A Dog's World 

~海外で暮らす・日々の記録・旅の記憶~   

ウズベキスタンワイン

歴史

ウズベキスタンは肥沃な土地と長い日照時間の下、古の昔からブドウを栽培してきました。ブドウ栽培に関する記録は、紀元前1世紀のゾロアスター教の聖典「アヴェスタ」にも記載されているのだとか。

猿酒もあったでしょうし、すでに当時からワイン造りを行っていたことは想像に難くありませんが、7世紀にイスラム教が伝わってくると、ブドウのほとんどが食用になりました。人々はワインよりもジュースやドライフルーツを好んだそうです。

ウズベキスタンでワイン造りが商業化されたのは、19世紀の終わり頃、ロシア帝国の影響下にあった時代です。パリの国際大会に出品し賞を穫るほど、ウズベキスタンのワインは品質が高いものでした。夏季を中心に高温・乾燥が続くため、農薬・除草剤をほぼ使用しないブドウ栽培が可能なのだとか。

ソビエト連邦の一員になって以降、ウズベキスタンには多くのワイナリーが生まれましたが、後年、ゴルバチョフ政権下に起きた反アルコールキャンペーンで多くが打撃を受け、ワイン産業は衰退していきました。

ソ連からの独立、そして21世紀になり、ブドウ栽培は政府の優先事項になりました。徐々に栽培面積が増えるとともに、新しいブドウ品種の導入や施設・設備の近代化によって、ワイン産業は成長の一途をたどっています。

品種

ウズベキスタンは年間約200日が晴天です。たっぷりふりそそいだ太陽がブドウに格別な甘みを与えますが、同じブドウ品種でも「テロワール」が異なれば味も異なります。テロワールとは、ブドウ畑の土壌、地形、気候など、ブドウの生育環境を総称した概念と考えられています。また、ワインに現れる地域の特徴をテロワールと呼ぶことも。

ウズベキスタンのワインメーカーが使用しているブドウ品種のほとんどは、外部からもたらされたものです。ピノ・ノワール (フランス)、ルカツィテリ、サペラヴィ、カラブフ・ヒンドンナ (ジョージア)、バヤン・シャリー (アゼルバイジャン) などが栽培され、使用されています。

ソヤキ (Soyaki) はウズベキスタン在来種のブドウです。 古くから天山山脈の麓で栽培れ、軽めの白ワインが生産されてきました。シャンパンやブランデーを作るのにも適していて、ワインはわずかに酸味があり、強いアロマと柔らかな蜂蜜のような香りが特徴です。

ウズベキスタンでは300種類以上のブドウが栽培されていると言われていますが、それらのすべてが商業規模で栽培されているわけではありません。アマチュアのワイン生産者や企業は、ウズベキスタンのブドウ栽培の伝統を守りながら、新しい味やレシピを日々模索しているのだそうです。

購入

ウズベキスタンは国民のほとんどがイスラム教徒ですが、戒律はそこまで厳しくなく、タシケントにもパブや酒屋などたくさんあります。古くからブドウの栽培とワインの醸造を行ってきた歴史がありますから、ウズベキスタン人もそこを嫌悪していることはないと思います。

自分は下戸ですが、ワインやお酒には大いに興味あり。数年おきに「そろそろ飲めるようになったかな」と、おもむろにお酒を買っては口をつけたりしていますが、まあ未だにダメだし、この先ももう希望はないのかもしれません。アルコール分解酵素ゼロ人間です。

今回も飲み切ることはないだろうと諦観しつつ、町の酒屋でウズベキスタン国産ワインを買ってきました。まだ開栓はしていません。とりあえず「買いました!」のご報告。サマルカンドの有名なワイナリー「バギザガン」の白 (リースリング) とロゼ、タシケントのワイナリー「フェルメルスコエ・ハジャイストヴォ (uzumfermer.uz)」の白 (リースリング)、そしてザクロのワイン、コニャック (ブランデーのこと)。

LEGION@Shakhrisabz St. (フェルメル多数)

LEGION@Kari Niyazov St. (フェルメル多数、バギザガン少数)

Mr. PABLO@Khurshid St. (バギザガン多数、他のもあれこれ)

買ってきたもの

LEGION@Shakhrisabz St.
-フェルメル白 141,000スム/1710円
-コニャック 35,000スム/430円

LEGION@Kari Niyazov St.
-バギザガンロゼ (小瓶) 38,000スム/460円

Mr. PABLO@Khurshid St.
-バギザガン白 85,000スム/1030円
-ザクロ 52,000スム/630円

バギザガンでくらべるとLEGION は少し高いです (大瓶92,000~98,000スム)。Mr. PABLOは安いですが、店内はあまりちゃんと温度管理や光対策はしていない様子でした。その点はLEGIONの方が安心。

さてさて、味見が楽しみ。たぶんほんの少し飲んで感想を言って、残りの大部分は料理に使うことになりそうですが。。