ウズベキスタンの綿花生産は旧ソビエト時代に本格化され、ソ連が崩壊しウズベキスタンが独立して以降も、生産量は大幅に落ちたとはいえ、相変わらずウズベキスタンの主要換金作物として経済的に大きな意味を持ってきました。
しかし綿花生産に携わる労働者の勤務勤件が厳しかったことや児童労働が問題視され、国際人権団体がウズベキスタンコットンの不買運動を宣言 (2022年3月に停止)。そんなこともあってウズベキスタン政府は2015年以降、綿花主体のモノカルチャー経済からの脱却 (野菜や果実栽培の拡大) を実行に移しています。
2020年には国家による主要作物の作付け計画と生産割当て (State-order system) の廃止を命じる法令にミルジヨエフ大統領が署名し、綿花についてもこの国家命令制度は廃止されました。そのため国から土地を借りている農家は、代替作物やより収益性の高い作物を自由に栽培できるようになりました。
さて、そんなコットンですが、ウズベキスタンの日常でたびたび目にします。それは駅構内のレリーフであったり、蜂蜜であったり、はたまた博物館のディスプレイだったり。ウズベキスタンではコットンのことを「白い黄金 (oq oltin)」と呼ぶのだそうです。
■綿花畑@カラカルパクスタン
ちゃんとした畑は収穫した後だったので、研究目的で栽培されている畑の写真を。黄色い花がきれいでした。現地で摘んできたコットンの写真も。
■パフタコール駅レリーフ
ウズベク語でコットンは「パフタ (Paxta)」。パフタコールだと "栽培者" なんて翻訳になりますが、いずれにしてもコットン関係なのかなと。最近、このレリーフがコットンだと気がつきました (綿の房が開いた状態)。きっとそうですよね?
■綿花の蜂蜜
スーパーでよくみかけるコットンの蜂蜜 (パフタアサリ)。自分も買って、毎日食べています。風邪をひきにくくなるのだとか。
■産業展示@ウズベキスタン国立歴史博物館
博物館の3階は近代ウズベキスタンの紹介フロア。近代産業の立役者、コットンはこのようにディスプレイされていました。コットンと小麦、これぞウズベキスタン。