ラマダン中はイフタール (日没後の食事) の際まずデーツ (ナツメヤシの実) 食べるとお腹に良いとされており、イスラム諸国ではデーツの消費量が大幅に増えます。
デーツの販売が活発になり、ウズベキスタンもスーパーマーケットにデーツが山積みにされていました。それを見て久しぶりにデーツを大量買い。
あ、自分は断食していたわけではありません。単純にデーツが美味しいと思うだけです。中東時代にすっかりデーツが好きになりました。
■スーパーのデーツ (量り売り)
1キロ4万スム (480円) くらいのデーツが多いですが、15万スム (1800円) の高級品もありました (ショホナ/Shohona)。
ショホナってどこのデーツなんだろう。興味はありましたが、素性 (産地) がわからなかったので今回はパス。
量り売りだけでなく、箱詰めされた製品もいくつか売られていました (1箱450~500グラム)。その中から自分はイラン産の「ザヘディ (Zahedi)」を購入。
水分量12%以下の乾燥デーツで、堅めの羊羹くらいの堅さです。ドライタイプは甘さがマイルドなので、何個でもパクパクいけます。指先もベトベトしないのでありがたい。
さて、世界的にデーツ需要が増えていたからでしょうか、テイストアトラスに「サウジアラビア原産でもっとも美味しいデーツ8種」という投稿がありました。
自分もいろいろな品種を食べていますが、各デーツの説明を読んでみると、その味の描写が、やはり大変そうだなと。
以下、英文を翻訳してみました。次にデーツを買う時に、参考になれば。さすがにサウジアラビアに観光旅行に行く人は少ないでしょうが、ドバイあたりでもきっとこれらは買えるはず。
■アジュワ (Ajwa)
メディナの伝統的な品種。色は濃い茶色からほぼ黒色。食感はやや乾燥していて柔らかく、噛み応えがあり、フレーバーはプルーンに似ていてシナモン、キャラメル、蜂蜜の香りを伴う甘い味。
■アルバカヤ (Al-Bakaya)
高く堂々とした姿で知られる希少なナツメヤシ。実は傷みやすく、扱いが難しい。独特の風味と高い甘味で知られる。
■サファウィ (Safawi)
メディナの伝統的な品種。しわの寄ったデーツは深い黒色で、大きさは中程度から大粒まで。 食感は柔らかく、しっとり・もっちりしていて、味は甘い。
■ハラス (Khalas)
中東、特にアラビア湾岸諸国で高く評価されている高級デーツ。独特の甘い風味と濃厚でクリーミーな食感で知られる。中くらいの大きさで、熟すと黄金色から濃い茶色までさまざまな色になる。果肉は柔らかくしっとりしているため、そのまま食べるだけでなく、デザートや伝統的な料理に利用される。
■サガイー (Sagai)
アラビア半島原産の伝統的な品種。特にサウジアラビアで人気がある。ツートンカラーの先端は金色で乾燥しており、茶色い部分は柔らかい。乾燥部分はカリカリした食感で、ほんのり甘い。
■フドゥリー (Khudri)
サウジアラビア原産の伝統的な品種。他の品種より安価で、色は濃い茶色、皮にしわのある円筒形。 サイズは中型から大粒まで。食感は噛み応えがあり、風味はキャラメルの風味を伴う適度な甘さ。
■マブルーム (Mabroom)
サウジアラビア原産の伝統的な品種。形は細長く、薄赤から赤銅色の皮を持ち、粘りのあるキャンディーのような食感。冷蔵庫から出してすぐではなく、常温で楽しむのがおすすめ。ほんのり甘く滑らかで心地よい味わいで、トフィーの香りが長く残る。
■スッカリー (Sukkary)
カシームの伝統的な品種。デーツの中でも最も甘く柔らかい品種のひとつで、口の中でとろけるような柔らかさと言われることが多い。色は黄金色で、味は甘くてジューシー。ドライタイプにも。
以上、テイストアトラスの投稿でした。個人的にはアジュワが一番美味しいと思います。奥深い滋味があって。サウジアラビア以外ではなかなか手に入らないんですけどね。値段も高いし。サウジ人の一番人気はスッカリーでした。
自分も昔、デーツの食べくらべをしました。結局どれも「甘くて美味しい」という感想なのですが、無理やりレビューを書いた記憶があります。以下、過去記事の再録です (ブログ引越し時に削除していたもの)。
サウジアラビアのデーツ食べくらべ
5000年の昔から、ベドウィンの貴重な栄養源だったデーツ (ナツメヤシの実)。サウジアラビアはデーツの本場だけあって、スーパーマーケットでも様々な品種がお手頃価格で売られています。
長年中東にいながら、これまでデーツの食べくらべをしたことはなかったなと思い当たり、近所のカルフールで店頭に並んでいたものをすべて買ってきて、今回果敢にもトライ。ラマダン中なので普段より品揃えは豊富だったかもしれません。
買ったのはパック詰めされた完熟デーツ5種と (スッカリーは写真撮り忘れ)、箱詰めされた乾燥デーツ4種。さあどんな味だろうと興味深く食べ始めましたが、当たり前ですが基本は「甘い」のひと言に尽きます。
いざその味を表現しようと思うと、自分の感性とボキャブラリーではなかなか違いを言い表せません。味は確かに違うのですが、それを人に伝えるとなると、とても難しい作業だということを痛感しました。
■ハラス (720円/kg)
黒いハチミツのような味。こめかみがしびれるほど強烈な甘さ。柔らかい。小粒。
■スッカリー (540円/kg)
輪郭がはっきりした甘味。相当甘いがフルーティーで後味が軽くすっきりした甘さ。白くてカリカリになったところがとくにおいしい。
■セガイー (360円/kg)
黒糖のようなおだやかな甘さ。やや固め。もっさりしていて粘度は高い。深い滋味。
■フドゥリー (300円/kg)
上記にくらべたらだいぶ甘さ控えめ。プリンのカラメルみたいな味。苦いとまではいかないが、そんな後味あり。
■レズィーズィー (300円/kg)
フドゥリーに甘味とさらなる苦み、そしてわずかながら柑橘系の風味を足したような味。この中では一番小粒。
■スッカリー (360円/35粒)
乾燥とはいえ堅めの羊羹くらいのほどよい堅さ。完熟ものより甘さ控えめだが、強くすっきりした甘さは健在。ほとんどの粒に白くてカリカリになった部分があるのが嬉しい。
■ルシュディーヤ (360円/40粒)
色が赤く細長い。乾燥度高し。甘さほどほど。イタリア系ハーブというかやや薬っぽいような風味は他のデーツにはない特徴。
■ナブテ・アリー (360円/35粒)
乾燥度が高く、表面は石かと思うほど固い。噛んでいるとねっとりした甘さが広がる。後味はスッキリ。
■ロザーン (360円/42粒)
丸い小粒。舌にピリッと感じる刺激的な甘さ。味はいいが乾燥した表皮がパリパリしていて口当たりが悪い。
以上、デーツ食べくらべでした。一度に50粒くらい食べたので、顔がほてっています。この中で一番好みの味は、月並みですがやはりスッカリーですね。もちろん他にも1キロ3000円以上するデーツなどまだまだ種類はたくさんあります。高級デーツ食べくらべはまたいつの日か。
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※バンコクでは生デーツを時々買っていました ⇒コチラ