「ラープ」はラオスの代表的な料理で、ラオス料理の影響を強く受けたタイ東北部イサーン地方でも名物料理になっています。肉や魚を細かく刻み加熱、ナンプラーや唐辛子、玉ねぎ、ライム、コブミカンの葉やミントなどのハーブで和えたもので、砕いた煎り米で香ばしさを出すのもラープの特徴です。
肉は豚 (ムー)、鶏 (ガイ)、牛 (ヌア)、アヒル (ペッ) などが使われます。この中でもラープペッ (アヒルのラープ) は "ラープの王様" と言われることも。今やバンコクにもイサーン料理を出すお店・屋台はたくさんありますが、ラープペッもあちらこちらで食べることができます。そんな中から3店舗をご紹介。
イサーン・ロム・イェン
細かめのアヒルひき肉とハツなどの内臓、そこにハーブがたっぷり混ざった、これぞタイ料理と思える複雑な味と香りに感動する一品。ただしお肉自体の旨味や食感は、下記2店にはやや劣るような印象も。値段80バーツ。最寄りBTSビクトリーモニュメント駅。⇒お店過去記事 (チムチュム)
セープ・ワン・ラチャダー
粗みじん切りのアヒル肉がもちもちしていて噛み心地がよく、適度な脂感とともに旨味が口中に広がる、なかなかに最高な一品。これは "ラープの王様" の称号にも納得です。セープ (Zabb/Zaap) はイサーン語で "美味しい" (タイ語=アロイ)。値段70バーツ。最寄りMRTタイ文化センター駅。⇒お店過去記事 (チムチュム他)
ラープペッ・ヤソートーン
アヒル肉とハツを荒く刻んだもの。ラープにしては肉片が大きめなので歯ごたえがよく、お肉の旨味がしっかり味わえる、素晴らしい一品。これは本当に美味しかったです。ヤソートーンはイサーンの県のひとつ。値段80バーツ。最寄りBTSチョンノンシー駅。
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なお、鴨は野生に生息しているカモのこと、アヒルはマガモを品種改良して家禽化したカモのことだそうです。日本で食べる鴨南蛮も、野生のカモ以外であれば、本当はアヒル南蛮なんですね。