日本ではあれこれラーメンを美味しくいただいていますが、そういえば日本て牛肉ラーメンがないなと。
スープは鶏か豚 (合わせ含む)。チャーシューはほとんど豚、ごくたまに鶏、あとは肉なし (タンメン)。
そもそも牛肉・牛骨スープのラーメン屋なんて、地元にはありません。お肉界のキングであるビーフも、ラーメン界ではかなりの日陰者です。
これだけラーメンのバリエーションが豊富な日本において、一体なぜ。。。一応、AIの回答は次のとおりです。
■ラーメン成立期の食材事情
戦前〜戦後の日本では、牛肉や牛骨は比較的高価で、一般庶民が日常的に使える食材ではなかった。一方で、豚骨や鶏ガラは安価で手に入りやすく、大量調理にも向いていたため、自然にラーメンの出汁に採用されていった。
■文化的背景
日本では明治以前、仏教的な価値観や肉食禁忌の影響で牛は「農耕や運搬に使う貴重な家畜」とされ、食用にされにくい傾向があった。明治以降に牛肉食は広まったものの、「牛骨を煮出すスープ文化」はあまり発達せず、牛肉はすき焼き・しゃぶしゃぶ・ステーキなど「肉そのものを味わう料理」に使われることが多かった。
■味の相性
牛骨スープは独特の香りやクセがあり、澄んだ清湯なら上品に仕上がるが、長時間煮込んで白濁させると獣臭が強調されやすい。日本人の味覚には「豚骨の甘み」「鶏ガラの優しい旨み」の方が受け入れやすく、牛骨はラーメン用スープとしては扱いづらい面がある。
■他国との違い
中国や韓国では牛骨スープ文化 (例:蘭州牛肉麺、ソルロンタン) が根付いており、牛骨ラーメンも自然に存在する。日本のラーメンは「中国料理の影響+日本的アレンジ」で生まれたが、その過程で牛ではなく豚と鶏が定番化 した。(写真はウズベキスタンの蘭州牛肉麺@Xibei、韓国ソウルのソルロンタン@神仙)


■現代の状況
最近では「牛骨ラーメン専門店」も各地にあり、特に関西 (神戸、姫路など) や鳥取県米子市の「牛骨ラーメン」が知られている。ただし全国的に見るとマイナーで、あくまで「変わり種ラーメン」という扱いが多い。
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これまで食べた牛肉麺を、代表でタイからいくつか。どれも一応、中国料理としての牛肉麺ですが、コックさんはタイ人 (中国系タイ人) なので、本場のものとはまたちょっと違うのでしょう。でも、どれも美味しかったですよ。
■大連飯店 (Map)
スープ、牛肉、麺、どれもそつなく美味しかった。バランス良し。

■デミ (Map)
スープの見た目は濃いけれど意外とあっさり。煮込まれて柔らかくなった牛肉も最高。ここは数少ない台湾料理と看板を掲げるお店。

■Yong He Dou Jiang (Map)
小籠包で有名なお店。牛肉麺は旨味たっぷりスープにやわらか手打ち麺、ホロホロくずれる牛肉の三重奏が完成度高し。自分が行っていたチョンノンシー駅近くの店舗はなくなったのかも。Mapには現在示されるお店の場所をリンク。


■東来順 (Map)
太さまちまちの手延べ麺は食感の変化があり、コクがあるけれど濃すぎないスープは飲み飽きず、牛肉もよく煮込まれトロトロ。これは満点。

■老地方 (Map)
東来順の2件ほど隣のお店。手延べ麺にコクがあるけれどさっぱりしたスープやトロトロに煮込まれたお肉など、東来順に似た味で、こちらも100点。

■遼寧餃子館 (Map)
赤いトマト系スープ。他にはない味ですこぶる美味。麺はやわやわのソフト麺。これはこれで。お肉はちょっと噛み応えあり。これもこれで。

■東門 (Map)
台湾料理店。スープはトマトの酸味が効いたサラッと系でやや辛め、八角やや強め、旨味はあっさりめ。平打ち麺はコシが抜群。牛肉は脂身少なめの部位を柔らかくなるまで煮込んでいます。バンコクで食べる牛肉麺としては少し毛色が異なるものでした。

■七里香 (Map)
トマト系スープは嫌いじゃないけれど、麺が茹ですぎだしスープに深みがないし丼も小さめ。あっさりしているので、アソーク界隈で飲んだ後のシメの1杯にはいいかも。

■紅燈籠 (Map)
牛肉麺は系統が異なるのか見た目も味もかなりあっさり。まあこれはこれで。ここでは名物の焼き小籠包をぜひお試しあれ。


■鼎泰福 (Map)
紅焼牛肉麺。お肉は甘めで味も食感も鯨の大和煮みたいでなかなか美味。麺はかなり細め、柔らかめ。スープはあっさり。さっぱりいただける1杯でした。

