タシケントは大きなショッピングモールなどに映画館がそれなりにあって、スクリーンはそれほど大きくありませんが、映画好きとしてはありがたく思います。
ただし昨年も書きましたが (⇒コチラ)、ウズベキスタンで上映される映画はすべてロシア語吹替版なので、観たくても諦めた作品が何本もあります。
それでも、どうしても観たい映画、とくに続編になる作品は、若干のストレスを感じつつ、想像力と感受性をフル稼働して鑑賞しました。
2024年にこちらで観た映画は14本。今年はもうめぼしい作品がないので、一旦まとめます。あとは年末年始に日本で何本か観られたらいいな。
では、観た作品を順番に。日本よりだいぶ早いんですよね、公開されるのが。日本語吹替版はロシア語版より時間がかかるのかな? (丁寧に作られる?)
■アクアマン:失われた王国
前作を観たので、もちろん今作も。もともと海中シーンが多くCGがかなりの部分を占める作品です。ここまで来ると俳優の生身の演技は少ないのかも。ストーリー展開は少々雑ですが、サクサク進むのでテンポ良しということで、総じて面白かったです。
■オーメン:ザ・ファースト
去年観た「エクソシスト 信じる者」がオリジナルにくらべて残念な出来だったので (これは初代が偉大すぎる・・)、オーメンはどうかなと思いつつ観ましたが、こちらは名作ホラー映画の前日譚として、しっかり作り込まれていました。面白かったです。ちなみに日本で少し騒がれた例の出産シーン、ウズベキスタンはモザイクなしでした。
■デューン/砂の惑星PART2
2021年にタイで観た前作 (英語版)。続編はここウズベキスタンで観ることとなりました (ロシア語吹替版)。
今作は会話シーンも多めで、人物や各派の関係性などわかっていても、セリフがわからないため細かいところまでは読み取れず。
なので春に1週間、一時帰国した時に映画館でまた観ました。旧作のスティングとの決闘シーンも良かったですが、今回もすごかったです。
そしてつくづく、砂漠は美しかったです。実際に行ったら厳しすぎますが。続編 (完結編) が楽しみで仕方ありません。名作誕生の予感。
■鬼滅の刃:絆の奇跡、そして柱稽古へ
ウズベキスタンの映画館で観た日本のアニメは「すずめの戸締まり」「君たちはどう生きるか」に続いて3本目。もちろん今作もロシア語吹替版。マンガを読んでいたので (ちょっとうろ覚えでしたが)、ストーリーはほぼ問題ありませんでした。
しかし、やはりこの区切り方は、1本の映画としてどうなんでしょう。ファンにはありがたいですけれど。ウズベキスタンでもTVアニメを観ることができるのかな。あとは炭治郎の声。もう日本語のあの声・あのトーンが耳に馴染んでいるため、なんだかミスチルっぽいイケボだったのが、最後まで違和感ありでした。
■ゴジラ✕コング:新たなる帝国
前作「ゴジラvsコング」はもちろん、モンスターバースシリーズは1作目から観ているので、本作も観ないわけにはいきませんでした。
ロシア語でしたが、難しいストーリーなどないので、怪獣が豪快にバトルしているのを、何も考えずに楽しみました。
まあでも主役はキングコングでしたね。あの扱いではゴジラがちょっと不憫。ラストの巣ごもりゴジラは最高にキュートでしたけれど。
■猿の惑星/キングダム
猿の惑星シリーズ10作目、リブートシリーズの第4作。昔の初代作品は名作中の名作なので、惰性でこれまでほぼ全作観てきました。全部が全部おもしろいとは言いませんが、でも毎回一定のクオリティはあるので、やはり猿の惑星はやめられません。
今作もあまり期待していなかったのですが、思っていた以上に良かったです。今度はこういう展開なんだなと。最後は少し唐突でしたが、逆に新たな三部作の序章ということで、期待がふくらみました。
■マッドマックス:フュリオサ
前作「怒りのデスロード」がカルト的な傑作だったので、今回はあまりハードルを上げずに観に行きました。セリフもどうせロシア語だし。結果、良かったです、面白かった。今作はアクションシーンもさることながら、よりエモーショナルなストーリーだったなと。こういうのもアリですね、スピンオフ作品だし。
* * *
ここで、春と夏の一時帰国中に日本で観た映画をはさみます。ポスターも日本語版を。デデデデ前章、ルックバック、デッドプール&ウルヴァリン、インサイド・ヘッド2、ブルーピリオド、フォールガイ。
日本語で観られる安心感は格別。デッドプールなんかロシア語で観ていたらかなりチンプンカンプンだったかも。デデデデ後章を観ることができなかったのは今年最大の心残り。DVD出るのかな。(←いま調べたら12/04発売!)
