ポルトガル人の末裔が住むエリア、クディーチーン (またはクディージーン) 地区 (その①はコチラ)。食べ物にもポルトガルの影響が見て取れるそう。ミュージアムには代表的な料理が展示されています。
食事をするなら「バーンサクントーン (Sakulthong's House)」でセットメニューが良さそうですが、自分は朝早めに訪れたので時間が合わず今回はパス。サンタクルス教会の正面にある「Helo Nomsod」で "カノムジーン・ゲーン・ガイ・クア" をいただきました (49バーツ/170円)。
カノムジーンはお米を発酵させて作った麺にカレーやスープをかけていただく料理ですが、見た目と食感はちょっと茹ですぎた素麺そっくり。これはイエローチキンカレーがかかったものですが、クディーチーン地区の代表的な料理とされています。
実際にはクメール文化圏 (カンボジア) の料理であり、ポルトガルから渡来したものではないのですが、当時からクディーチーン地区の住民が好んで食べ、それがタイの他の地域にも広まったのだそうです。毎年9月24日、聖母マリアを讃える日に食べられてきた伝統料理とのこと。(コンセプション教会のカンボジア系キリスト教徒がオリジンだそう)
ポルトガルといえば南蛮菓子として日本にも多くのお菓子が伝わっています。あまりにもなじみすぎて、カステラや金平糖など、すでに和菓子として認識されているものばかり。クディーチーン地区には「カノム・ファラン (洋菓子)」としていくつかお店があります。
まずは「タヌーシン・ベーカリー・ハウス」でパンを買いました (大サイズ50バーツ/175円、下の写真の白っぽい方)。外側はサクサク寄りのカリカリというかポロポロ、中はしっとり。甘食のような昔懐かしい味がたまりません。もう1軒 (カノム・ファラン・クディーチーン) では同じ作りのパン (茶色っぽい方) と揚げ菓子2種で3個100バーツ/350円。パンはタヌーシンの方が高い分だけちゃんと美味しかったです。外と中の食感の差が絶妙。
サモサみたいなのはカレーパフっぽいけれどお菓子なんだよなと思いつつ買いましたが、中身は甘酸っぱ辛いジャガイモのカレーという、しっかりカレーパフでした。文字で書くと違和感ありますが、食べてみるとこれが実に美味しかったです。
なお、ファラン (外国人=白人) という単語については、ミュージアムの掲示板にはアラビア語起源説が記載されていました。過去記事:諸言語にまつわるエトセトラ (旅をする言葉1ファラン) 参照。