今回の一時帰国中も何軒かラーメンを食べに行きました。どこも性格の違うラーメンでしたが、共通点は「豚肉が載っている」ことでした。
本当にラーメンはお店の数だけバリエーションがある、奇跡のような食べ物です。どこも店主のこだわりがあって、それはトッピングにも現れています。
まずはこの夏に食べた3杯、自分の好きな順に。あ、豚肉の話です。ラーメンは全体のバランスでまた評価が異なりますから、とりあえずお肉にだけフォーカス。
■低温調理のチャーシュー
赤色の残り方からおそらく低温調理だなと思いますが、もちろんちゃんと火は通っています。食感がモチモチで本当に美味しかったです。時間がたつとスープの熱で余分に火が通ってしまうので (色も白くなります)、ここのチャーシューはいつも前半で食べてしまいます。
■叉焼&角煮
低温調理のチャーシューを食べてしまうと、普通のチャーシューというか煮豚ではもう満足できない自分がいますが、ここのお店は文字通りローストした叉焼なのかも。表面が黒いし。柔らかく旨味があって美味しかったです。トロトロに煮込まれた角煮 (バラ肉) もそれ自体美味しかったですが、甘めの醤油スープとの相性がバッチリでした。
■茹で豚
このお店、前はチャーシューでしたが、今は薄切り肉を茹でたものに変わってしまいました。コストを考えてのことでしょうが、ラーメン屋としてはけっこう大きな決断だったのではないでしょうか。実際、こちらもちょっとだけため息が出るし。でもこのお店で食べたいのは麺 (とスープ/タレ) なので、それでも良しとしています。
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ここからは今まで日本で食べたラーメンで、お肉が載っていたものをピックアップ。似たようなものはたくさん食べていますが、できるだけ違う種類・形状のお肉を選んでみました。
■煮豚 (脂身多め)
バラ肉の塊を丸めてしばって茹でる典型的な煮豚の形をしたチャーシューもたまにはいいものです。昔はこればかりだったような気がしますが。この時食べたのは一風堂のソース豚骨という飛び道具でしたが、この昔ながらの煮豚が合っていました。
■煮豚 (脂身少なめ)
脂身の少ない部位を使った煮豚は、あっさり系のラーメンに最適です。自分のお気に入りは藤枝の朝ラーメンの煮豚。お客さんの多くは温と冷の2杯食べるのが定番。ちなみに朝ラーメンて朝から開いているラーメン屋のことではなくて、早朝に食べても胃がもたれないさっぱりしたラーメンのことを言います。下の写真でもスープにほぼ脂が浮かんでいないのがわかるでしょうか。
■分厚い煮豚
ラーメン二郎 (写真は品川店) の煮豚は分厚くて噛みごたえがあって醤油が染み込んでいて、満足感が半端ないです。満腹になることは確実。味云々はさておき、とにかく勢いで食べるのが正解かと。まあでも今の自分にはちょっと重いかな。
■煮豚 (冷めたもの)
意外とよくある、冷めきった煮豚。脂身が真っ白なのはいかがなものかと。温め直した方が美味しいだろうといつも思うわけですが、まあこれはこれで、ですかね。噛みごたえもあるし、よく噛めば味は美味しいし。
■爆盛チャーシュー
かなり手の込んだチャーシューで、最初の2、3枚は本当に感動するほど美味しかったのですが、これだけ量が多いと後半は急速に飽きてしまいました。もちろんこのラーメンに罪はなく、頼んだ自分が悪いのですが。何事もほどほどが良いということを学んだ一杯でした。
■細切りチャーシュー
1枚で載っているチャーシューと、同じ量を細切りにしたもの、これ、かなり違います。食感は当然ですが、なんだかあまり「お肉を食べた」という実感がないような気が。やはりお肉はある程度かぶりついて食べたいものです。
■ひき肉
台湾ラーメンは辛味の効いた豚ひき肉が載っているのが定番ですが、細切り肉と一緒で、自分はあまり好みではありません。ぜったい何分の一かはすくえないし。各地にある謎の格安台湾中華のお店でしか食べないな (ラーメンセット780円とかすごいです)。
■鶏チャーシュー
鶏の胸肉をじっくり低温調理したチャーシュー (写真の白い方) は、モチモチしていてジューシーで、塩スープにベストマッチでした。豚にくらべたら物足りないと言えばそうなのですが、全体のバランスとして、鶏チャーシューは必然だったと思える一杯でした。ただこの一杯は豚のチャーシューも載っていて、ちょっと日和っているなと。いっそ鶏のみで行った方が良かったのにとか思ったり。
