アックライ (オックライ/Oqquray: Psoralea drupacea Bunge) は、ウズベキスタンやカザフスタンなど中央アジアからイラン、地中海地域に生息する、マメ科に属するハーブの一種です。アディル (Adyr) と呼ばれる荒れた丘陵地帯や乾燥地/砂地でよく見られ、放牧された家畜がよく食べるそうです (妊娠中の雌羊には毒)。
根・葉・種子には抗菌、抗酸化、抗炎症などの薬効があり、湿疹、白斑、皮膚疾患などの治療に昔から利用されてきました。開花時期は5月から7月、ただし開花期間はわずか4日間だそう。その蜂蜜 (アックライハニー:Oqquray Asal) もまた、様々なメリットを人にもたらしてくれると言われています。
アックライハニーの名前を知ってから、しばらくスーパーマーケットの棚を注意しながらのぞいてきましたが、まったく見つかりませんでした。結局、「ウズベキスタン養蜂家協会 (Association of Beekeepers of Uzbekistan)」でようやくご対面。(⇒マップ)
貴重というか希少な蜂蜜かと思っていましたが、棚には思っていたよりずらりと並べられていて (手前の紫のラベル)、また値段も1瓶550グラムで55,000スム/670円とリーズナブルでした。一緒に買ったコットンフラワー (パフタ/Paxta) の蜂蜜が550グラム35,000スム/430円なので、1.5倍すると思えばたしかにちょっと高級品です。
まずコットンフラワーを味見。少し蝋のような蜂蜜らしい強い香り、色は透明感があり、さらっとしていてなめらかな食感、しっかり甘い。続いてアックライ。香りは弱め、鼻を近づけるとようやく花の香りが。色は白濁 (Oqquray=白という意味も)、トロミはあまりなくじゃりじゃりした食感。
口に入れると花の香りが広がりますが、甘い香りというよりは、ラベンダーとかライラックとか、落ち着いた感じの香り (のような気がする・・)。そしてとにかく強烈に甘いです (酸味はあまりない)。これがナチュラル (Tabiiy Mahsulot=天然物) なんだからすごいです。自然が生み出す神秘。
ちょうどサマルカンド帰りの人からお土産にノン (パン) をもらったばかりでした。ノンにつけて食べると蜂蜜の甘さがさらに際立つような気がして、紅茶なしでは厳しかったほど。しかし良いものを手に入れました。これで当分楽しめます。冬に向けて風邪予防にもなったらいいな。