コチラで紹介したホラズム地方の揚げパン「グンマ (Gumma)」。欧米のウェブサイトでは「グズラマ (Guzlama)」と言う名前で紹介されていることが多いのですが、タシケントのホラズム料理屋さんに行ってメニューを見ると、やはりグンマなんですよね。
何が正解なのかまだ良くわかっていないのですが、いずれにしても、タシケントでグンマと言えば、一般的にはレバーなど内臓系の具を詰めた揚げパンを指します。わざわざ「肉のグンマ」と言わなくても大丈夫 (※後述)。
おそらくグンマのバリエーションで、他にも具材はいくつかあるのだと想像しますが、レバーともうひとつの人気商品が、ジャガイモ (ウズベク語/ロシア語でカルトーシュカ)。
ウズベキスタンにはサムサなど手軽なファストフードがあれこれありますが、グンマの人気も根強く、専門店もちらほら見かけます (専門店としてはサムサの方が圧倒的に多いですが)。
そんなグンマの専門店を探してみたところ、おそらくかなりの人気店であろうお店が見つかったので、休日の朝、電車を乗り継いで行ってきました。タシケントの東南側に延びる高架鉄道の3-Bekat駅で下車、徒歩3分の所にある「40 YIL (40年)」です (⇒マップ)。
基本はテイクアウトのお店なので、店頭には常に行列ができています。自分は朝9時に行きましたが、10人くらい並んでいました。目当ては肉 (レバー) とジャガイモ。窓口で「グシュト (肉) 2、カルトーシュカ 2」と伝えると、店員さんが「ん?」という顔。
「カルトーシュカとグンマ?」と言われたので、ハイハイと答えましたが、つまりグンマと言えばイコールお肉 (レバー) のことなんだなと理解 (レシートにもそのように書かれていました)。ジャガイモは中身のことを言って、お肉は外側 (全体) のことを言うのか・・・などと、微妙にモヤモヤが残りましたが、まあ買えたからいいや。
値段は両方とも1個3000スム/36円。手頃な値段も人気の一因かもしれません。周りはみんな10個以上買っていました。1個から100個まで、いくつ買ったらいくらという値段表が貼ってありましたから、冗談ではなく何十個も買っていく人がいるのかもしれません。
お金を払ったら隣の窓口で受取ります。レシートを渡すと、その分のグンマを紙袋、さらにビニール袋に入れてくれました (ソースもつきます)。
さて、無事グンマをゲットしたわけですが、どうしてもすぐに食べてみたくなり、3-Bekat駅の隣にある団地の公園でいただきました。
紙袋の中で熱々のまま横たわっている揚げ物、これをのぞき込む時の得も言われぬ多幸感、これって一体なんなんでしょうね。
さっそくカルトーシュカから。写真用に半分にちぎる時、指先がジンジンしびれるくらい熱かったです。高温でトロトロになったマッシュポテトが熱い!けれどうまい!それ以上に、薄皮部分がサクサクなのがもう最高!これぞ揚げたての醍醐味。揚げパンとしては最高峰の美味しさです。しかしこれは刹那の輝き、そう30分後に思い知らされることを、この時はまだ知る由もありません。
続いてレバー。こちらも熱い。熱さのせいか、レバーの独特なクセはほとんど感じず、濃厚な旨味が口の中に広がりました。食べごたえがあります。以前、別のお店で買ったグンマ (上の方、2枚目の写真) はレバーのにおいがかなり気になりましたが、こちらはまったく。これなら何個でもパクパクいけそう。
サクッと1個ずつ食べ終えると、長居は無用、すぐに公園を後にしました。約30分後に帰宅、あらためてお皿に出して写真を。
半分に切り断面の写真を撮ってから、あらためていただきました。写真を見てもなんとなくわかるかもしれませんが、30分の間に、サクサクだった薄皮部分が、余熱と水分で厚くふっくらしています。食べてみると、揚げパンのサクッと感が消え、代わりにモチッと感に変化していました。
どちらも美味しいことに変わりはないのですが、あのサクッと感があまりに感動的な美味しさだったため、くらべてしまうと、こちらは少し平凡かなと。いや、なおも美味しいんです。とくにカルトーシュカ。ただ、あの時の輝きはもう失われてしまいました。あと、レバーは温度が下がった分、少しにおいが出ていました。まだ十分いけましたが、冷蔵庫に入れたらたぶん自分的にはアウト。
電車で帰ってくる道中、頭の中はカルトーシュカをなんでもっと買ってこなかったのだろう、10個、20個まとめ買いして、冷凍しておけばいつでも楽しめるじゃないか、そんな考えがずっとありましたが、たくさん買わなくて、まあ正解だったなと。やはり食べたい時はお店に行って、揚げたてをその場で食べるのが一番です。