A Dog's World 

~海外で暮らす・日々の記録・旅の記憶~   

チムチュム(東北タイの鍋料理)食べ歩き

東北タイ (イサーン) の名物料理 "チムチュム"。炭火でグツグツ煮えたぎる土鍋で、肉や魚介と野菜 (白菜、空芯菜、セリ、バジル等)、春雨等を煮込んでいただく鍋料理です。お肉は軽くタレかゴマ油がかかっていて、生卵をからめてから煮込みます。

この暑いタイで生肉・生卵が卓上に出てくるビジュアルインパクトと、あとは土鍋の使い回しという点から、衛生的にどうなのかなと思って今まで手を出さずにいたのですが、この週末、初めてチムチュムをいただき、そして思ったこと、「なぜ今まで食べなかったんだ!」 その後は見事チムチュムにハマりました。以下、食べ歩きの記録。

Zabb One(Zaap One Ratchada)

自分にとって記念すべきチムチュム第一号店。訪れたのはMRTタイ文化センター駅から徒歩10分弱の "Zabb One"。まず清潔感、とくに問題なし。土鍋がもっと小汚いかと思っていたら、そんなことはぜんぜん。炭火の火力も相当強いので、具材には完璧に火が通ります。この点は心配無用。まあ多少ハエは気になりましたが。

この日は200バーツ/680円のチムチュム・ムー (豚肉セット) をオーダー。卓上に土鍋と具材が到着したら、まず野菜を手でちぎり鍋に投入。少し時間差で生卵をからめた豚肉を投入し、スープがグツグツしてきたらOK。予想より肉多めで食べごたえ十分でした。

チムチュムといえばつけダレがポイントと聞きます。ここのお店はスイートチリソースとコチュジャンを混ぜたような味のタレでした (ピリ辛)。スープはあっさりめですが味があってとても美味しく、自分はつけダレがなくても十分美味しいと思いました。

スープは肉や卵、野菜の旨味が溶け出してくるので時間が経てばさらに味に深みが増し、最後の方は煮詰まってくるのでパンチのある味わいに。チムチュム、本当に美味しかったです。Zabb/Zaap (セープ) はイサーン語で "美味しい" の意。

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イサーン・ロム・イェン

初めて食べたチムチュムが軽く感動するくらい美味しかったので、思わず次の日もチムチュムを食べに出かけてしまいました。訪れたのはBTS戦勝記念塔駅のすぐ近くにある "イサーン・ロム・イェン (Isan Rom Yen)"。

前日は豚 (ムー) を食べたので、今度は牛 (ヌア) をオーダー。テーブルに運ばれてきたお肉の見た目が事前にネットで見ていたメニュー写真とだいぶ違っていて、色も白っぽかったので、これ豚?と聞いたところ、いや牛だと。

火が通った後、どうなのかなあと思いつつ口に入れると、うん、豚ではない、きっと仔牛 (ヴィール) でしょう。過去の写真を見ると、もともと赤身 (ビーフ) を極薄スライスで出していたようで、自分も先人たちのようにシャブシャブ風にさっと湯通しして食べようと考えていたので、ここはちょっと誤算でした。

少し厚みがあるのである程度ちゃんと火を通す感じにしましたが、そうするとけっこう身が固くなってしまうんですよね。食べ頃の判断が難しかった。お肉自体の味も豚にくらべたら牛の旨味成分は少なめ。全体的にあっさり上品、ヘルシーな食事になりました。

もしここがチムチュム初体験のお店だったら、チムチュムに対する感想はまた違ったものになったかもしれません。前日に本当に美味しいと思える豚チムチュムを食べていたので、牛チムチュムもヘルシーでこれはこれで美味しいなと思えました。

野菜はあらかじめカットされているので調理は簡単。量も多め。レモングラスやカー (タイ生姜) などハーブも入っいてスープの味わいはZapp Oneより複雑 (でも塩気は少なめ)。豚だったらZabb Oneを超えるのではと期待が高まります。

