A Dog's World 

~海外で暮らす・日々の記録・旅の記憶~   

豚料理いろいろ

先日、これまで各国で食べてきた鶏料理 (外食) を紹介しました (⇒コチラ)。じゃあ次は豚かなと思ったものの、イスラム圏で長年暮らしてきたので、豚肉を食べる機会は限られていたなあと。

中東はエジプトの首都カイロに日本食レストランがあって、3年間で1回くらい豚肉を食べたかもしれませんが、記憶は曖昧。他の国は本当に機会ゼロでした。

エチオピアは、エチオピア正教徒とイスラム教徒が人口の大半を占めていて、どちらも豚肉を禁止しています (東方正教会としては豚肉はOKだそうですが)。

なので豚肉はごく一部にしか流通しておらず、自分の行動範囲では豚料理を出すレストランも見当たりませんでした。その頃ポツポツでき始めていた中国レストランも同様。

ウズベキスタンでは3回くらい豚肉を食べていて、ブログに投稿もしていますが、全体の食肉量で考えると微々たるものです。

ということで、下のグラフでは、中東・エチオピア・ウズベキスタンは豚肉ゼロとしました (ゼロではないものの、いずれも1割にもまったく満たないため)。

 

では、各国の豚料理の写真を。あまり数は多くないかなと思いつつ書き始めましたが、タイでたくさん食べていたので、結局写真は多めになりました。

トンガ

プアカ
プアカは子豚の丸焼きです (プアカ=トンカ語で豚)。トンガ人は庭先で豚を飼っている家庭も多く、お祝い事や大切な客人をもてなす際に、最上級のご馳走として準備されます。もちろん、焼くのは家のご主人。炭火でじっくり焼くため皮はパリパリ、お肉は肉汁があふれるほどジューシーに仕上がります。これは本当に美味しかった。

豚の丸焼きは客人をもてなす大切な家庭料理であり (↑上の写真)、観光地のホテルでも出されるトンガを代表する料理です (↓下の写真)。

同じ丸焼きとして、下の写真がフィリピン・セブ島のレチョン、インドネシア・バリ島のバビグリン、タイ・バンコクのムーハン (丸焼き) とムートート・タングトゥア (丸揚げ)。やっぱりトンガが一番美味しいし、個人的にはトンガのプアカは世界最高の豚料理だと信じています!

なお、トンガの豚の丸焼きが群を抜いて美味しいのは、やはり子豚だからでしょう。王様のお葬式では国民からたくさんの豚の貢物がありましたが (軽く焼いてある)、それはどれも成長した豚だったので (たぶんそういうしきたり)、これは美味しいのかなあとぼんやり考えながら写真に収めたことを思い出しました (⇒トンガ国葬過去記事)。

中国料理
トンガタプ島には当時いくつか中国人が経営するレストランがあって、なぜか日曜日も朝から営業していました。特別許可があったのでしょう。豚耳・豚モツ・東坡肉が好きで、中東時代に食べられなかった分を取り戻すかのように、本当によく通いました。

フィジー

中国料理
フィジーの首都スバには中国系レストランがいくつもあって、豚チャーシュー (レッドポーク) などあちこちで食べることができました。チャーシュー麺とチャーシュー山盛り定食はよく食べたなあ。豚ひき肉のジャージャー麺とか、日本でもなかなか食べられないような美味しいものもありましたよ。朝から飲茶がいただけるお店にもよく通いました。

フィジー料理はトンガとも似ていて、豚肉も一般的な食材と聞いていましたが、実際には豚料理を出すフィジーレストランを最後まで見つけられませんでした。職場も半分近くはインド系スタッフだったので、月イチくらいで行う食事会でも豚肉が出たことはありません (インド系が食べられないので)。

