ラーメン不毛地帯と呼ばれる時代もあった静岡県静岡市において (今はそんなことないですけどね)、さらにカレーラーメンとなると、そもそも食べる機会が限られます。
なので実際に食べたものはごくわずかですが、自分なりに納得できる1杯にも出会ったので、ここにご紹介します。アジアのカレーラーメンと比較しつつ。
■鐘壱 (Map)
地元では有名な蕎麦チェーン店「鐘庵」。桜えびの掻き揚げとお蕎麦の組み合わせが最高です。グループ店舗の「鐘壱」はカレーうどんの専門店。黄色・赤・白・黒と4色のカレーうどんを揃え、そして麺をうどんからラーメンに変えるオプションが。
ここのスープはドロドロのカレールーではなく、トロッとシャバシャバしたカレースープなので、うどんもいいですが、ラーメンにすると絶妙に合うんです。出汁感など和風寄りなのがまた良い。これ、毎日でも食べられるカレーラーメンだと思います。
写真は粉チーズトッピングです。カレースープがさらに濃厚になり、本当に美味しかった。味変は桜えびラー油とたぶんそれを作った後のカス (?)。桜えびの風味とピリッとした辛味がさらに味を引き締めるので、この味変はマスト・トライ。
こちらがカレーうどん4色。こちらも美味しいですよ。
■一道 (ひとみち) (Map)
イチオシはトマト豚骨ラーメンだったり何かと攻めているお店。和にも洋にも何にでも合う豚骨スープのポテンシャルに驚かされます。中でもスパイシー豚骨カレーはカレーラーメンのひとつの正解として完成されているなと思いました。
クリーミーな豚骨スープにカレーを合わせる、その美味しさは言われてみれば「そりゃうまいに決まってる」と容易に想像できますが、自身これまでその発想はありませんでした。反省。こんど家でもやってみよう。
こちらがお店の豚骨ラーメンあれこれ (トマト豚骨、醤油豚骨、魚介豚骨、トムヤムクン)。トムヤムクンラーメンはもう少し甘ければ完璧、ほぼタイの味。
■THE FATTON 静大前店 (Map)
頻繁に限定メニューを提供してくれるお店。次郎ラーメンを彷彿とさせる定番ラーメンも好きですが、カレーラーメンが来たとなれば食べずにはいられません。ここのカレーラーメンはスープが香り高く、トロッとしたカレールータイプのスープとは異なりますが、しっかりカレー感がありました。これは定番化してもらいたい。
定番の汁なしラーメンと限定の冷やしあさりトマト。
■CoCo壱番屋・富士宮バイパス店 (Map)
3年前に食べたココイチのカレーラーメン。当時、期間限定だったと思いますが、かなり美味しかったです。今もやっているのかな。ベースはお店のカレーなのかもしれませんが、ちゃんとカレーラーメンに最適化されたスープのトロッと感がまた良くて、当時は個人的第一位でした。
■来来亭 (Map)
常設メニューだと思います。ドロッとしたカレールータイプのスープはスパイス感は良かったものの、とにかくしょっぱすぎました。日本の外食はカレーライスを含め全体的に塩気が強すぎますが、その最たるものだったなと。ラーメン二郎のしょっぱさはそれも個性と受け止められる自分ですが、来来亭のしょっぱいのはなんだかダメでした。気持ちの問題なのかな。
■カップ麺
お店のカレーラーメンより日清カップヌードル・カレーの方が美味しいだなんて言ったら、自らバカ舌だと宣言しているようなものなので、そこはグッと我慢します。あと、金ちゃんヌードル・カレーが意外に健闘していることを、関東以北の皆さんは知らないでしょう。
なぜか静岡では昔から現在まで、徳島製粉のCMがテレビでずっと流れています。金ちゃんヌードルも当然スーパーに常備されていて、大方の県民は日清カップヌードルよりも先に金ちゃんヌードルを口にしたはず。
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あらためてタイとインドネシアから、カレーラーメンを。カオソーイもラクサも、かなりレシピは固定化されていて、どこで食べても美味しいと思います。くらべてインドネシアのミーアチェは、やはりバンダアチェに行って本場の一皿を味わってほしいです。
ジャカルタでも何度か食べましたが、アチェの味には到底かないませんでした。噂によれば、今ではご禁制になった特別なハーブを、アチェではまだこっそり使っているのだとか、いないのだとか。。(あまりに美味しいのでみんなそう噂しているだけです)
■カオソーイ@タイ
今回、日本 (静岡) でも美味しいカレーラーメンが食べられることをあらためて発見しましたが、でもやはり、カオソーイの完璧な美味しさにはかなわないのかなと思ったり。トッピングのお肉はチキンかビーフ。やはりチキンが美味しいですね (下1枚目@バンコク)、ビーフも食べごたえがあって美味しいですが (下2枚目@ランパーン)。
■タイカレー+カノムジーン@タイ
カノムジーンは発酵させた米粉で作られた、そうめん風の生麺です。ゲーン (スープ/カレー) はお米だけでなくよく麺とも一緒に食べられていて、これもいわばカレーラーメンだなと。グリーンカレー、イエローカレー、レッドカレー (写真はレッドカレーベースの "ナムギャオ") と合わせた写真を。
■カレーヌードル@タイ
たぶん南タイ料理。マレーシアに近くなるせいか、グッとカレー感が増します。いわゆるカレー粉の香りが強く、においは本当に食欲をそそるのですが、実際に口にするとたいていターメリックが強すぎて苦みが勝っています。出汁感も薄く麺はビーフンで、あまり美味しいと思ったことはなかったかも。
■ミーアチェ@インドネシア
アチェ州のカレー系の麺料理。インドカレーとは異なりますが、スパイスがふんだんに使われ香り高くカレーっぽさを感じるので、カレーラーメンの部類としました。
汁なし・汁だく・汁ありとどれも美味しいですが、自分が一番好きなのは汁なし。でもそれを選んでしまうとカレー焼きそばになってしまうので、ここでは汁ありを選択。ただしそれだとカレー感がちょっと薄いので、カオソーイには勝てないかな。トッピングのカニ丸ごと1匹は唯一無二ですが。
■ラクサ@シンガポール
シンガポールラクサは当然シンガポール (またはマレーシア) が本場かと思いますが、自分は他所の国 (フィジー、タイ、ニュージーランド) でしか食べたことがありません。なのに、どこで食べても美味しいんですよね。ココナッツクリームが効いた香り高いカレースープは威風堂々、様式美すら感じます。
いつか新潟と北海道に行ってご当地カレーラーメンを食べてみたいです。