A Dog's World 

~海外で暮らす・日々の記録・旅の記憶~   

ものの値段@バンコク(価格と価値)

インドネシアと同じく、タイは普段の食事がとても安い (安くて美味しい!) ので、たまに食べる日本料理やお洒落カフェのメニューが、それはそれは高く感じたものです。

高い料理やケーキにも、値段の理由はちゃんとあり、またやはりそれなりに美味しいものですから、いちいち値段にケチを付ける必要はないとは思っていました。

ただ、そうであってもあらためて値段を比較してみると、そこまで出して食べる価値ってある?などとつい弱気になってしまう自分がいて、いくつか例をあげてみると:

VS. 日本のラーメン
「蔦」は言わずとしれた、ミシュランの星を獲得した初めてのラーメン店。バンコクに出店した当初は大盛況で (タイ人は日本人以上に新しもの好き)、入るのを何度かあきらめたことも。1杯税サ込み459バーツ/1600円 (当時のレート) は、現地のご飯・麺類なら写真のとおり9食分に相当します (各40~50バーツ)。こうなるとちょっと考えてしまいます。果たしてその価格に等しい価値があるのかどうか。

VS. 日本のパンケーキ
「ルタオ」はバンコクにもいくつか出店していて、どこも常に現地の若者でにぎわっていました。当時、スフレパンレーキは315バーツ/1100円 (税込み)。値段を知って反射的に「高い・・・」と思い最初は躊躇していましたが、お店ではタイ人もよく食べているし、思い切って一度食べてみたら、やはりとても美味しかったです。ただ、写真のカオニャオマムアン (100バーツ) 3つ分かと思うと、どうにもちょっとため息が。もっとも、これはマンゴーが安いタイならではですね。

ちなみに、ルタオなら日本のスイーツだし高くなるのもまあ納得ですが、ローカルのお店でも高いところは高かったです。写真はセントラルワールドにあった「Fluff」のスフレパンケーキ284バーツ/990円 (税込み)。いや、美味しかったですけどね、はい。

VS. スターバックス
当時、バンコクのスタバは一番安いコーヒーでも90バーツして、あまり自分の好みの味でもなかったため、普段スタバを使うことはほとんどありませんでした。ただ、ナイトロコールドブリューだけは本当に美味しいと思い、今でもたまに飲みたくなります。どの店舗にもあるわけではなかったので、結局2回しか飲んでいませんが。

値段は当時で160バーツ/560円しました。この値段なら、バンコクでは次のようなものが食べられましたから (各150バーツ)、スタバは贅沢品だなあと思いつつ、チュルチュルとアイスコーヒーをすすっていたのを覚えています。写真:モーファイ (これは牛で180バーツでしたが、豚だと150バーツでした)、チムチュム (東北地方の鍋)、小籠包10個、カームー (豚足) 煮込み。

価格と価値って、結局は自分の考え方次第ですかね。おそらく価値は万人に共通の絶対値ではなくて、それは「価値を見出す」なんて言葉からも明白なように、本当に人それぞれなのかなと。その時の環境や感情によっても違うでしょうし。

蔦のラーメンもルタオのパンケーキもスタバのナイトロも、その時は本当に食べたかったし美味しいとも思いました。後から我に返って「高かったんじゃ・・・」と後悔するパターンも、よく考えたらそれはきっと、反省するふりをしていただけなのかも (そしてまた繰り返す・・・)。

なお、タイ生活では基本、安いご飯ばかり食べていましたが、それは節約とか節制などという高尚なものではなくて、タイご飯 (B級グルメ) が本当に美味しいと思っていたからです。