その1に続いて、ウズベキスタン生活あるある。違和感を覚えること、物珍しいこと、感心すること、などなど。
①地下鉄出入口のドアが怖い
ガラスドアをグッと手で押して開いたあと、うかつに手を離すと閉まる時にギュン!とすごい勢いで閉まります。バネが強すぎるんですね。中には緩いドアもありますが、ほとんどの地下鉄は強くて怖いです。後ろに人がいたらマジで危険なので、みんな必ず手で抑えて後ろの人につなぎます。ウズベキスタン人のマナーと連帯感を感じるとともに、いい加減改善してくれよとも思います。
②電車のドアが閉まるの早すぎ
地下鉄各駅のプラットホームにはどこもスタッフが数名いるのですが、発車の際、誰かが乗客の乗り降りを確認してドアを閉めるわけではないようです。閉まるのが早すぎると言うか、乗る客がいても一定時間過ぎたらかまわずドアを閉めることが多々。ドアに挟まれる人を何度も見たし、まだ人がぞろぞろ乗りこんでいる時に一瞬ドアを閉めて開けるみたいな "威嚇" をすることも。ホームのスタッフがピピッと笛を鳴らすこともありますが、これは「乗車完了、発車オーライ」の合図ではなく、「ドアが閉まるぞ、早く乗れ」の警笛です。
③電車で席を譲られ老いを感じる
ウズベキスタン人は年長者を敬います。何事につけ、年長者の意見を尊重することが大事と考えられています。電車やバスでは、年長者が乗り込んでくると、座っていた若者がサッと立って席を譲る光景を毎回のように目にします。自分も何度か譲られました。これ、嬉しいんですけどね。でも同時に、もう若くは見られていないんだなと、通告を受けた気分にもなって、そこはかとなく哀しみに包まれる瞬間でもあります。
④ウズベキスタン人はよく歩く
こう思うのは、自身の前任地がタイだったことも関係しています。タイ人はとにかく歩きません。数百メートルの移動でも「どうしよう・・・」と悩み、1キロあればまずバイクタクシーを利用します。自分はバンコクの職場が駅に隣接していましたが、敷地が広く改札からオフィスまでドアツードアで1.3kmあって、毎日20分弱歩いているとタイ人スタッフに言ったら、「ウソでしょ!?」とかなり驚かれました (スタッフは構内の無料シャトルバスかバイクタクシーを利用)。※参考:タイあるある (過去記事)
くらべてウズベキスタン人は、よく歩きます。例えばアミールティムールアベニュー。南北に走る大通りで、歩道を常に人が歩いています。写真だとあまりそんな風に見えないかもしれませんが、バンコクの雰囲気とは確実に異なります。歩くのも速いですしね、ウズベキスタン人。たぶん1駅くらいなら平気で歩くのではないかと。脂っこい食事が多い国にしてはスリムな人が多いのも、よく歩くおかげかもしれません。
⑤ウズベキスタン人は傘を差さない
多少の雨では、いや、けっこうな雨でも、なかなかウズベキスタン人は傘を差しません (女性はちらほら)。そもそも傘を持っていないのだろうとは思いますが、雨に濡れることはわりと平気みたいです。乾燥した国ゆえ、雨が降ったら全身で水分を満喫したい、とでも考えているのかなと思ったりもしますが、これ、雨季があるタイでもインドネシアでもそうだった記憶があります。ほとんどみんな傘を差さない。おそらく、日本人の傘所持率・使用率が高すぎるのでしょう。世界の常識で見たら、日本人の方が異常なのかもしれません。
⑥男は黙って黒を着る
とくに冬場、男性の上着といったらもうほとんど黒です。電車の中は真っ黒、レストランも真っ黒。日本の冬の電車も黒いなと思ったことがありますが、日本の場合は黒というよりはモノトーンの衣装が多いのかもしれません。ウズベキスタン人は潔く真っ黒です。写真で見れば一目瞭然 (さすがに電車内で写真は撮れないので、あるレストランのものを)。
⑦フライドチキンはKFC
コチラに書いたように、ウズベキスタンではフライドチキンの代名詞が「ケーエフシー (KFC/K-EF-SI)」です。町のレストランのメニューにもKFCと普通に記載されています。今では本家KFCもあるのですが、クレームを入れないのは何ともおおらかですね。あるいは、今さら変更できないほど普及した概念なのかもしれません。
⑧ハンバーガーはガンバーガー
ウズベク語でハンバーガーは「Gamburger (ガンバーガー/ガンブルゲル)」です。なんで?と思いましたが、調べたらドイツの都市ハンブルグもガンブルグでした。どうやら、ロシア語の影響のようです。ロシア語は外来語のH音がG音に転化することがあるようで、ロシア語でもハンブルグはガンブルグ、ハンバーガーはガンブルゲル (ガンブルゲァ) です。中央アジア5ヶ国 (旧ソ連邦)、みんなそうみたいです。
⑨ビュッフェはスウェーディッシュ
昨年、大きめの会議を準備していた時のこと。50人分のランチが必要になるねとスタッフと話していたら、「じゃあスウェーディッシュですね」と言ってきました。「ん?」と思いつつ「ビュッフェの手配を」と伝えると、何事もなかったように涼しい顔でパソコンに向かうスタッフ。しばらくたってあらためて、「ところでスウェーディッシュって何?」とたずねると、要はビュッフェのことでした。
気になってネット検索してみたところ、様々な料理をひとつのテーブルに並べて提供するスウェーデンの食事スタイル「スモーガスボード」が、ビュッフェ (バイキング) の原型にあたるそうで、この流れでウズベキスタンではビュッフェのことをスウェーディッシュと呼ぶのだそうです (ビュッフェでも通じます)。この語感が気に入って、しばらくこの単語を使っていた自分でした。
⑩麺にパン、お米にもパン
本ブログでたびたび触れていますが、ウズベキスタンでは食事の際、何を食べるにしてもノン (パン) がつきものです。料理がプロフ (米) やラグマン (麺) でもそう。ラグマンにノンはわかりますが、プロフでもノンですからね。炒飯と一緒にトーストを食べるようなものです。もちろんこれは、ただ食事としての食べ合わせの問題ではなく、ノンをちぎりみんなで分かち合って食べるという行為が、ウズベキスタン人の大切な文化だからです (⇒コチラ)。