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ここからは海外でいただいたラーメン (のお肉トッピング)。タイ、インドネシア、フィジーから。あ、最後はウズベキスタンも。日本のラーメンとは別物と考えれば、どれも美味しかったです。
■焼豚 (レッドポーク)@タイ
タイでチャーシューと言ったら焼豚、しかも表面が赤いレッドポークが定番。少し甘みがあって中華スパイスの香りが異国情緒を感じます。大好き。
■豚肉オールスター@タイ
クイチャップというクルッとカールした麺、トッピングは全部載せ。茹で豚、揚げ豚、豚レバー、豚肉ワンタン (揚げ・茹で)、見えてないけど焼豚も。
■豚足@タイ
提供するお店はバンコクでもかなり限られていますが、豚足 (カームー) を載せたタイラーメンもありました。甘辛くトロトロに煮込まれたカームーは、正直ご飯にかけた方が美味しいと思いましたが。カオカームー (豚足載せご飯) は偉大。
■チキン@タイ
北タイのカレーラーメン「カオソーイ」には鶏肉が定番です。中には牛肉もありましたが、豚肉は見たことがなかったですね。これはまたいつか食べたいなあ。本当に美味しいんですよね。
■牛煮込み@タイ
こちらもタイラーメンの定番トッピング、牛の煮込み。タイ風牛肉麺もひとつのジャンルとして確立していました。専門店もたくさん。自分は内蔵系がとくに好き。
■ダック (茹で)@タイ
茹でた鴨肉を載せたラーメンも一大ジャンルでした。人気店はお肉のボリューム・味ともに良かったです。スープはちょっとすき焼き風 (甘しょっぱい)。
■ダック (焼き)@タイ
同じ鴨肉でもタイ中華のお店ではローストダックが定番。パリッと香ばしく焼けた皮から溢れ出る脂の美味しさが最高でした。鴨なら自分はこちらが断然おすすめですね。スープは見たままのラーメンスープらしい味。
■台湾牛肉麺@タイ
タイの中華のお店にはもちろんタイラーメンはなく、台湾牛肉麺がラインナップされていました。麺のボリュームもあって良く煮込まれた牛肉がたくさん載っていて、1杯の満足度はかなりのものでした。
牛肉だけでなく内臓系も載っているお店。
小籠包で名高い鼎泰豊 (ディンタイフォン) の牛肉麺の煮込み牛肉は、やはりワンランク上の美味しさでした。
■牛肉&肉団子@インドネシア
インドネシアは中華料理屋をのぞくとローカルのお店には豚肉料理がありません。なのでお肉と言えば鶏か牛でした。牛も美味しかったですね。写真の1杯は茹で牛肉と牛肉団子。
たまに巨大な牛肉団子もいただきました。
■鶏肉@インドネシア
麺料理が多いインドネシアでもっとも一般的なお肉は鶏肉でした。たまたまなのか自分がよく食べていたのは、うっすら甘辛く煮付けた鶏肉。優しい味わいで大好きでした。スープ別体型なのもインドネシアあるある。どうせ食べる時にスープをかけるんですけどね。
■豚皮@インドネシア
北スラウェシはキリスト教徒が多い地域で、また歴史的に貧しい時代を長く過ごしたため、あらゆる肉を食べると言われています。豚もそうだしコウモリなんかも。写真はマナドでいただいたラーメン。豚肉と揚げた豚皮が載っていました。とても珍しいものをいただいたなと。
■ローストチキン@フィジー
フィジーではよく麺を食べました。週に何度も通ったMHCCのフードコートの1杯。これだけしっかりしたローストチキンが載ったラーメンは (実際はうどんに近いですが)、後にも先にもフィジーだけかも。トンガ時代にオークランドで食べたラクサに乗っていたローストダックもかなり本格的でしたが。
■羊肉@ウズベキスタン
ラーメンとはややイメージが異なりますが、ラーメン (拉麺) の語源とも言われるラグマン (拉麺からラグマンかも)。使うお肉は羊肉もしくは牛肉です (写真は羊)。イスラム教ですからね、豚肉は禁止。トマトとピーマンが効いたスープなので、羊肉がまたよく合うんです。
■茹で牛肉 (冷製)@ウズベキスタン
ウズベキスタン風朝鮮冷麺ククス (ククシ)。キリッと冷たいスープが夏にピッタリの1杯です。当然トッピングの牛肉も冷製。完璧な1杯。
さてさて、皆さんはどのお肉が美味しそうと思ったでしょうか。世界的に見れば牛肉麺もかなりメジャーですよね。トータルでは自分もむしろこちらを食べつけています。
外では牛肉麺で十分満足していますが、日本でラーメンを食べると、豚肉の美味しさをいつも再確認します。自分はやはり日本の豚チャーシューのどれかかなあ。とくに一番最初のピンクのチャーシュー。