タレはZabb Oneとほぼ変わりなし。あ、ハエは全然いませんでした。清潔感はこちらに軍配。値段は牛セット200バーツ/680円、豚セット180バーツ/610円。

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Mod Eks

MRTスティサン駅から北側に歩いて3分ほどのところにあるイサーン料理のお店 "Mod Eks (モッ・エクス, มดเอ็กซ์)"。ちなみにこの名前は仮面ライダーXのことらしいですが、タイではバッタではなく蟻 (Mod, モッ) なんですね。なんだろう、店主がファンなのかな。

さて、お店にはたくさんイサーン料理があって、ガイヤーンやコームーヤーンも人気らしいのですが、今回の目的はチムチュム。豚セットがなんと150バーツ/510円。これまで行った2店よりさらに安いです。

スープは3店の中で一番塩気があって美味しかったです (といってもまだまだ薄味の部類)。野菜の量も一番多く、ハエもいないし、値段も安いしで (その分お肉は若干少なめかも)、かなりおすすめです。

ただし難点は、炭火の火力が他店より少し弱いのか、それともスープがぬるかったのか、最初なかなかスープが煮立たず、何度も何度も蓋を開けて確認してしまいました。結局、鍋がテーブルに届いてから食べるまで20分かかりました (煮立った後は火力絶好調でした)。誰かと一緒だったら良かったけれど、一人では厳しかったなと。

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Isan Rod Ded

BTS戦勝記念塔駅のすぐ近くにあるイサーン (東北タイ) 料理のお店、イサーンロットデッド (Isan Rod Ded)。前に行ったイサーンロムエンの少し先なのでアクセスも良好だし、どちらかお店が混んでいたらもう片方に行っても。

メニュー (タイ語のみ、写真ほぼなし) をもらいざっと眺めましたが、こちらはもうチムチュムと決めています。好きな料理のタイ語は読めるので文字を探していたら、後ろの方でようやく発見。しかし値段が330バーツ/1120円と、おそらく2人前。

多少迷ったものの、店員を呼んでチムチュムと伝えると (本当は自分で紙に書いてオーダーする方式)、今度は店員がちょっと困り顔。別の店員に何やら声をかけています。たぶん分量が2人前であることをこの人はわかっていない、と思われたのでしょう。

すると、別の店員がレジから英語のメニューをもってきてくれました。そこには写真も載っていて、たしかにどう見てもボリュームは多いのですが、こちらは笑顔でこれでお願いしますと再び伝えました。

テーブルに運ばれてきた具材はたしかにかなりのボリューム。そして野菜の種類が今までのお店とは段違いでした。定番の空芯菜と白菜、バジルに加え、いんげん豆、バイチャプルー、レタス、そしてお肉の下と上にドサッと盛られた千切りキャベツ。

値段的には2人前で、お肉もそのくらいでしたが、とにかく野菜が種類も量も多く大満足でした。正直、野菜はけっこう残してしまいましたが。英語メニューの写真ではつけダレが3つ写っていたので、もしかしたら3人前なのかもしれません。

土鍋のサイズも1人用よりは大きかったのかな。それでも一度ではとても具材が入り切りませんでした。具材が多い分、火力はどのお店よりも強く、野菜とお肉をどんどん入れてもすぐグツグツ煮えたぎるので、テンポよく食事が可能。ただし一人だとかなり忙しいことに。

スープにもレモングラスやタイ生姜などハーブがたっぷりで味わいは複雑。複数でチムチュムを食べに行くなら断然おすすめです。写真は土曜の午前11時半、入店時のものですが (座っているのほぼ店員)、12時を過ぎたらあっという間に満席になりました。

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Lamduan

バンコクにチムチュム屋はたくさんありますが、夕方開店のお店が多いです。あまり夜は出歩かない方なので、昼から営業しているチムチュム屋を探していたところ、以前、ハーブサウナに入りに行った "ワット・カチョンシリ"(→コチラ) の近くに "ラムドゥアンレストラン (Lamduan Grilled Beef)" を発見。

