A Dog's World 

~海外で暮らす・日々の記録・旅の記憶~   

ウズベキスタン国立応用美術館

タシケントにある「ウズベキスタン国立応用美術館」は、1907年に建てられたロシア公使の私邸を利用した博物館です。ウズベク語名「Amaliy San'at Muzeyi (=Applied Arts Museum)」、地球の歩き方には「工芸博物館」とも記載されています。

もとが私邸なだけに規模は小さめですが、内部にはスザニ、伝統楽器、陶器などがたくさん並べられ、とくに布好きには見応え十分。入場料25,000スム/305円の価値、おおいにアリです。

建物に入るとまずは布 (スザニ=刺繍) の展示。いきなりテンション上がります。

スザニはちゃんと勉強してから良いものを買いたいなと考えています。パッと見、どれも良いんですけどね。

日本ではどこに敷くかという問題もあり、いずれ良いやつを買いたいけれど、その時は相当逡巡があるだろうなと。

二弦ギター「ドゥタール」(写真奥)、習ってみたいような気もしますが、かなり難しいとのこと。

シルクのカーペット。いつか製作現場を見てみたいです。

精緻な装飾がイスラムっぽい。

内部の壁も色鮮やかな装飾が一面に。

民族衣装ですかね。渋めの布地。でもきれい。

実はアンティークと言えるほど古いものではぜんぜんありません。でも味がありますね。

少し厚みのある刺繍。ブハラの物って書いてあったかな。

チェスはウズベク語でシャフマット (Shaxmat)。ウズベキスタンてチェス強いんですよね。ちなみにアラビア語ではシャトランジュと言います (下にチェスの過去記事抜粋)。 

女性のアクセサリー。これは中東と似ています。

もう少し説明書きがあればもっと楽しめたと思いますが、それでも小一時間、あっという間に過ぎました。お土産ショップもあるのでのぞいてみてはいかがでしょうか。

* * *

シャトランジュ(チェス)

チェスの起源は、インドで生まれた「チャトランギー」というゲームだそうです。それがペルシャを経てアラブに持ち込まれ「シャトランジュ」という名前になりました。ペルシャ語には「チャ」音がありますが、アラビア語にはないので「シャ」音で代用、「ガ」音も厳密にはないので「ジャ」音が代用されています。

ちなみに、イランと歴史的に関係が深いカタールやサウジアラビア東部地域では「カ」を「チャ」と発音する独特の方言があります。「サマク (魚) → サメチ」、「シュローナック (元気ですか) → シュローネッチ」など。

この地域はスンニー派が大勢を占めるアラビア半島にあって、実に9割の住民がシーア派ということでもその関係の深さがわかります。

チェスで「詰み」という意味の「チェック・メイト」を、アラビア語では「シャー・マータ (王は死んだ)」と言います (有名な辞書に載っていました)。

王様のことをアラビア語の「マリク」ではなくペルシャ語の「シャー」と言うあたり、チェスが東方からもたらされたものだと実感します。

今書いていてふと思いましたが「シャー・マータ」と「チェック・メイト」って発音が微妙に違うだけで実は同じ言葉を言っているのかもしれません。ただ、「チェス」という単語がどこで発生したのかはいまいち想像がつきません。

なお、チェスボードは8×8マスなので、駒の配置が左右対称ではありません (キングとクイーンは向かい合っています)。また、必ず白が先手なので、白が若干有利です。