A Dog's World 

~海外で暮らす・日々の記録・旅の記憶~   

アラビア語の挨拶フレーズ集

ウズベキスタンの一般的な挨拶は「アッサローム・アライクム」。アラビア語 (アッサラーム・アライクム) と同じで、「あなたに平安あれ」というイスラム圏共通の挨拶です。

返答も同じフレーズですが、これがアラビア語の場合だと、返答の際は語順を反対にします (ワ・アライクムッサラーム)。挨拶は同じ語句を繰り返すのではなく、少し変えるのがより丁寧なわけです。

そのため、自分はふいに挨拶されるとつい「ワ・アライクムッサラーム」と言ってしまい、「ん?」という顔をされるまでがワンセットになっています。大抵の人は「アラブ人はこう言う」ということを知っていますけれど。

古いファイルを整理していたら、その昔作ったアラビア語の挨拶フレーズ集が出てきたので、はてなブログでPDFファイルを投稿 (共有) する方法の実践も兼ねてアップしたいと思います。今のところGoogleドライブでの共有しか方法はないようです。

特徴的なのは、とにかく挨拶のバリエーションが豊富なこと。そして神様がよく出てくること。例えば「おかげさまで」。日本語の場合、結局「誰のおかげ」なのかケースバイケースまたは判然としませんが、アラビア語は「神様のおかげ」なのが明白です。

こうして普段から日に何回となくアッラーと口に出していたら、それは身に染み付きますよね。なお、アラビア語は地域ごとに方言があり、この挨拶集はサウジアラビア時代に作ったので、発音と一部単語は湾岸方言になっています。

では、挨拶集のリンクと、過去記事の再録を。読み返してみると今のアラブとイスラエルをちょっと皮肉ったりもしています。

アラブの挨拶

イスラム教の聖典コーランには「挨拶を受けたときにはもっと丁寧な挨拶を返せ」と記されています。そのため彼らは挨拶の語句をそのまま相手に返すようなことはしません。

「アッサラーム・アライクム (平安があなたの上にあれ)」に対しては「ワ・アライクムッサラーム (そしてあなたの上にも平安あれ)」と返すのが一般的です。

また「おはよう」には「サバーハルハイル(良い朝)」「サバーハンヌール(光の朝)」「サバーハルフル("フル"という花の朝)」「サバーハルワルド(薔薇の朝)」など、いろいろな言い方があります。

ちなみに、ヘブライ語でこんにちはは「シャローム (平和)」です。イスラム教徒とユダヤ教徒、争いに明け暮れる人たち双方の挨拶が「平和」というのは、何かの皮肉でしょうか。

他には「マルハバ (こんにちは)」「マルハブテーン (返答/マルハバ×2の意)」、「アハラン・ワ・サハラン (ようこそ)」「アハラン・ビーク (返答)」なども日常的に使われます。

もちろん挨拶の後には「カイファ・ハーラック (元気?)」「カイファ・サッハタック (体の具合はどう?)」など決まり文句がひと通り続いていきます。

挨拶とともに相手の健康状態や家族の近況をたずねるのは、実はエチオピアも同じで、セム語圏というのは挨拶にかなり時間をかける地域なのかもしれません。

そういえば英語だって「Hello, How are you?」くらいはセットで言いますから、これに比べると日本語はずいぶんあっさりしています。「こんにちは、元気ですか」なんて言うとやはりちょっと不自然ですね。猪木かと。

一度、サウジアラビア人と仕事の進め方をめぐり口論になったことがあります。いくつもある教室に机とイスを運び入れる必要があって、次の授業の予定を考えたらすぐにでも作業を始めなければなりませんでした。

若いサウジ人教員たちは「本部に外国人ワーカー増援部隊を送ってもらうようレターを書くべきだ」と主張し、我々日本人は「今からサウジ人と日本人で一緒にやればすむことだ」と返しました。

結局、3日かけて現場ですべての作業を終えたのですが、箸より重いものを持ったことがない (?) サウジ人たちはよほど腹に据えかねたのか、1人が代表して自分のオフィスに苦情を言ってきました。

彼の文句はそのうちどんどん飛び火して、しまいには「あなたはアラビア語で “アッサラーム・アライクム” と言うけれど、本当はムスリム (イスラム教徒) ではないあなたが口にしてはいけないんだ」と感情むき出しでたたみかけてきました。

「力仕事は外国人ワーカーがやること」というサウジ人の主張は幼稚すぎて怒る気にもなれませんでしたが、この挨拶に関するひと言には「へぇ、そういう考え方もあるんだ」とちょっと驚きました。

何年かしてヨルダンに赴任しましたが、ヨルダンでは「アッサラーム・アライクム」はちょっとフォーマルな感じがするのか、普段はヨルダン人同士でも「マルハバ」と言っているのをよく聞きました。