「I Fine..Thank You..Love You」は2014年のタイのロマンティック・コメディ映画です。英会話講師プレーンの教え子でタイ語が話せないカヤがアメリカに転勤することになり、同じ職場の英語がわからないボーイフレンドのジムに別れ話を英語で録画し、プレーンに翻訳と伝言を頼んで去りました。
別れ話を聞かされたジムは、別れるきっかけとなったのはプレーンが英語を教えたからだと怒りました。カヤを追いかけてアメリカに転勤するため、プレーンに英語を教えるよう迫るジム。プレーンはいやいやながらも同意することに。
2人はカフェで授業を始めました。ジムは工場の整備員であり態度は粗暴。プレーンはジムに発音から教え、童話の絵本も題材に使っていきました。最初はジムの姿勢にあきれていたプレーンでしたが、影で努力していることを知ると、次第にジムのことを見直していきます。
その頃プレーンは英会話スクールの生徒であるプルークという男性に恋をしていました。プルークは温厚でユーモアがあり、ハンサムかつ家柄もよいという、全女性の憧れのような男性でした。
プルークはプレーンをヨットに招待したりカフェを貸し切ったり、彼もかなりぞっこんの様子。少々やりすぎなプルークに面食らいながらも、ふたりは付き合うようになりました。
一方、プレーンとジムは英語のレッスンを続けていく中で、お互いの優しさや真面目さに触れていきました。ある日、プレーンが通訳として呼ばれたパーティーに、英語を話すいい機会だと連れて行かれたジム。
バンドが歌う "Walk You Home" の歌詞をタイ語に訳すよう促されたジムでしたが、わからないところはプレーンに頼むと、まるでお互いに告白しているような雰囲気になってしまいました。
その日の夜、アメリカ転勤のための英語面接試験日が翌日であることに気づいたジムは、申請書を作ってくれるようプレーンに頼み、プレーンの家を訪れました。
パソコンを打っていたプレーンに、カヤからのビデオ電話が着信、そっとプレーンの横から離れるジム。カヤは、ジムがアメリカに来られるよう、面接試験の過去問 (会社の創業者の名前は?) を伝えてきました。カヤはまたジムに会いたいのだと言います。
カヤがすでに別の人と付き合っていることを知っていたプレーンは、思わず強い口調に。するとカヤは何かに気づいた様子で、「ジムを好きになったの?」と聞いてきました。
あわててパソコンを閉じるプレーンでしたが、思いつめたように「彼のことが好きなんだろ」と聞くジムに、試験に集中するよう諭すプレーンでした。
翌日プレーンは、プルークもいる英語のクラスで、1分スピーチの実演をしながら、プルークにだけはわかるよう、別れを告げました。その後、カヤから聞いた過去問を、泣きながらジムに送信するプレーン。これを見たジムはあわてて創業者の名前を確認するのでした。
英語面接が始まったジム。プレーンのレッスンを思い出し、なんとかうまく切り抜けました。面接が終わり席を立つと、これまでのプレーンとの思い出がよみがえります。
部屋を出る寸前、ジムに最後の質問が投げかけられました。答えを知っていたジムでしたが、返した答えは「ドラえもん」。ジムはアメリカよりもプレーンのそばにいることを選んだのでした。
コメディパートとロマンティックパートがちゃんとしていて、笑って泣けて最後は感動できる、非常に口当たりのいいライトなラブコメでした。嫌な人間が出てこないのも良い点。
いや、カヤ (蒼井そら) がちょっと嫌な役だったかな。嫌というか損な役回りでした。蒼井そらのバックグラウンドを織り込んだようなキャラクターも、それありきの起用のようでちょっと残念。
物語の冒頭、お互い言葉が通じないのにどうやって付き合っていたのかと聞いてきたプレーンに、カヤは「S○Xよ」という身も蓋もない言葉を発します。このキャラ、タイ人はどう受け止めたんだろう。
ふたりがお互いを強く意識するようになる歌 "Walk You Home" がいいですね。YouTubeで映画のシーンとともに観ることができます。