これまで自分は何を食べてきたのかという、ふり返りを去年しました (⇒コチラ)。主食と肉類に分けて、ざっくりとそれらの割合を出したところ、肉類はやはり鶏を一番食べているという結論に。グラフは次のとおり。あくまで自分の感覚ですが。
では実際にどんな鶏料理を食べてきたのかなと、そう考えるとけっして無限に思い浮かぶわけでもないので、思い切って全部あげてみようかなと、いつものごとくハードディスクの写真フォルダをあさってみました。では、国・地域ごとに。
中東
■カブサ/ブハーリーライス
アラビア湾岸諸国の炊き込みご飯カブサは、一番のご馳走としてはラム肉で作られますが、普段の食事ではチキンもよく使われます。と言いながら、自分はラムかキャメルのカブサしか食べたことがないので、ここでは似たような炊き込みご飯であるブハーリーライス (ルズ・ブハーリー:ブハラ風ご飯)+ローストチキンの写真を。
■マクルーバ
マクルーバは普通、ボールにトッピング (焼きナス・お肉・ナッツなど) を敷いてから炊き込みご飯を詰め、それをバサッとひっくり返して供される料理です。写真はパレスチナ系ヨルダン人のお宅でいただいたもの。見た目からマンサフかなと思いましたが、ご主人はマクルーバと言っていました。マンサフはラムの場合が多いですが、マクルーバはもう少し庶民的な料理だし、チキンが多いのかも。それにしてもどっさりローストチキンを盛ってくれました。ありがたや。
■ポロ
イラン風ピラフのポロも載せるお肉はいろいろのようですが、自分は煮込みチキンが載ったものをリヤドのイランレストランでいただきました。お肉はご飯で隠すのが正しい盛り付け方だそうです。
■チキンシャワルマ
上の3品は主役が炊き込みご飯なので、いまひとつ鶏料理とは言い切れないような気も。そういう意味ではチキンシャワルマもあくまでサンドイッチの具のひとつなので、こちらもちょっと弱いか。写真はヨルダンの首都アンマンの一番人気のお店。
シャワルマはプレート (お皿) で出すパターンもありました。牛丼屋の牛皿と同じですね。写真はウズベキスタンのトルコ料理屋でいただいた一皿。バターライスの上にチキンが載っていました。
バンコクのカフェでいただいたチキンシャワルマ。中東より野菜多めで肉感のインパクトは少ないものの、よりヘルシーでいい感じのアレンジだと思いました。もはやシャワルマもワールドワイドですね。
■ローストチキン
あれ?思っていたより中東料理が少ないな、中東ではチキンを一番食べていたと思っていたのに。。。そう疑問が浮かびあらためて思い出してみたところ、ローストチキンを忘れていました。中東の国ならたいていどの町でも見かける、店頭でクルクル回しながら焼いている例のあれ。これはよく買ったなあ。
エチオピア
■ドロワット
エチオピア料理の王様、ドロワット。チキンとゆで卵を使うのが正しいレシピです。旨さも辛さもエチオピア料理で一番。いつもインジェラの真ん中に鎮座。
次の写真はたしか鳥インフルエンザが流行っていた頃にいただいたもので、ドロワットのドロ (チキン) 抜きだったような記憶が。なので卵だけ。
ドロ (チキン) の代わりに他のお肉を使ったものはドロファンタと言います。「ファンタ=~の代わりに」ということらしい。写真はヤギ肉のドロファンタ。ドロワットはあくまでチキンです。
地方によってはチキンを使ったドロファンタもあったりするのでややこしい。ならドロワットじゃないの?と聞いたら、やっぱり違うものだそう。
■グリルチキン
これはエチオピアからザンビアに行った時に食べた一皿。シンプルに焼かれたチキンでシマ (ザンビアの主食、ウガリより滑らかで美味しい) をいただきました。「焼いた鶏」はどの国に行っても普遍的な料理ですね。よく焼かれてさえいれば美味しく安心して食べることができます。
トンガ
■カレーモア
トンガのポピュラーなメニュー、カレーモア。モアはトンガ語でチキンです。カレースパイスの香りが食欲をそそりました。写真のお皿は付け合せがマニオケ (キャッサバ)。
■バーベキューチキン
タラヒバレストランの前を通るといつも大きなグリル台で豪快にチキンを焼いていました。炭火の煙でスモーキーに焼き上がったチキンは格別に美味しかったです。
フィジー
