A Dog's World 

~海外で暮らす・日々の記録・旅の記憶~   

カレーラーメンの迷宮

タイ料理には極めて完成度の高いカレーラーメン「カオソーイ」があります。基本のレシピが確立されているので、店舗ごとの見た目や味わいはかなり似通っていて、どこで食べてもハズレなし。

ただし、そんな中にもお客に刺さるポイントはあり、人気のお店は本当に繁盛していました。往々にして人気はコスパ (=価格の安さ) だったりもしますが。

タイで存分にカオソーイを味わった自分、日本に戻ってからは、地元でなかなかカオソーイが見つからなかったため、代わりに日本風のカレーラーメンを求めて歩くようになりました。

4月に一度、地元で食べたカレーラーメンをまとめましたが (⇒コチラ)、あれからさらに何店かカレーラーメンのお店を見つけ、食べに行ってきました。

しかしピンとくるものがあったかといえば、甚だ疑問。「これが正解かも」と思ったこともありましたが、他のお店を食べ進めるうちに、ますますわからなくなりました。

これは自分が、「日本のカレーラーメン」というものに対する明確なイメージを持っていないことも原因でしょう。

もともとラーメンは無限のバリエーションがある料理です。カレーラーメンとひと口に言ってもあまりに多様、とにかくお店によって味の方向性がまったく異なりました。

どんどん食べていけばひとつの正解に集約されていくだろうという考えは、もろくも崩れました。まさに迷宮入り。

過去に食べたものも合わせ、ここにあらためて紹介します。一応、美味しいと思った順に。下の方は美味しくないわけではなく、自分がなんとなく思うカレーラーメンの理想からは離れているかなと、そんな感じの順番です。

CoCo壱番屋
数年前に期間限定・店舗限定で提供された「うまこくカレーラーメン」。カレースープは、きっとカレーライス用のルーを使いつつ、また少し変えているのかなと思いますが、トロッとして絶妙に美味しかったです。たぶん自分はある程度カレールウ的なとろみと味わいが好きみたいです。

一道
トマト豚骨ラーメンなど攻めたラーメンが多いお店の、「スパイシーとんこつカレーラーメン」。豚骨スープとカレーはとても相性が良いことがわかりました。カレー粉だけでなく、もうひと味足されているように思います。なんだったら市販のカレールウを入れていても文句はありません。きっと美味しくなることが容易に想像できますから。

山岡家
期間限定の「カレーとんこつラーメン」。豚骨スープとカレースパイスだけでもよく合うのに、味噌が加わりスープはさらに奥深い味わいに。ちょっとしょっぱかったけれど、大満足の1杯でした。トッピングのポテトを考えた人、天才。ぜひレギュラーメニューに加えてほしい。

Fatton静大前店
期間限定の「カレーラーメン」。こちらも豚骨スープ+カレースパイス。いわゆる二郎系の、もっとしょっぱくてコッテリしているスープかと思ったら、香り高いカレー粉を使ったむしろ軽やかなスープでした。カレーの匂いが食欲をそそり、食べても食べても食べ飽きない、アメイジングな1杯でした。

鐘壱
地元では有名な蕎麦チェーン店「鐘庵」のグループ店舗「鐘壱」は、カレーうどんの専門店。麺をうどんからラーメンに変えるオプションがあります。カレーうどんにありがちなドロドロのカレールウ寄りのスープではなく、クリーミーでトロッとシャバシャバしたカレースープなので、ラーメンにもよく合いました。出汁感など和風寄りなのがまたいい。美味しかったけれど、うどんとどちらが合うかと言われたら、うーん。

来々亭
鶏ガラスープ (たぶん) とカレーの旨味が相乗効果を成して、レシピとしては完成度が高い。ドロッとしたカレールウタイプのスープもスパイス感たっぷりで自分好み。ただしとにかくしょっぱすぎました。日本の外食はカレーライスを含め全体的に塩気が強すぎますが、その最たるものだったなと。そこだけ調整できていれば。惜しい。

スシロー
期間限定の「スープカレーラーメン」。そうです、なぜこれを食べるまでスープカレーがあることを忘れていたのか。これに麺を入れればあっという間にカレーラーメンが完成するではないですか。お味の方も、ぜんぜん悪くなかったです。もちろん、スープカレーとしては札幌でもっと美味しいものを食べたことがあるので、くらべてしまうとやや見劣りしてしまいましたが、ポテンシャルの高さは十分感じられました。トロミは片栗粉?これがちょっと安っぽく感じられたかも。トッピングのポテトはさすが。

ラーメンショップ
あっさりめの豚骨醤油をベースにした「和風カレーラーメン」。そこまで強い和風感やカレー感はありませんが、普通に美味しい一杯でした。しかし次もラーショでこれを選ぶかといったら、たぶんないかなあ、ここはネギラーメンが正義。

銀杏亭
地元で長く愛されている町中華の「かつカレーメン」。昔ながらの醤油ラーメンにとんかつが載り、カレールウがトロッとかけられた1杯。たしかに、かつカレー+ラーメンでした。それぞれは美味しかったけれど、これらを合わせる効果は果たして。

三勝
蕎麦屋の「カレーラーメン」。ベースは昔ながらのシンプルな醤油ラーメンで、そこにカレー粉を投入、さらに片栗粉でしっかりトロミをつけ完成した1杯でしょう。シンプルだし悪くはないのですが、やはり自分が求めるカレーラーメンとは違いました。年配の人が「いつも蕎麦ばかりだし、たまにはハイカラなものを食べるか」といった時にはベストチョイス。

以上です。カレーと豚骨ラーメンは合うこと、でも醤油ラーメンとはあまり合わない (合わせるのが難しい) ことがわかりました。

スープカレーで作るカレーラーメンも、きっと北海道に行けば美味しいものがあるという確信が持てました。

でも結局自分が好きなのは、上の中ではココイチなのかなあと。またやってくれないかな。変に尖っておらず「日本のカレー」の味がするのが良かった。

最後にあらためて、日清カップヌードル・カレーの偉大さを再認識しました。自分の中である意味これがひとつの基準になってしまっています。あ、金ちゃんヌードル・カレーもね。

そういえばカオソーイも1杯の分量はカップ麺くらいだったし、一度に食べる量が少ないのも、美味しい (あとを引く) 理由なのかも。