少し遠いですが、一度同じルートを使っていたので、またオンヌットのビッグCの前から519番バスに乗り行ってきました (イアム・ソンバット市場下車、15バーツ)。

タイ生姜やレモングラス、コブミカンの葉っぱなどが足されたスープは野菜の甘味が溶け込んだ優しい味わい。このお店はタイ式BBQとチムチュムの二本柱でやっていることもあり、お肉は新鮮だし本当に美味しいと思いました。

チムチュムセットメニューは、牛 (Leg Sirloin)、豚、シーフード、レバー、モツ (牛の腸)、ミックス。どれも野菜・卵・春雨がついて230バーツ/800円。追加のお肉は1皿200バーツ、野菜は65バーツ、卵10バーツ。追加しても炭火の火力は十分だと思います。自分はミックスを注文。

タレは他店とは異なり、シンプルなチリソースではなく、いろいろブレンドしているものでした。辛味と塩気はマイルドで、お肉にたっぷりつけていただくと美味しかったです。何より今回、初めてエアコンが効いた部屋でチムチュムをいただきました。これは魅力的。

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Zabb One 再訪

チムチュムを食べにまた Zabb One に行きました。前回行ったのは雨降りの日で、それもあってかチムチュムそのものはとても美味しかったのですが、やたらとハエが多く、そこは気になった、などという感想を綴りました。

この日はよく晴れていて、気温35度、体感温度40度という猛暑日。そのせいか、ハエは1匹もおらず、快適に食べることができました。ここは訂正しておかなければなと思いまして。

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チムチュムを何度か食べてきて、だんだんと作り方もうまくなってきたなと悦に入っています。白菜や空芯菜のちぎり方とか、バジルとセリの葉っぱは最後の方で入れるとか。もう少し研鑽を重ねたら鍋奉行ならぬチムチュム奉行になれるかも。 

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チムチュムを作ってみた

チムチュムを自宅で再現調理したら、いくらくらいでできるのかなと思い、スーパーでそれっぽい材料を買ってきて作ってみました。1人用の "チムチュム野菜&タレセット" があればいいなと期待していましたが、残念ながらそういうものはありませんでした。

本当はバジルがほしかったのですが、売っている1束の量が多く、きっと使いきれずに残してしまいそうだったので (1束30バーツ/102円とはいえ)、代わりにセリを買いました。やはりこうした香草が入ると一気に東南アジアっぽくなってグッド。

【買ったもの】
 ・白菜 (240g/21バーツ/72円)
 ・空芯菜 (140g/31バーツ/105円)
 ・セリ (4本/20バーツ/68円)
 ・豚肉 (185g/94バーツ/320円)
 ・卵 (6個入/69バーツ/235円)

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【使った量】
 ・白菜 (3分の1/24円)
 ・空芯菜 (2分の1/52円)
 ・セリ (2本/34円)
 ・豚肉 (全部/320円)
 ・卵 (1個/40円)
 ・スープの素 (小さじ1)
 ・塩胡椒 (少々)
 ・ゴマ油 (少々)
 ・お湯 (500cc)
 ・タレ (チリソースx2)
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 ・合計:470円/約138バーツ
 (お店だと豚セット150~200バーツ)

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タレは以前KFCなどでテイクアウトした際にもらっていたチリソース2種類をブレンド。テキトーに作りましたが、悪くなかったです。ということで、自分で作っても美味しいチムチュムでした。こうなるとチムチュム鍋 (土鍋) がほしくなるな。

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チムチュム鍋(土鍋)

ローカルのマーケットに行けばそれほど難なく見つけられます。まだ買おうかどうか迷っていますが、買うにしても本帰国前かなと。下の写真はイアムソンバット市場のもの。コンロ=65バーツ、鍋は大中小で各155/125/65バーツ。1人用を上下セットで買うと130バーツ/450円。

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