■インド料理
フィジーは人口の半分近くがインド系住民でした (今は3割強)。20世紀初頭、サトウキビのプランテーションに労働者として移住した人たちの子孫。なのでインド料理 (というかカレー) を食べる機会は多かったです。写真はそんなお店のタンドリーチキンとランチセット (チキンカレー&マトンカレー)。
■中華っぽい料理
フィジーには少規模ながら中華系住民がいます。そのためか首都スバにもしっかりした中華料理屋からなんちゃって中華のお店までたくさんありました。MHCCのフードコートにあったヌードルショップには仕事帰りによく寄っていて、ローストチキンが載っている麺はお気に入りでした。
職場のオフィスビルにあったフードコートも、雨の日のランチによく使っていました。スバは年間300日雨が降るなんて言われていて、このフードコートで食べる機会も多かったのですが、メインメニューが麺のみの焼きそばとチキンの炒め物という、ジャンクの極みのような組み合わせ。おかげでだいぶ体重が増えた気がします。味は悪くなかったですが、とにかくヘルシーとは真逆の食事でした。
MHCCフードコートの人気料理、チリチキン。これもよくテイクアウトしたなあ。ピリッと辛くて美味しかった。麺はボソボソでしたけれど。
中華料理っぽいお店にもカレーライスがありました。インドとも日本などとも違う、独特の味わいで美味しかったです。お肉は決まってチキンでした。
ちゃんとした中華料理屋のちゃんとした手羽先フライ。これは本当に美味しかった。
インドネシア
■サテアヤム
インドネシア料理としてよく知られるサテ。チキン (アヤム) のサテももちろんありました。甘いタレで香ばしく焼かれたチキンは美味しかったです。甘いピーナッツソースがまたよく合う。
■アヤムゴレン
インドネシア風の揚げ鶏。ジャカルタの有名なお店なら美味しいアヤムゴレンに出会えると思います。たいていのお店は火を通しすぎるので、ジューシーさに欠けるきらいが。写真はジャカルタに数店舗ある Ayam Goreng Ny. Suharti。
■アヤムタンカップ
アチェ風のアヤムゴレンは揚げたカレーリーフがトッピングに。これが絶妙にフライドチキンと合うんです。
■アヤムプダス
スパイシー (プダス) なチキン。東ジャワのバニュワンギでいただきました。地鶏なのでお肉がシコシコと食感が良く、火の通し方も味の付け方も上手でとても美味しく、ご飯が進みました。
■ナシゴレン・アヤム
ナシゴレン (炒飯) にチキンのおかずが添えられた一皿。もともとお米が主役だし、これを鶏料理と言うのはちょっと弱いですかね。
■クトゥパッカンダンガン
南カリマンタンのバンジャルマシンに旅行した際にいただきました。こちらも主役はクトゥパッ (ヤシの葉で編んだ容器に入れられ炊かれたご飯) なので何を載せるかは自由ですが、ライギョとチキンという二択で、自分はチキンにしました。甘辛で美味しかった。
■ナシクニン
上の写真と同じようなチキンの甘辛煮は、ナシクニン (イエローライス) でもいただきました。これもバンジャルマシン。
■ソトアヤム
インドネシア人のソウルフードとも言えるチキンスープ。ご飯やビーフン、またはロントン (お米のお団子みたいなご飯) が入っていることが多く、お腹にもたまります。各地にバリエーションあり。写真は上からソトアヤム (ジャカルタのお店)、ソトクドゥス (中部ジャワ風、やや甘いスープ)、ソトバンジャル (バンジャルマシン風、ロントンが定番)。
■海南チキンライス
辛くて味の濃いインドネシア料理に胃が疲れた時によくいただきました。とは言っても、あっさりした見た目に反して実は鶏肉の旨味が強く、けっこうパンチ力のある料理でした。
タイ
■ガイヤーン
鶏肉 (ガイ) を炭火で焼いたもの。イサーン (東北タイ) 料理ですが、バンコクにも専門店がたくさんあり普通に食べられます。塩系・タレ系ありますがどこで食べてもだいたい美味しいです。中には感動するほど美味しい一品も。
■ガイトート
ガイヤーンに対してこちらは揚げ鶏。有名店でも、日本人にしてみたら火の通しすぎなので、とくに胸肉部分はジューシーさに欠けるため、そこまで美味しいと思ったことはないかも。でもタイ人はこれが大好き。ちなみにタイ人はこうしたチキンを手づかみでは食べません。ちゃんとフォークとスプーンを使ってきれいに食べます。なお、大衆店ではあまりナイフは置いてありません、フォークとスプーンの組み合わせが定番。
