これまで各国で食べてきた鶏と豚の料理については、それぞれ「鶏料理いろいろ」「豚料理いろいろ」にまとめました。
なんとなく放っていましたが、せっかくなので、牛料理もまとめたいなと。9月29日は「ぎゅう (9) に (2) く (9)」の日だし (※いまテキトーに決めました)。
あらためて、今までどんな肉類を食べてきたかの割合グラフを。感覚的なものですが、だいたいこんな感じ。イスラム圏が長かったので、豚少なめの人生です。

中東
サウジアラビアを例にあげると、肉類は羊がもっとも好まれており、品質が高い分、値段は高め。次いで鶏。鶏はどんな宗教の人でもほとんど食べることができますし、値段が安く美味しいので、ずいぶん重宝されていました。たぶん今もそれは変わらず。
牛の人気は第3位、かつ当時はあまり国内生産しておらず、オージービーフ (輸入品) が多かったこともあり、羊とくらべたらさほど美味しくないのに、値段はそこそこ高かったです。自分はスーパーで、牛肉を買うくらいならラクダ肉を買っていました。
シャワルマもそうですが、アラブ料理はもともと牛肉を使ったものが少なく、なのでサウジアラビアで牛肉といえば、もっぱら洋食 (ハンバーガー、ステーキなど) が多かったです (と言うほど食べませんでしたが)。
■ビーフリブ@トニーローマ
トニーローマと言えばベイビーバックリブが人気ですが、いかんせんポークなので、サウジアラビアではご法度。自分がいただいたのはビーフリブでした。甘いケチャップを使ったアメリカンなBBQソースがいい感じでした。

■ビーフステーキ@トニーローマ
サーロインステーキ (280g) をいただきました。注文時「レアで」と店員に伝えると、店員が「え、ウエルダンじゃないの?」と驚いて (アラブ人はウエルダンが基本)、その後は若干の押し問答に。経験上、レアと言ったらミディアム、ミディアムと言ったらウエルダンに焼かれてしまいます。この時はしつこく言って良かった、焼き加減はミディアムレアくらいでちょうどよかったです。

■ベイビーバックリブ@TGIフライデーズ
トニーローマと同じく、アメリカンカジュアルダイニングの世界的チェーン店、TGIフライデーズもリヤドにありました。こちらももちろんポークではなく、ビール (仔牛) でした。うたい文句の「骨から落ちてしまうほど軟らか」に偽りなし。BBQソースは日本の焼き肉屋の甘ダレ風で、トニーローマの甘酸っぱ系より好みでした。

■ハンバーガー@ハルフィー
サウジローカルのファストフードチェーン店。ハンバーガーはバーガーキングのワッパーに似ていて美味しかったです。トマトとマヨネーズがたっぷりで、玉ネギ、レタス、ピクルスも大きめ。パンもこだわりの自社生産で甘味があって美味しいし、とにかく全体のバランスが良い。サウジアラビアにはマクドナルドもありましたが、ビッグマックより断然こちらの方が美味しいと思いました。

エチオピア
エチオピアでは週に2回、ツォム (肉類・牛乳・バターなどを断つ日) があり、また普段の食事もどちらかと言えば肉類控えめでした。しかし食べるとなれば、牛・羊・鶏まんべんなくといった感じ。自分は牛肉・牛ホルモンをたくさんいただきました。なんといっても一番のご馳走は牛の生肉。ただ、しっかりしたお店で食べないと、高確率でお腹を壊しますから要注意。
■テレスガ (生肉)
エチオピア人が大好きなご馳走。祝い事、歓送迎会、ちょっと奮発したい時、主役は生肉でした。自分は正直ずっと避けていましたが、離任の際、送別会で出された時は、さすがにひと切れいただきました。結果、想像以上のひどい目に。。。 (⇒コチラ:蜂窩織炎)。

■クトゥフォ
牛ひき肉をケベ (バター) とスパイスで和えた、エチオピア版ユッケ。個人的にはユッケよりずっと美味しいと思います。より奥深い味わいで。やや火を通したクトゥフォ・レブレブが一番好きでした (しっかり火を通したクトゥフォはあまり・・・)。