インドネシア

バタック料理

北スマトラ州 (州都メダン) に広く住み、頭の回転が早く口達者で歌が大好きなことで知られるバタック族。キリスト教徒が多くバタック料理では豚肉がよく食べられます。

先日、スマトラ島・ニアス島の郷土料理にあげたとおり (⇒コチラ)、イスラム教徒が大部分を占めるインドネシアにおいて、ローカルの豚料理を食べられたことは新鮮な驚きでした。

写真はニアス島のバタックレストラン (シェフがバタック人) でいただいたサクサン (豚肉と血のシチュー)、バビ・パンガン (ローストポーク)、豚足スープ。

こちらはメダンでいただいた豚料理。案内人におそるおそる「メダンは豚が食べられるそうだけど・・」と尋ねたところ、彼がバタック人だったので、即お店に連れてきてくれました。

バタック料理のレストランをラポ (Lapo) と言いますが、実はジャカルタの自宅アパートの近くにもあることがわかり、メダンから帰った後に一度訪れました。

現地でいただいたものを再び。美味しかったですよ。さすがにジャカルタではメニューにバビ (Babi, 豚) とは書きづらいのか、B2 (ベー・ドゥア) という表記でした。Bがふたつですからね。

ちなみにこのラポ、メニューにB1 (ベー・サトゥ) もありました。これ、バタック語でビアン (Biang, 犬) のことです。犬肉かあ。。。

中国料理
ジャカルタの北側にマンガブサルという中国系住民が多く住むエリアがあり、中国料理店もたくさんありました。豚肉もそれなりに食べていましたが、写真もろくに撮っていなかったので割愛。

タイ

カオカームー
甘辛くトロトロになるまで煮込んだカームー (豚足) を載せたご飯。ご飯ものでは一番好きなタイ料理。

豚足ラーメン
豚足を載せたラーメンは意外と希少。でも甘辛い豚足は醤油スープと麺よりは、白ご飯で食べる方が合うと思いました。

カオムーデーン
ムーデーン (レッドポーク=叉焼) を載せたご飯。味はお店によって大きく違う。

ガパオライス
牛・豚・鶏・鴨などいろいろあります。写真はムームガパオの期間限定メニューの豚ベーコン。これも実に美味しかった。

チャーシュー麺
バンコクには星の数ほどお店・屋台がありました。ヤワラーのバミージャップガンが好きでした (下2枚目の写真)。

豚モツ麺
タイラーメンのひとつのバリエーションに豚モツがありました。写真の麺はクイチャップ (クルッとカールした麺)。

トムヤムラーメン+豚肉団子
トムヤムラーメンもトッピングはいろいろありましたが、平たい豚肉団子もよくある具材でした。塩気は控えめであっさりしたテイストが、濃い目のスープによく合う。

コームーヤーン
豚の首肉、いわゆる豚トロなので、しっかり焼いても脂のジューシーさが際立ち柔らか食感です。とにかく美味しい部位。どこで食べてもハズレなしでした。

ムークローブ
豚バラ肉の揚げ物。表面カリカリ、中はジューシー。塩気少なめで豚の脂の旨味をダイレクトに感じられます。

ムーガタ
東北タイで昔から食べられているタイ式焼肉。独特のフライパンが特徴的。ムーガタのムーは豚のムーなのかなと思いましたが、実際は牛や魚介などなんでもありです。

ナムトックムー
豚焼肉をスパイスやハーブで和えたもの。砕いた炒り米を混ぜるのが特徴的。これも東北タイ料理です。豚 (ムー) 以外にも鶏 (ガイ) や牛 (ヌア) もありますが、自分は豚のものしか食べたことがありません。

