはガセネタでした。残念。でも、蚊よけになるというのは本当かも。まあ煙を焚いたらたいがい蚊とか逃げていきますけど。
トンガのお菓子
トンガタプのマーケットで、バナナの葉に包まれたファイカカイを買ってきました。ファイカカイはキャッサバ、タロ、小麦粉などで作る、わらび餅のようなお菓子です (トンガンプディングと言う人も)。
半日冷蔵庫に入れていたのでシロップが白く固まってあまり美味しそうに見えませんが、実際はすごくプルプルしていて、とてもおいしかったです。どうせなら黒蜜で食べたかったです。
釣りに行ってウトを食べて
土曜の朝釣り。先週は強風と波しぶきに心が折れそうなコンディションでしたが、今週はうって変わって快晴、べた凪。ただ、今日は大型客船が着くとの理由で港に入れてもらえず。仕方なく違う場所へ。晴れ渡る空の下で釣りをするのはとても気持ちのよいものでしたが、それが釣果には結びつかず、結局一匹も釣れませんでした (同行者がコトヒキ1匹ゲット)。魚じたいはけっこうバシャバシャ泳いでいたんですけどね。残念。
8時過ぎには釣りを止め、帰りはフィッシュマーケットに立ち寄りました。珍しくサメが並んでいて、どうやって食べるのか聞くと、「茹でて」というシンプルな答えが。どんな味なんでしょう。ちょっと気になる。写真一番手前のもので1匹20パアンガ (1000円)。いや、買いませんでしたが。これも初めて見ましたが、大きなクエも売られていました。70~80cmあったかな。
さて、ウフィ (ヤムイモ) の食べ比べにはまっている今日この頃。粘りが強いカウメイレという品種を探していたのですが、フィッシュマーケットにひとかごだけ売られているのを見つけ一気にテンションが上がりました (写真一番手前のかご)。しかしさすがにひとかごは食べきれないので、いつものように1個だけ買いたいとお願いすると、店主はとっても渋い顔。結局バラ売りはしてくれず、かといってひとかご80パアンガ (4000円) という言い値はウフィの中でも最上級のお値段なので、止むなく断念しました。
その後、山盛りにして売られていたココナッツの中から、芽が出かけたものを1個、1パアンガ (50円) で購入。目当てはウト。ココナッツには三段階の食べ方があると言われています。ヤシの木になっている実をもいでフレッシュなジュースを飲むこと、自然に木から落ちた実の内側にある白く半透明な果肉を食べること、そしてしばらく実を放置しておき芽が出かけた頃にできる「ウト」を食べること。
たぶん、ジュースの水分がとんでいって、スポンジ状の固形になるんだと思いますが、トンガ人はおやつ感覚でウトを食べます。そんなに美味しいものではないとは聞いていましたが、うーん、確かになんとも言えないお味でした。甘みも酸味もあるようなないような、シャクシャクよりもっとスカスカって感じの食感、独特の鼻に抜ける風味、そのどれをとっても、ひと口でゲンナリしてしまうのに十分なものでした。ちなみに脳みそもウトと言うそうです。写真を見るとなんとなくうなずけますね。
ということで、朝からトンガを満喫していました。
フリフリ
ヌクアロファのフィッシュマーケットにときどき並んでいる「フリフリ (Hulihuli)」なるもの。トンガ語の辞書をひくと Sea Slug (ウミウシ) とあります。ゆでた状態で売られているのでギュッと縮まっていますが (7~8cm)、確かにウミウシと言われればそんな形をしています。
ただし、体に硬いものが刺さっていて、爪を引っ掛けてよいしょと取りはずすとまるで歯のようです。二度目に見つけた時お店の主人に聞いてみると、なるほど Teeth (歯) だと言います。ウミウシなのに歯? しかも背中 (あるいはお腹) に7~8個並んでいます。うーん。。。
その正体はさておき、味の方はなかなか美味しいです。かたいイカのような食感。でもかたすぎて、食べるとかなりあごが疲れます。2枚目の写真はウミガメと一緒に煮付けた状態。細めに切っています。トンガではいろんなもの食べたなぁ。
犬食文化
自分がトンガに来る1年ほど前、ニュージーランド在住のトンガ人が、庭で犬をバーベキューにして焼いていたところを近隣住民に通報され、警察に拘留されるという事件がありました。トンガには昔から犬食文化があって、このトンガ人もおそらく罪の意識はなかったと思います。
この事件は、ニュージーランド国内で議論をよびました。文化人やマスコミは、犬食を非難することは相手の文化に対する無礼であり、また、これが移民排斥感情につながってはいけないという警告的な論調で語っていたようですが、世の多くの愛犬家に言わせると、犬食は動物虐待以外の何ものでもありませんでした。
ニュージーランドの現行法では、犬を殺して食べることは犯罪ではありません。そんなことを言ったら、ニュージーランド人だって肉食が大好きです。犬と牛・豚・羊・鶏、何が違うのでしょうか。「正しい文化」と「正しくない文化」なんて、誰にも決めることはできません。
ニュージーランドの中でも特にコスモポリタンな街であるオークランドは、市内に50万人、近郊を含めた首都圏では125万人が暮しています (ニュージーランド全体の4分の1)。そのうち40% (50万人) は外国人で、さらにその半分 (23~24万人) はトンガも含めた大洋州の人間です (トンガ人=3万人)。
オークランド市は、今後30年間で100万人の受け入れを宣言しています (移民+国内からの流入)。ますます多種多様な文化がひしめくことになり、だからこそ今から相手の文化を尊重すること、寛容になることの是非が盛んに議論されているわけです。
注意したいのは、寛容と不干渉は似て非なるものだということ。ヨーロッパのイスラム系移民と地元住民あるいは他の文化的コミュニティーとの関係は、どうも不干渉を貫いているような気がします。触らぬ神に祟りなし。つまり、一生わかりあえない。わかりあおうという気もない。それはそれでちょっと悲しいですね。
実はトンガ国内でも、それほど頻繁に犬が食べられているわけではありません。自分はトンガに1年以上いて、犬を食べている場面に出くわしたことは皆無、死んだ犬を肩にかついでうれしそうに道を歩いている人を見たことが1回あるだけです。
食文化の継承は大切なことだとは思いますが、いつまで続くのかな。日本の鯨食もですけどね。