■トゥブス
個人的には羊の方 (ヤバグ・トゥブス) が好きでしたが、エチオピア人とレストランに行くとみんな牛を好んで食べていました。揚げ焼きでちょっと油っこいですが、エチオピア人はこれにミツミッタ (唐辛子ミックス) をつけて豪快に頬張っていました。

■カイワット
唐辛子の粉末に香辛料やハーブを混合したバルバレと呼ばれる調味料を加えて煮込んだ、赤くて辛口のカイワット (ቀይ ወጥ) と、バルバレを使わないため辛くない、黄色い色をしたアリチャワット (አሊጫ ወጥ) の二種類が、普段良く食べられていました。とても美味しいですよ。

■トリッパワット
牛の胃袋 (トリッパ) を使ったワット。見た目のとおり辛さも相当ですが、これがまたインジェラと良く合って、その美味しさは世界レベル (と信じたい)。自分はエチオピア料理で一番というくらい好きでした。

トンガ&フィジー
トンガとフィジーでは、牛肉はたまにステーキで食べていました。洋風レスラトンにも行きましたが、お肉を買ってきて家で焼いて食べることも多かったです。
■ステーキ@トンガ
洋食レストランの数は限られていましたが、出される料理はどれも美味しかったです。ステーキの味は今も思い出すほど。上からフィレステーキ、サーフ&ターフ、ペッパーステーキ。



■ステーキ@フィジー
さすがフィジー、洒落たお店、洒落た料理 (見た目はいいけど量が少ない料理) が多かったです。上からフィレステーキ、サーフ&ターフ、ビーフウェリントン。



■コンビーフ
大洋州でビーフといったら、コンビーフの存在感がかなり強め。スーパーにもたくさん並んでいます。何社もありましたが、食べくらべしたところ、やはりニュージーランド製品のパーム (PALM) が一番美味しかったです。おすすめ。

インドネシア
国民の大多数がイスラム教徒なので、一部地域を除いて豚 (肉・ラード・エキス) は食べられず、その分、牛料理が多かったと思います。
■ソプ・ブントゥッ
牛オックステールスープ。自分はジャカルタでのみいただきましたが、ボゴールカフェのものがビーフの旨味が深く、圧倒的に美味しかったです。かのプリンセス・ダイアナも食べたという、ホテルボロブドゥールの名物料理。

■ラウォン
東ジャワの名物料理、ラウォンは黒いスープが特徴のビーフスープ。クルワッというスパイスで色と独特の香りを出します。インドネシア第二の都市スラバヤの代表料理、白ご飯と一緒に、塩卵も定番。

■ルジャッ
ルジャッはガドガドにフルーツが入ったようなサラダ的一品。いろいろなバリエーションがある中で、自分は東ジャワのルジャッソト (牛モツ煮込み入り) と、ルジャッチングル (牛の鼻入り) をバニュワンギでいただきました。牛の鼻はグニュグニュした食感で珍味中の珍味。


■ビーフルンダン
CNNトラベルで「世界一美味しい料理」に選出されたこともあるこの料理、カレーと言うよりは牛肉煮込みですが、汁っぽくはなくトロッとしたルウ状のソースをまとっているので、カレーと言っても差し支えなさそう。色は赤茶色でルウ (ソース) は少なめ、甘みもありますがやはり辛味が強く、味わいは鮮烈。他の料理にくらべると値段は高めで、高級おもてなし料理です。

■チョト・マカッサル
スラウェシ島マカッサルの名物料理。「チョト・マカッサル=モツ煮込み」と思い込んでいましたが、実際にはお肉 (ダギン) もあります。マカッサルで初めていただいた時はダギンを、後日ジャカルタでモツもいだきました。スープにはビーフの旨味がたっぷり。香辛料がきつくなく、日本人の味覚にも合います。ライムを絞るとさらにさっぱりいただけました。


■ソプ・コンロ
こちらもマカッサル地方の名物料理、牛スペアリブのスープです。スープは濃い目の茶色、ビーフの旨味がたっぷりで塩味控えめなのがグッド。お肉はよく煮込まれてホロホロ、独特のスパイスのおかけで味に深みがありました。