■カオマンガイ
タイ料理の中でも日本での知名度はトップクラス。ふっくら茹でられたチキン (胸肉)、そのスープで炊いたご飯は滋味あふれる優しい味わい。香草たっぷり&激辛タイ料理が続いて胃袋が疲れてしまった時にはありがたい一品。
■カオモックガイ
カレー風味のターメリックライスに煮込みチキンを "隠した" 料理 (カオ=ご飯、モック=隠す、ガイ=チキン)。辛くはなく、カレースパイスの香りが大いに食欲をそそります。これ系のライスディッシュでは一番好きかも。
■カオナーガイ
サイコロカットのチキンをグレイビーソースで煮込み、ご飯にたっぷりかけた料理。見た目は味が濃そうですが、実際にはとても優しい味わいで、しみじみ美味しいです。これも胃が疲れた時にうってつけの料理。
■トムカーガイ
名前くらいは知っていましたが、タイに来て初めて食べて、その美味しさを知りました。ココナッツミルクのマイルドな甘さに加え、カー (タイ生姜) やレモングラスなどタイハーブの爽やかな香りと切れのある酸味が口いっぱいに広がるスープ。トムヤムクンの次はぜひこれを。
■ガパオライス・チキン
バンコクのいろんなお店でいろんな種類のガパオライスをいただきましたが、何度食べても食べ飽きない、奥の深い料理だなと感じました。チキンは選択肢のひとつ。どちらかと言えばチキンは人気下位かもですが (ビーフとポークが人気)。チェーン店の「ムームガパオ」が一番好きでした。
■グリーンカレー
タイカレーといえばこれ。タイにしかない独特の味なのに、外国人にもウケるすぐれモノで、自分も昔から大好きです。日本でもタイレストランやレトルトで普通に食べられるため、実は自分、タイでは当初あまり食べませんでした。これではいかんと思い直し、あちこちで食べたらやっぱり美味しかったですね。お肉は何でも良さそうですが、自分が食べたのはチキンばかりでした。
■マッサマンカレー
マッサマンカレーはアユタヤ王朝を16世紀に訪れたペルシアの使者や貿易商の影響を受け、タイ中部で生まれたとされます。また別の説では、タイ南部を訪れたアラブ人の貿易商人が起源だとされます。イスラム教徒から伝来したため、このカレーは主に鶏肉、牛肉や羊肉などで作られます (Wikipediaより)。別名「世界一美味しい料理」by CNNトラベル。自分が食べたものはどれもチキンでした。ココナッツミルクが効いた、想像どおりの "南国のカレー" といった味わい。大好きです。
■カオソーイ
北タイのカレーヌードル。日本でもだんだん人気が出てきましたね。タイ旅行に来た人ならきっと出会っていると思いますし、一度食べれば必ずや好きになるでしょう。それほど日本人には食べやすい料理です。お肉はチキンかビーフですが、たぶんチキンの方がポピュラー。自分が食べたものもほとんどチキンでした。
■クイティアオ・クアガイ
クイティアオ (タイ語で麺全般を指す単語)・クアガイ、あるいは単純にクアガイ (Kuat Gai) というフライドヌードル。幅広ライスヌードルを中華鍋の底にギュッと押し付けるように強火で焼くため、麺におこげができ香ばしく食感はもっちり。塩味というか塩と油の味なので、ツウ好みの料理。チキンは必須ながら脇役といった趣。
■ガイホーバイトゥーイ
チキンをバイトゥーイ (パンダンリーフ) に包んで揚げた料理。ナンプラーをベースにした甘辛い味付けのチキンはしっかりタイ風味。
■烏骨鶏
バンコクのサパーンタクシン駅南側にあるスープ専門店で黒い鶏「烏骨鶏」のスープをいただきました (写真はスープ皿から取り出してご飯の横に添えたところ)。味は普通の鶏肉よりコクがあったような。
■カオトム・カーガイ
カオトム (雑炊) は牡蠣などのシーフードが人気ですが、これは珍しく鶏足 (カーガイ) でした。もともと点心でも鶏足は好きだったので、これも違和感なくいただきました。見た目はちょっとアレですが。
■テキサスチキン
味付けは控えめで素材の味を活かしたレシピは何度食べても食べ飽きませんでした。フライドチキンとしてはKFCより好き。バンコクの我が家の近所のKFCが特に美味しくなかった可能性も。
