A Dog's World 

~海外で暮らす・日々の記録・旅の記憶~   

春のスイーツ、スマラク

毎年、春分の日 (2023年は3月21日火曜日) に行われる春の祭典「ナウルーズ (ナヴルーズ/Navruz)」。古代イランに起源を持ち (ペルシャ語でノウルーズ=新しい日/新年)、広く中央アジアで行われる習慣です。

ウズベキスタンでは大統領令によってすでに3/20 (月)、3/22 (水) が公休日になりましたが、例年、ナウルーズを前後して1週間ほど休みを取る人が多いそうです。農業大国ですから、やはり春の訪れは特別な意味を持つんですね。

ウズベキスタンではこの季節に作られる特別なスイーツがあります。「スマラク」といって、発芽麦を煮詰めてトロトロにしたものです。先週、アライバザールで「あれがそう」と指差されて見たものは、なんだか全然ピンとこず。

屋台で売られていたそれは、寸胴鍋の前に芝生のようなものが置かれ、そして透明なカップには茶色いドロドロしたものがなみなみ。うーん、美味しそうには見えないし、いったい何味なんだ?と考えていましたが、あとで "麦芽糖" と言われたので、ああなるほどなと。

ということで、日をおいてアライバザールに行って買ってきました。小さいカップで10,000スム (120円)。値切る術もなく言い値で買ったので本来の値段かわかりませんが、まあそれほどボラれてはいないと期待。

パンに付けて食べると美味しいと言われたので、アライバザールでパンも調達してホテルに戻りました。パンというより、ビスケットというかスコーンというか、少し重ため・硬めのパンでしたが。

上で麦芽糖と書きましたが、麦芽糖ほどベトベトのしっかりした糖ではありません。優しい甘さ、ほどよい酸味、こうせん (はったい粉) のような風味。食感はトロトロで、人によっては「スマラクは飲み物」と言うのだとか。これは美味しいです。どこか懐かしさを感じる味というか。

このスマラク、食べるのはもちろんですが、作ることにもっと意味があるのだそうです。家族やご近所さんで集まり、夜通し大鍋をかき回しながら作るのが、昔から伝わる習わしなんだそうです。いつか体験してみたいですね。