■コンロ・バカル
こちらは牛スペアリブのグリル。バカルというわりにあまり焼いた感じはしません (ちょっとは炙っているかも)。お肉はとても柔らかで、たっぷりかけられたピーナッツソースがインドネシアっぽいなあと。大変お美味しくいただきました。

■ホリーカウ
インドネシアローカルのステーキハウス。コスパ抜群、味も良かったです。大きいショッピングモールなどにあって、パワーチャージしたい時はよく食べに行っていました。

■ソプ・スムスム
インドネシアの牛骨髄スープ、ソプ・スムスム (Sop Sumsum)。スムスムはインドネシア語で骨髄、ソプはスープ。器に盛られた見た目はほぼ骨、申し訳程度にスープも入っていますといった料理です。牛の骨は太く骨髄もたっぷり。それを吸い出すための金属のストローも必ずついてきます。味わいは濃厚で、インドネシア料理の奥深さをあらためて感じた一品でした。

■バッソ (バクソ、バソ)
インドネシアの肉団子。普通はスープで、麺もよく入っています。牛肉で作ることが多いですが、鶏肉・魚・海老などもあります。きめの細かいすり身をしっかり固めているので、食感はみっちり。大きさは様々で、ソフトボール大のものも。良く食べましたが、食の安全面では常に論争がありました。


■おまけ:イードの風景
犠牲祭の朝、ジャカルタのタナアバン市場周辺、路上で何頭も牛が屠殺されていました。これがご馳走に変わるんですね。辺りは血だらけでしたが、みんな嬉しそうに包丁を振り下ろしていました。屠殺の様子を子どもに見せるのは、これもひとつの教育なんだなと。命に感謝して食べることを覚えるように。

タイ
タイでは豚を良く食べました。次いで魚介類 (フィッシュボール含む)、そして鶏。牛はあまり食べる機会がなかったですが、それでもそこはタイ料理の多彩さゆえ、写真を見直したら意外とあれこれ食べていました。
■スアローンハイ
タレにつけた牛肉を炙り焼きした、タイ東北部イサーン地方の名物料理です。"虎 (スア) が泣く (ローンハイ) ほど辛い" というのが名前の由来だそう。どちらかというと決めては辛いタレかも。

■ヌアヤーン
牛 (ヌア) を焼いた (ヤーン) 料理、焼き肉です。鶏を焼いたガイヤーン、豚トロを焼いたコームーヤーンとともに、人気の東北料理。お店によって肉質 (部位) いろいろ。

■ガオラオヌア
牛肉・牛モツの煮込み、ガオラオヌアも大好きなタイ料理のひとつでした。離任前、最後にどのお店で食べようかなと少し迷って、チョークチャイ4通りの繁盛店「サワンアルン」へ。スクンビットからは少し遠かったですが、わざわざ行く価値ありでした。

これに麺を入れたビーフヌードル専門店も、バンコクにはたくさんありました。写真では見えませんが、自分は幅広ライスヌードルのセンヤイが好きでよく頼んでいました (麺は5~6種類から指定できます)。

■モーファイ
モーファイ鍋は牛と豚が選べるお店もありますが、モーファイといったらやはり牛なのかなと。具材と味はガオラオヌアとほとんど変わりませんが、真ん中から火が吹き出る独特の鍋は写真映えしますね。スープの味はすき焼きにほんのり漢方を加えた感じ、タイ中華の味です。スッキリしていますがコクもあってすこぶる美味。しめはご飯を投入し雑炊にすれば、最後の一滴まで完食間違いなし。

■台湾牛肉麺
中国風の牛肉麺も大好きでした。タイ中華のお店というよりは、中国寄りの中華料理店にあった印象。バンコクで食べる機会は多かったです。

■ガパオライス (牛)
タイでガパオライスの美味しさにハマり、一時期だいぶお店に通いました。牛・豚・鶏・鴨などいろいろあって、豚が無難に美味しかったけれど、牛はコクがあって一番好きだったかも。

■牛タンシチュー
タイにも洋食屋さんがあります。そうしたお店のひとつ、Agave (アーガーウェ=リュウゼツラン) で、代表的なメニューである牛タンシチューをいただきました。トマトが効いた酸味のあるシチューで、柔らかく煮込まれた牛タンは口の中でとろける食感、とっても美味しかったです。