ガオラオムー
豚肉のスープ。モツなんかも入っています。実はトムルアッドムーとの違いがよくわかっていません。

トムルアッドムー
豚の血 (ルアッド) を固めたゼリーが入った豚肉スープ。タイの朝食の定番だそうですが、自分はほとんどお店 (屋台) を見かけなかったなあ。

カームーチェーイェン
冷製豚足というバンコクでも珍しい一品。この1軒以外にやっているお店はあるんだろうか。

ムーピン
甘辛く味付けされた豚肉を串に刺し炭火で焼いた、屋台料理を代表するタイの大衆料理。写真のうち手前の平たいやつ。

ムーサテ
同じ豚の串焼きであるムーピンとは違う料理だそう。こちらはその名のとおりインドネシア由来。甘いピーナッツソースでいただきました。

バクテー
バンコク中華街 (ヤワラー) を中心にいくつもお店がありました。タイ料理なのか中華料理なのか、薬膳ぽい味付けも良かった。パートンコー (油条) と一緒にいただきました。

ゲーンハンレー
北タイのポークカレー。日本人の味覚にもよく合い、食べやすくとても美味しかったです。日本で次に流行るタイカレーはこれだなと確信。

トムセープ
豚肉・豚モツなどをタイハーブで煮込むタイ東北 (イサーン) 地方の名物スープ。柔らかく煮込まれた豚肉がたっぷり。酸味と辛味も強烈で、目の覚める美味しさでした。

チムチュム
こちらもイサーンの名物料理。炭火でグツグツ煮えたぎる土鍋で、肉や魚介と野菜 (白菜、空芯菜、セリ、バジル等)、春雨等を煮込んでいただく鍋料理です。自身、イチオシのタイ料理。豚肉が安くて美味しい (写真は豚肉)。

鍋が特徴的なモーファイも牛と豚が選べましたが、牛の方がポピュラーな気がします (値段は豚より高いけれど)。自分も牛しか食べたことがありません (写真は牛肉)。参考まで。

タイスキ
タイスキという名称は日本のすき焼きから借用したもので、1955年にバンコクのレストランが中華風の火鍋を「スキヤキ」という名前で提供したことに由来しているとされます。 これは日本のすき焼きとはまったく異なる料理でしたが、タイ国内では「スキ」という略称で定着し、国外ではタイスキと呼ばれるようになりました (Wikipediaより)。豚肉もポピュラーな具材。

サイクロークイーサーン
東北タイのソーセージその1。屋台で買うと必ず生キャベツがついてきます。酸っぱいのと酸っぱくないのがありますが、どちらも美味しいです。脂がジューシーで焼きたては殊の外美味。

ムーヨー
東北タイのソーセージその2。バナナの葉っぱに包まれ売られています。いろいろバリエーションあり。魚肉ソーセージの豚肉版とでもいいましょうか、タイの田舎風ソーセージとは思えぬほど洗練された味で、ほぼ日本や世界のハム・ソーセージ感覚でいただきました。

サイウア
東北タイのソーセージその3。サイウアはこぶみかんやレモングラスなどタイハーブも入っていて、香りが良く複雑な味わいのソーセージです。

ケープムー
豚皮を揚げたもの。カリカリ・サクサク、香ばしくて美味しいです。ナムプリック (タイのディップソース) とよく一緒に出てきます (写真の奥がケープムー)。

ウズベキスタン

ポークシャシリク
カラカルパクスタンはタシケントなどにくらべ、カザフスタンやロシア文化の影響が強いのか、現地スタッフにもお酒 (ウォッカ) を飲む人がけっこういるし、バザールに行くと豚肉もわりと大っぴらに売られています (看板はロシア語:スヴィニーナ=豚肉)。そのせいか、首都ヌクスにはなんと豚肉のシャシリクを出すお店も。ラムやビーフとはまた違った美味しさがありました。豚肉っておいしいなとあらためて確認。

なお、タシケントにも中国料理のお店はたくさんありますが、どこも基本はイスラム教徒向けの清真料理で、お酒と豚肉はありませんでした。

* * *

以上です。鶏料理と同じく、日本ではとくに珍しいものは食べていないと思うので、日本の豚料理は割愛。せいぜいトンカツとか豚丼、角煮、生姜焼きですからね。たぶん鶏よりさらに種類は食べていないような。自炊では鶏と同じく頻繁に使いますけれど。あ、この前サムギョプサルを食べたな。まあいいか。