* * *
■エイリアン:ロムルス
「エイリアン1」と「エイリアン2」の間の時代を舞台としたスピンオフ作品。エイリアンシリーズは当然のように全作観ています。
プロメテウスとコヴェナントのテイストがオリジナルとくらべて違和感があったので (人間視点のサバイバルホラー⇒エイリアン視点の創造神話)、今作はどうかなあと不安になりながら鑑賞。
結果、面白かったです!初期エイリアンのハラハラ・ドキドキ感がありました。こういうのでいいんですよねえ。
■ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ
ロシア語吹替版なので会話の細かいニュアンスはいつものごとくさっぱりでしたが、役者の演技がすごかったので、しっかりストーリーの流れはわかりました。
また、去年こちらで見た「リトルマーメイド」なんかとは違って、歌唱部分はオリジナル音声 (英語) のままでした。そして歌唱パートがずいぶん多い。
そのため、歌詞がキャラの心情や行く末を暗示するという、いわばミュージカルのような本作は、これまでロシア語で観たどの作品よりも、内容を理解できたつもりです。
とは言え、観終わった直後は「ナニコレ・・・?」とやや混乱しました。でも一晩明けてよくよく考え直すと、なんだか腑に落ちた点も。
それは、過去スクリーンに現れたジョーカーたち、そういった作品群の総決算になったのではないかということです。誰もがジョーカーになり得るというわかりやすい暗示。
■野生の島のロズ
まったく予備知識もなく、アニメだから観ておこうかという軽い気持ちで観ましたが、かなり良かったです。セリフはロシア語ながら、ほぼちゃんとストーリーが分かったのも、物語が普遍的で演出がしっかりしていたからでしょう。
後で調べたらロボットのロズを演じたルピタ・ニョンゴが絶賛されていたのですが、もちろんその声を聴くことは叶わず。ロシア語の声優さんもまっくた違和感なかったですけどね。
■ヴェノム:ザ・ラストダンス
前2作も観ましたが、ついにヴェノムも完結編。そうなるとファン向けにサービスカットが足されるし (悪ノリ)、ラストの展開は絶対に盛り上げなければならないし (初期設定無視)、最後はエモくしないといけないし (くどい) で、かなりいろいろ詰め込んだ印象でした。今さらの新キャラより、旧キャラ総動員でも良かったのに。
ラスボス (ヌル) は宇宙の果てに囚われているので、エディとヴェノムを襲うのは常に下っ端の怪物というのも、残念なポイント。強すぎる (しつこい) モブキャラって、観ていてイライラします。格上と死闘を尽くすのがヴェノムだったのに。悪役に何の思い入れもできなかったな。まあでも総じて面白い三部作でした。(←投げやり)
■グラディエーター2 英雄を呼ぶ声
前作 (2000年公開) とのつながりもあるということだったので、さすがにこれはYouTube動画で予習していきました。前作は観たけれど内容も忘れていたし。でも実際に映画を観て、やっぱり人間関係はよくわかりませんでした。監督が何を伝えたかったのかも。アクションは迫力あったので、いつかまた日本語で観よう。
■モアナと伝説の海2
個人的には1が神作だったので、今作はそのお釣りで十分楽しませてもらったという印象。相変わらず海はきれいだし (ちゃんと大洋州の海の色)、キャラクターも立っていました。ちなみに、マタンギ (Matangi) はトンガなどポリネシア諸語で「風」です。
「楽曲が良かった!」と言いたいところですが、ぜんぶロシア語だったので・・。英語版 (と日本語版) を観なきゃ。こちらのポスターのタイトル "MOANA 2" の "N" が "H" に見えるのは、キリル文字は "H" が "N" だから。
■ウィキッド ふたりの魔女
ウズベキスタンでは11月末から公開されています。予備知識なく、というか先々月くらいから映画館で上映前に流れていた予告編のみを観ていて、「魔法使いが出るファンタジーものかな?」くらいの感覚で映画館に行きました。
なので、元が有名なミュージカル作品ということすら知りませんでした。始まってすぐにミュージカル色が出たので、ミュージカル映画大好きな自分は「お、ラッキー」と内心小躍りでした。
というか、最初のアレは「オズの魔法使い」ではないですか。なるほどなるほど、ダブルで自分の好きなものだ。俄然楽しみになり、2時間半、すっかり映画の世界に没入しましたよ。(さすがにちょっと長かったけれど・・)
去年観たリトルマーメイドと同じく、歌唱パートはすべてロシア語版の歌詞でした。なので、せっかくのアリアナ・グランデの歌声も聴くことができず。シンシア・エリヴォも素晴らしいそうですね。今は本作関連の歌唱動画を観漁っています。
今年観た映画は、続編・シリーズもの・スピンオフ作品が多かったです。だからこそ、ロシア語吹替版でも観ようという気になったわけですが。少なくとも世界観はわかっているので。
しかし前作あるいはオリジナルとくらべてしまうと、どうしても後発作品は新鮮味に欠けインパクトが弱く感じることも事実で、あるいは逆に設定を盛りすぎ・凝りすぎてバランスが悪くなったりと、この点は制作側もさじ加減が大変です。
続編の方がむしろ面白い映画作品て、なかなかありませんね。と思っていたら、インターネットにまとめサイトがあれこれありました 。「史上最高の続編映画ベスト50」みたいなランキング。例えばコチラ (英語)。50本中40本観ていますが、これは納得。