ヨルダン
「DUNE/デューン 砂の惑星」をもう一度観てきました。ストーリーも面白いのですが、自分にとっては、なんといっても砂漠の景色がいい。中東暮らしを思い出して懐かしさがこみ上げてきます。
砂漠のシーンの撮影地はヨルダンとアブダビだそう。きっと岩山がゴツゴツしているのがヨルダンで、ひたすら砂丘が広がっているのがアブダビなのかなと思います。ヨルダンはイスラエルとの国境地帯の砂漠だそうですが、今回特別に撮影許可が降りたのだとか。
下の写真はヨルダン南部のワディ・ラムです。映画に出てきた砂漠と雰囲気が似ているなと思いました。ワディ・ラムのツアーではピックアップトラックの荷台に乗って砂漠 (土漠) を疾走。楽しかったなあ。運転手のおじさんと一緒に薪拾いをして淹れた紅茶が美味しかった。
※過去記事:ヨルダンの自然 (ワディ・ラムを含む)
サウジアラビア
首都リヤドから車で1時間ちょっと南に走ると、「赤い砂漠」の片鱗を見ることができます。他に見どころや娯楽もない町ですから、日本からの出張者はほとんど連れていきましたし、個人的にもよく遊びに行きました。
太陽の高さによって砂漠の色は刻一刻と変わりますが、やはり夕暮れ時に行くと砂が赤みを増して、もっともきれいです。朝早くに行くと、砂の上に小動物の足跡がたくさんあって、意外と砂漠には生命があふれているんだなと思ったものです。
※過去記事:サウジアラビアの生活まとめ1 (赤い砂漠を含む)
エジプト
エジプトも国土の大半が砂漠や荒涼とした大地ですが、自分が住んでいた当時は気軽に砂漠を楽しめるツアーなどがなく、砂漠好きとしてはやや不満が残りました。一度だけ、西部のバハレーヤを訪れるツアーに参加して砂漠を見た時は、しみじみいいなあと思ったのでした。
もちろん、しょせん人が立ち入れる範囲の場所で、砂丘が延々続くといったスケールではありませんでしたが、それでも十分楽しかったです。バハレーヤではまだ調査中 (一般公開前) のミイラを見せてもらったり、鉄分が多く真っ赤なお湯の色をした温泉に入ったり、盛りだくさんでした。
※過去記事:エジプトの観光・娯楽 (バハレーヤを含む)
カタール
昔すぎて写真はほとんど残っていないのですが、1枚だけ、首都ドーハの南にあるウンムサイードをさらに少し下ったところにある、海沿いの砂漠というか砂丘の写真を。
ここには何度も行きましたが、たまに現地の家族連れが海で遊んでいました。女性は黒い外套 (アバーヤ) をかぶって顔も体も隠したまま海に浸かっていて、その時はイスラムって大変だなと思いましたが、よく考えたら日差しがかなり強いので、日よけにもなるしそれはそれで理にかなっていたのかなと。
※過去記事:カタール思い出語り
映画:Tracks(奇跡の2000マイル)
デューンもそうですが、古くは「アラビアのロレンス」など砂漠が登場する映画はたくさんある中で、とくに自分が好きなのが、ミア・ワシコウスカ主演、2013年のオーストラリア映画「Tracks (奇跡の2000マイル)」。1977年、愛犬と4頭のラクダを連れて、2700km (1700マイル) におよぶオーストラリアの砂漠地帯を踏破した女性、ロビン・デヴィッドソンの回顧録を映画化した作品です。
フィジーに住んでいた時に映画館で観ましたが、砂漠好きでラクダ好き、さらにミアファンの自分にはどストライクの作品でした。長く続いた中東・アフリカの暮らしから、トンガ、フィジーと南太平洋に生活の場を移し、目に映る自然の景観もガラリと様変わりした時期でした。
本作は日本のプロモーションではやけに感動を煽っていますが (邦題とかポスターの惹句とか)、荒涼とした大地をミアが息も絶え絶えに進む姿は、とにかく苦しそうのひと言。人間どころかラクダにとっても危険な旅です。「生きる希望」どころか「生きてて良かった」というレベルの内容だし。
ミア演じる主人公は、けっこう変わり者だったろうなと思いますし、自分探しとはいえ、旅の終わりに圧倒的な感動が待っていると確信した上での決行ではなかったようにも思います。そう考えつつ、さて自分はというと、それでもやっぱり大感動してしまったのでした。
全編、目に染み入る風景の連続で、最初から最後まで眼福の映画でしたが、とくにラスト10分、それまでの荒れ地から、ついに砂漠に到達したシーンでは息を呑みました。海が目の前にある砂漠というのもカタールを思い出し、ついうるうる。やはり砂漠は美しいな。
おまけ:シンガトカ砂丘公園@フィジー
「Tracks」を観て後日、フィジーの首都スバから車を飛ばして「シンガトカ砂丘公園」に行きました。海と砂丘というシチュエーションはなかなかグッドでしたが、やっぱりスケールが小さいなあと。砂の色も黒かったし。
※過去記事:フィジーのリゾート (シンガトカ砂丘公園を含む)