■スマイル (Map)
牛肉・牛ホルモン入り。手延べ麺はツルツルと滑らか、小麦粉の甘さも感じられ、麺に限ればバンコクで一番美味しい。スープはあっさり目、コク薄めでやや残念。


■鼎泰豊 (Map)
バンコクに何店舗も出店しているディンタイフォン、小籠包はもちろんのこと、牛肉麺もさすがの美味しさ。スープは化調に頼らず手間ひまかけた自然なビーフの旨みがたっぷり。味にとがったところがなく、優しい昔ながらの味わいです。牛肉はよく煮込まれていますが箸で持ってくずれるほどではなく、適度な噛みごたえあり。これが全部で5本入っていて食べごたえ十分。麺は歯切れのよい中細麺で、太麺派の自分としては唯一惜しい点ですが、全体のバランスを考えればこれが正解なのでしょう。値段は他店の2倍しましたが、十分価値ありの1杯。

■中華小吃 (Map)
新型コロナ禍の前は「バンコク新中華街」と呼ばれた「プラチャラットバンペン通り」には中国料理屋がたくさん。ここの牛肉麺は少し縮れた自家製麺で、いい意味でB級感あり、ちょっと高級などん兵衛の麺て感じ。牛肉はよく煮込まれていて柔らか、スープは甘みがほとんどなくキリッとした口当たりでした。

■福華餐廳 (Map)
中華小吃の向かい側にあるお店。スープの赤はぜんぶチリオイル。熱くて辛くて舌がヒリヒリしました。牛肉多めでスープのコクが深く、手打ち麺と相性良し。

■老四川 (閉業)
プラチャラットバンペン通りにあったお店。新型コロナ禍で多くが閉業しました。真っ赤な激辛スープが悪くなかったんですけどね。

■李先生中餐牛肉面 (Map)
スープはコク控えめで塩が効いているためスッキリした飲み口。手延べ麺は可もなく不可もなく。辛味なし。牛肉はよく煮込まれていて、量がけっこうありました。

■醉心米線 (Map)
紅焼牛肉麺は麺が雲南料理の特徴である「米線 (ミーシェン)」です。米粉の中太麺ですが丸くてツルツルであまりコシがない独特の麺。スープと牛肉はこの界隈で一番美味しいくらいでしたが、自分的にはこの麺がなんとも微妙。これが小麦粉の手打ち麺だったら100点満点だよなと心底思いましたが、でもこの麺を否定してしまうとそもそもこのお店に来る意味がなくなってしまうというジレンマが。

■雙象園 (Map)
こちらも雲南料理のお店。牛肉麺は米線なので (米線ちょっと苦手)、雲南掛麺を頼んだらぜんぜん牛肉麺ではありませんでした。あっさりスープですが、トマトとひき肉を炒めたガーリック強めのソースがスープの美味しさを何段階も引き上げていました。後半はラー油を入れて味変し、スープの最後の一滴まで美味しくいただきましたよ。

■蜀香园 (Map)
自分が行ったMRTタイ文化センター駅近くのお店は閉業。マップリンクはもうひとつのお店。旨味たっぷりの激辛スープと柔らかビーフが美味しいです。四川料理店。

■川味坊 (Map)
四川料理のお店。麻婆豆腐ともども期待して行きましたが、どちらも微妙でした。バンコクの牛肉麺は手打ち/手延べ麺がほとんどなのにここは珍しく乾麺。スープも塩辛いだけでした。見た目はすごく美味しそうだったのに。

■美味碗 (閉業)
「台湾料理」の看板を掲げたお店は味が本格的な分、どうしても値段は高めに。ビジネス的には厳しく、ここも閉業していました。美味しかったですけどね。

■おまけ:牛肉麺テイクアウト
タイの屋台・大衆食堂は、どんな料理もテイクアウト可能です。熱々の牛肉麺だってご覧のとおり。東来順からテイクアウトした牛肉麺、丼に盛ったらお肉の少なさに泣きました。新型コロナ禍でどこも大変だったから、まあいいですけれど。。


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長々とタイの写真をあげましたが、本題はここから。我が地元にも台湾料理のお店 (基本はテイクアウト専門) があり、久しぶりに牛肉麺に舌鼓を打ちました。(台湾味Map)
4月までいたウズベキスタンでは蘭州牛肉麺をよく食べていました。牛肉麺 (台湾牛肉麺) を食べるのはそれ以来、約半年ぶりです。
醤油が明らかに日本の醤油の味だったので、海外で食べたものとは微妙ながらも絶対的に違う味わいだなと思いました。
まあどちらも美味しいんですけどね。でもやっぱり、向こうの味が懐かしいかも。

