A Dog's World 

~海外で暮らす・日々の記録・旅の記憶~   

タムスア(ソムタムスア)食べくらべ

もともとソムタムが大好きですが、最近は「タムスア (ソムタムスア)」にハマっています。タムスアはソムタムにカノムジーン (タイ風素麺、お米を発酵させて作った麺) を入れたもの。(※注:実際には麺そのものはスア、これを使った料理がカノムジーンらしいので、「ソムタムにカノムジーンを入れた」という表現は間違っているかもしれません ⇒参考過去記事)

ソムタムタイは「ナンプラー」とニンニク、トマト、ライム、ココナツシュガー、干し海老などで味付けした、わりとシンプルに甘酸っぱい味ですが、タムスアは基本、ナンプラーの代わりに「プラーラー」を使っていて、甘酸っぱさ控えめ、ナンプラーとはまた違った独特の味と香りがあります。

プラーラーは魚を塩漬けし醗酵させたもので、タイ東北部イサーン料理では一般的な調味料です。ナンプラーは上澄み液を、プラーラーは上澄み液とともに発酵した魚の身も使うそうです。

ナンプラーはきれいな薄茶色 (透明) ですが、プラーラーは濁っているというか塩辛のようなドロドロの見た目。その分ナンプラーよりも旨味が強く味に奥行きがあって、そしてちょっと臭いにクセあり。いや、ものによってはげんなりするほど大いにクセありです。

「タムスアは基本プラーラー」と書きましたが、ソムタムにもプラーラーを使ったものがありますし、タムスアにもソムタムと同じ味付けのものがあるので、結局、違いはカノムジーンのありなしだけなのかもしれません。

ただ、自分の経験上、そのお店のメニューにタムスア一品しかない場合、それはプラーラーを使ったものでした。メニューにタムスアタイ、タムスアプラーラーなどとふたつ書いてあったら、ひとつは普通のソムタムと同じ甘酸っぱいものだと思います。

ソムタム・ダー(Somtum Der)

品名:タムスア・ダー (90バーツ/315円)。店名を冠した一品。少し前に食べたのでちょっとうろ覚えなのですが、特に違和感なく普通の甘酸っぱいソムタムとして食べた記憶があります。この頃はまだ「タムスア=プラーラー」という意識もなく。

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品名:タムスア・サコンナコーン (85バーツ/295円)。イサーンの県のひとつサコンナコーンの名を冠し、現地特産のカティン豆を使った、見た目にも鮮やかな一品。甘酸っぱさ弱め、プラーラーかなり強め。プー (塩漬けして発酵させたカニ、非加熱) も入っています。これはだいぶクセありでした。以前食べたタムスア・ダーの記憶から、プラーラーを意識せず注文してしまい、ひと口食べてあまりのクセのすごさに、ちょっと半泣きになりました。でもこれを皮切りに、意識してタムスアを食べるようになったので、クセの向こう側にはやはり旨味があるんだなと感じたことも事実です。

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ラープペッ・ヤソートーン

品名:ソムタムスア・プー・プラーラー (55バーツ/190円)。イサーンの県のひとつヤソートーンを店名に冠した有名屋台の一品。屋台とはいえ路上に並べられたテーブルの数からその人気ぶりがうかがえます (自分が行った時はお客ゼロでしたが)。甘酸っぱさ普通、プラーラーかなりマイルド。ほとんどクセは感じず、だいぶ食べやすかったけれど、こうなると少し物足りませんでした。カノムジーン多め、というかパパイヤ少なめ。メニューにはソムタムスア・タイ・プーもあります。

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プーもしっかり入っていました。しかしこのカニ、チューチュー吸ってもいいのかな。今回そこまで勇気がありませんでしたが。職場のタイ人に聞いてみたら、彼は食べたことがないとのことでした。タイ人でもけっこう好き嫌いが分かれる食材のようです。たぶん味というより、衛生管理上の問題で。

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セープ・ワン・ラチャダー(Zabb One Ratchada)

品名:タムスア (60バーツ/210円)。メニューにタムスアはこの一品のみ。トマトやいんげん豆、緑のハーブなどはなく、見た目はシンプルですが、なにしろ盛りがいいです。カノムジーンとともにパパイヤ、もやし、ケープムー (揚げた豚の皮) がたっぷり。プラーラーの風味はしっかり感じられますが、甘酸っぱさかなり強めで食べやすい一品でした。プラーラーの入門編として最適かも。

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ソムタム・クン・ガー(Som Tam Khun Kan)

品名:タムスア・プラーラー (75バーツ/260円、プー追加)。ウドムスックの人気店。以前ソムタムやガイヤーンを食べに来ました (⇒ソムタム、⇒ガイヤーン)。甘酸っぱさ控えめ、プラーラーしっかりめ。クセはそこそこありますが、食べやすく旨味が感じられる味わいは、さすが人気店だなと。ちなみにどのお店でも「スパイシーでいい?」と聞かれたら「はい」と答えていますが、中でもここが一番辛かったです。メニューにはタムスア・プー、タムスア・タイ、タムスア・プラーラーの3品が。タムスア・プラーラーを頼んだら「プーも追加する?」と聞かれたので、そうしてもらいました (値段一緒)。

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イサーン・ロム・イェン

品名:タムスア・プー・プラーラー (60バーツ/210円)。チムチュムを何度か食べに来たお店 (⇒コチラ)。メニューにタムスアはこの1品のみ。甘酸っぱさひかえめ、プラーラーがほど良く効いていました。5店舗の中では最後に食べたもので、だんだんプラーラーに慣れてきたせいか、臭いやクセもさほど気にならず、一番旨味が感じられました。言ってみれば塩辛のような旨味。これだったらソムタムよりタムスアを選びたいです。あと細かいことですが、ソムタムによく入っている生のいんげん豆、自分はこれが青臭くて苦手なんですが、ここのは美味しいと感じました。よく叩いているからかな。おすすめ。

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タムスアを目当てに、まだまだ行きたいお店があります。バーン・ソムタムとニッタヤ・ガイヤーンにはぜひ行きたいなと。そうしたら追記する予定。