ウズベキスタン
■タバカ
ラムとビーフがメインで、チキンのバリエーションは少なめのウズベキスタン料理。これは代表的なチキン料理で、ギュッと平たく押し焼いたものです。表面はカリッ、中身はジューシー、なかなか美味しいですよ。でもお肉としてくらべたら、ラムとビーフの方が美味しいかなあ、やっぱり。
■チキン・シャシリク
シャシリクも自分は普段ラムばかり食べていましたが、たまにはチキンもいいものでした。何にせよ焼き立てのお肉は美味しいものです。
■チキンカツレツ
ウズベキスタン料理なのか、それともロシア料理なのか、はたまた洋食なのかいまいちわかりませんが、よく見かけるメニューで「コトレット (カツレツ)」なるものがあります。挽き肉にあれこれ混ぜ物をして成形したもので、日本のカツレツとはまた違い、ハンバーグに近いと思いました。写真の白っぽい2つがチキン、黒いのがビーフです。ちょっと練り物系のチキンハンバーグといった味わいで、これはこれで美味しかったです。
■アメリカサラダ
鶏むね肉を使ったヘルシーかつ高タンパクなサラダ。フランスサラダ、ニッポンサラダと共にわりとよくあるメニューで、レシピはどこもこれでした。
■シュクメルリ
タシケントにあるジョージア料理店でいただきました。松屋とジョージア大使のおかげで、日本では有名な料理ですよね。ウズベキスタンで初めていただきましたが、こってり濃厚な乳製品 (牛乳・バター・チーズ) の味わいが最高でした。ジョージア本国のものにどこまで近いかは不明。
■CTRチキン
「チキン・テイスト・レボリューション」。ウズベキスタンにもKFCはありましたが、個人的にはこちらの方が好きでした。イギリス発祥、35ヶ国に140店舗を持つグローバルブランドだそう。丸ごと1羽のフライドチキン「チーフチキン」がおすすめ。味付けはカレーパウダーが効いていて、意外と他にはない美味しさです。
韓国
■参鶏湯 (サムゲタン)
フィジー時代は一時帰国の際いつもソウル経由で、一度フライトの都合で1泊した時に参鶏湯をいただき、その美味しさにじんわり感動しました。「百済参鶏湯」のそれは孵化してから49日の韓国産若鶏にもち米、ナツメ、高麗人蔘を詰めじっくり煮込んだ、優しくも力強い、滋味あふれる逸品でした。
■ヤンニョムチキン
ウズベキスタンと日本の往復はアシアナ航空が多く、いつも仁川空港でトランジットしていました。数時間でしたが、プライオリティパスでラウンジを使い、いつもこれをいただいていました。甘辛の濃いめの味がなんともたまりませんでした。
■チーズタッカルビ
富士市にある創業38年の韓国レストランで、チーズタッカルビを初めていただきました。韓国から日本に渡って以来、本場の味を伝え続けるオモニ手作りのタッカルビは美味しかったです。味は良くも悪くも想像したとおりの味でした!
日本
日本も鶏料理はたくさんある国だと思います。自分はそんなに珍しいものは食べていないので、写真は割愛。
親子丼 (醤油味・塩味)、生親子丼、唐揚げ (黒酢をからめるレシピも)、タルタルチキン (チキン南蛮)、チキンカツ、鶏鍋 (水炊き)、焼き鳥 (缶詰も)、山賊焼き (長野県)、鳥もつ煮 (山梨県)、鶏白湯ラーメン、照り焼きチキン (バーガー)、くらいかな、これまで食べたものは。あとは自炊でチキンカレーとか炒め物・煮物は無数に。
自分が日本で一番好きなのはどれだろうと考えてみましたが、なかなか決まらなくて、小一時間考えたところ、どうやらホテイの焼き鳥缶詰ではなかろうかという、妙な結論に。子供の頃食べて美味しいと感じたものは一生好きなままだそうですが、なんだかまさにそのとおりかも。備蓄用に大きな缶も買いました。
以上です。今回は中国料理を除きました。あれこれ食べてはきましたが、写真があまりなく、名前も覚えていないようなものが多かったので。また個人的には、中国料理の中で鶏肉の優先度は低いのもあり。
【追記】
と、書いたのだけれど (↑)、ダーパンジー (大盤鶏) はやはりあげておこう。ウズベキスタンでいただいた新疆ウイグルの料理です。鶏の骨付きぶつ切り肉がドンと豪快に盛り付けられた料理で、西域の味と香りがします。