■ローストビーフ
何かと良い目のレストランで食事する機会も多かったタイ。それまでローストビーフを食べたことがなかったわけではありませんが (知人の結婚式とかホテルのビュッフェとか)、バンコクでいただいたローストビーフは殊の外美味しかったです。

ウズベキスタン
一番人気は羊、次いで鶏かな。牛も普通に食べられていましたが、個人的には自然と羊を頼むことが多かったです。やはり本場の羊肉は美味しいですからね。
■ビーフシャシリク
串焼き、いわゆるシシカバブ。羊にくらべると脂少なめであっさりしています。ジューシーさでは羊に軍配。日本人は牛の方が食べやすいと言う人も多かったです。

■トゥションカ
牛肉を煮込んだスープ。中東では牛より羊の方が美味しかったですが、ウズベキスタンだと羊は少し野趣が強すぎて、たまに牛を食べるとホッとします。牛って羊よりも安いんでしょうね、値段 (450円) の割にボリュームがあって、写真の一皿は食べきるのがやや大変でした。

■ハシュ
ハシュは細切り牛肉 (ハッシュドビーフ) のスープ。思っていた以上にお肉が主役でした。ほぼ肉、そして脂。牛肉は、羊肉にくらべたらまだあっさりしているとはいえ、これはかなり重い1杯でした。

■ベフストロガノフ
ウズベキスタンのビーフストロガノフは、フライドポテトに細切りビーフの煮込みがたっぷりかかった軽食です。どこで食べてもこのスタイル。美味しいです。

■ビフシュテークス
名前からビーフステーキを期待してしまいますが、実際にはビーフ (またはラム) のカツレツ (ハンバーグ) が載ったご飯です。ご飯 (白米)・マッシュポテト・蕎麦の実の3点セットが定番。こちらも軽食扱いで、値段もプロフやラグマンより一段安かったです。懐に優しく味も良く、大好きな一品。

■牛の骨髄
ウズベキスタン人と一緒にプロフを食べに行ったところ、彼が追加トッピングとして頼んでくれました。メニューには載っていませんでしたが、こういう注文もできるんだなと。ネットリした食感がプロフにさらに濃厚さを加え、大変美味しくいただきました (写真はジギルオシュ=亜麻仁油のプロフ)。

■チュプチマ
サマルカンド風の焼き肉 (ビーフ)、名前はチュプチマ。100グラム350円で、写真は300グラム。基本は塩味ですが、きっとすりおろし野菜のタレに漬けるとか、仕込みに時間をかけているであろう奥深い味わいでした。コリアンダーシードなど西域風のハーブも効いていました。

■ドネルケバブ、イスケンデルケバブ
歴史的にトルコと関係が深いウズベキスタンにはトルコレストランもたくさん。牛のドネルケバブはハンバーガーより手軽な、でももう少し本格的なファストフードという印象で、自分もよく食べました。ファミレス的な Fish&Breadというチェーン店ではサバサンドに加えビーフ (イスケンデルケバブなど) もよくいただきました。


■タルタルステーキ
タルタルステーキは、東ヨーロッパの人々がモンゴル帝国の遊牧民を指して言った「タタール」がその名前の由来とされています。中央アジアにゆかりのある料理なので、ウズベキスタンでいただいたタルタルステーキは特別美味しかったです。生肉のミンチはまったく臭みがなく新鮮そのもの。甘しょっぱいようなタレが絶妙にマッチしていました。

■牛肉餃子
タシケントには中国料理店もありましたが、ほとんどはイスラム教徒向けの清真料理だったので、餃子もメインは牛、または羊。豚にくらべたらちょっとクセあり、でも慣れると牛も美味しかったです。

■ホットドッグ
どちらかと言うとハンバーガーよりホットドッグの方が好きなのですが、日本のような美味しいポークソーセージは、イスラム圏にはありません。基本はビーフソーセージ。まあビーフもコクがあって美味しくないわけではありませんが、いつもポークが恋しくなりました。

以上、だいたいこんなところかと思います。忘れているものがあったら後でまた追加しよう。
なお、日本では牛丼・すき焼き・しゃぶしゃぶ・焼き肉・牛100%ハンバーグなどなど食べていますが、写真は割愛。