A Dog's World 

~海外で暮らす・日々の記録・旅の記憶~   

結論:ブハーリーライスに一番近いのは

昔、サウジアラビアに住んでいた時によく食べていた「ブハーリーライス (ルズ・ブハーリー/Ruz Bukhari)」。

同じ炊き込みご飯の「カブサ」や「マンディー」はご馳走で、結婚式などでは必ず出されていましたが、ブハーリーライスはもっと日常的なご飯という感覚です。値段も安かったですし。

まずはブハーリーライスがどんなものか、あらためて過去記事をピックアップ (⇒元記事:サウジアラビアのグルメ)。

ブハーリーライス

サウジアラビアの生活で、週に3度は利用しているのが「ブハーリーレストラン」です。市内至る所にありますが、すべてが同じチェーン店というわけではなく、共通しているのは「ブハーリーライス」という炊き込みご飯を出すことです。

その由来は、ウズベキスタンのブハラ州にあると言われています。この地域は8世紀初頭にはすでにイスラム帝国領となっており、古くから多くの巡礼者がマッカを訪れていました。そんな彼らが残していったのが、ブハーリーライスのレシピです。

長粒米をチキンスープと香辛料で炊きあげたもので、それだけでは薄味ですが、噛めば噛むほどじわっとおいしさが口の中に広がります。普通はローストチキンやシチューなどをおかずとして頼みます。

写真はライス1人前とハーフチキン (テイクアウト)。野菜はおまけでついてきます。1人前にしてはご飯の盛りが良すぎるので (丼3杯くらい)、「ライス半分、値段も半分」というオーダーができれば良いのにといつも思います。

でも、これで値段は10リヤル (300円) ですから、ご飯のみだとたぶん2~3リヤルでしょうか。半分にしてもたいしてトータルの値段は変わりませんね。

それにしても、ご飯を炊く釜が大きいこと。どの店も直系1メートルほどの釜が3~4個あります。「ご飯くらいは好きなだけ食べてくれ」という気持ちの表れなんでしょう。ありがたいけど、また太ってしまう・・・。

* * *

さて、ウズベキスタン赴任が決まった時、真っ先に思い出したのが、他ならぬブハーリーライスでした。

また食べられるかもしれない、ウズベキスタンには国民食「プロフ」があるそうだから、きっとそれに違いない、と最初はそう思っていました。

ウズベキスタンに来た翌日にはプロフを食べる機会があり、満を持していただいたものの、しかしそれは違うものだということがわかりました。

たぶん美味しいというか上等なのは間違いなくプロフの方。カブサとブハーリーライスの関係にも似ています。プロフはご馳走感がありすぎます。逆に、頻繁には食べられません。

自分が食べたいのは、プロフよりもあっさりしていて、もっと質素で、ご飯 (お米) の量だけは山盛りの、そしてできれば値段も安い、ブハーリーライスです。

タシケントのプロフには早々に見切りをつけ、本場ブハラ州に望みをつないでいましたが、実際のところ、ブハラでいただいたプロフ (オシュ・ソフィ) は、やはりあくまでプロフでした。

ブハーリーライスにくらべたらもっとご馳走なんですよね。お米の品質もシャープで上々だし、油っ気も多いし、具材もゴージャスだし。

いや、なんで美味しいのに文句言っているの?と言われそうですが、とにかく自分が長年その影を追い求めていたブハーリーライスには、ついぞ出会えずでした。

オシュ・ソフィ@The Plov (32,000スム/390円)

で、いきなりの結論なのですが、最近食べたアフガニスタン料理のカーブル風ポロウが、ブハーリーライスに一番イメージが近かったです。コチラの過去記事には、ブハーリーライス含め他の炊き込みご飯料理の写真もあげつつ、ポロウを紹介しています。

大きな違いはお米。使っているお米がプロフはレーザー種 (Laser/長粒米の一種) だと思いますが、ポロウはバスマティライス (世界的に有名な長粒米)。そしてプロフよりしっかり炊いているので、もっとふっくら柔らかい食感。

ポロウはお米の量がプロフよりだいぶ山盛りなのも気に入りました。その分値段は少し高かったですが、ホスピタリティーの精神 (食べきれないほどの量を出す) という意味では、こちらが正解なのではないかなと。

味は濃すぎず、油もまあまあ控えめ、お米はソフトで軽い食べ心地ですから、もりもり食べられるし、うん、まさにブハーリーライスを彷彿とさせます。

写真は2度目に食べに行った時のもの。1度目と変わらぬ好印象でした。お肉 (羊) も大ぶりのものが入っていましたが、自分にとって主役はあくまでお米でした。

ポロウ@Zaytoon (50,000スム/600円)

念のため、ビリヤニも食べに行ってきました。もしかしたらビリヤニの方がピンとくるかもしれないと思い。結論としては、お米がちょっとスパイシー過ぎて、相乗効果よりもむしろお米本来の滋味をスポイルしているのかな、なんてことを思いました。なのでやはりポロウの勝ち (ブハーリーライスに近い)。

チキンビリヤニ@Shalimar (70,000スム/840円)

なお、純アラブ料理としてのものが食べたければ、ミラマンディ (Mira Mandi) に行くと良いでしょうあ (⇒コチラ)。プロフよりずっとソフトな食べ心地です。でもブハーリーライスにより近いのは、やはりザイトゥーンのポロウかな。

羊のマンディ@Mira Mandi (68,000スム/820円)