A Dog's World 

~海外で暮らす・日々の記録・旅の記憶~   

肥満の国を渡り歩いてきました

ウズベキスタンのご飯は何を食べても美味しいので、もう少し痩せようとは思いつつ、いつもつい食べすぎて、体重はずっと高め安定。この1年、BMI は24でほぼ固定されています。

学生の頃は痩せ型だったんですけどね。働くようになって、どんどん体重は上昇を続けました。いま考えれば生活にストレスがかかる国が多く、食事が最大のストレス解消だったという一面も。幸い、どの国も食事は美味しかったです (エチオピアのインジェラも!)。

ときどき自戒をこめて、「世界肥満報告」みたいなレポートを探して読んだりしますが、最近読んだものによれば、やはりというか、自分がこれまで住んだ国々は、世界の中でもとくに肥満率の高い国でした。最初は中東。BMI地図を見ても目立ちますね。

たしかに太っているアラブ人は多かったです。ただ、見るからに不健康そうな太っちょは実はそんなにいなかったような気がします。みんなたくさん食べてしっかり太って一様に明るく、人生の当然の一部として食事を楽しんでいるようでした。

また、妻が痩せていると (標準体重だと)、それは旦那の甲斐性がない (稼ぎが悪い) と言われていました。エジプトのベリーダンサーも、三段腹が良いのだと教わりました。ふくよかな女性は豊穣の象徴でもあります。

太ることは正義というそんな環境にいたら、BMIが25どころか30でもまったく目立たないばかりか、「もっと太んなさい」と言わんばかりに、どんどん食べ物の差し入れをされるような日々でした。

以下、最新のレポートから抜粋した、過体重 (BMI 25-30)・肥満 (BMI 30以上) の上位国リストです。自分が住んだ国で言えば、エチオピア以外すべての国がいずれかのリストにランクインしていました (赤のチェックマーク)。※ウズベキスタンは除外

中東と大洋州は当然入っているだろうと思いましたが、あまり肥満のイメージがない東南アジアの国々も、肥満人口の急上昇というカテゴリーでリスト入りしていました。タイもぽっちゃりした子供はよく見かけたので、今後が心配です。

国の経済が発展し収入が上がると、まずはお腹いっぱい食べたくなるのでしょう。それは仕方ない。エチオピアだけは唯一のランク外ですが、それは実感として大いに納得です。太ったエチオピア人なんて見たことあったかな、くらいのレベル。

レポート名は「World Obesity Atlas 2024 (世界肥満地図)」(ダウンロードはコチラ)。サマリーとして、肥満は中所得国で多く見られるとのこと。低所得国は食事にも事欠き、高所得国はすでに意識改革ができているということなのでしょう。

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まずは成人。トンガが貫禄の1位でした。男性は肥満というより体格が良い人が多く、それはポリネシア人の遺伝的特徴と言われています。ラグビー選手に占めるポリネシア人 (トンガ、サモア、NZ) の割合は、母数の少なさに反して突出しているそうです。

なお、BMIは単に身長と体重の関係なので、脂肪で重いのか筋骨隆々で重いのかは不明です。まあでも脂肪なんでしょうね、レポートの趣旨からして。トンガ人も伝統食から輸入のコンビーフや冷凍肉に食生活が変わり、糖尿病が増えたと言われていました。

続いて子供の部。やはり1位はトンガ。子供の肥満は親の責任でもあるので、ちょっとかわいそうな気もします。栄養バランスの良い食事は返ってお金がかかるし、なかなか準備が大変ですけれど。

最後は肥満の増加率 (2000-2016年)。東南アジアが一気にランクインしているのは、おそらくここ20年の経済成長に比例しているのでしょう。インドネシアとタイがこの手のランキングに入っているとは想像もしませんでした。将来への警鐘ですね。

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以上です。ふり返ってみれば、自分は肥満の国ばかり渡り歩いてきました。そして各国で、美味しい食事 (主にB級グルメ) を堪能させてもらいました。誰もがよく食べる国で、周りの目を気にせずパクパク食べ続けていたら、それは体重も増えるわけです。

基本どの国も、痩せているよりは太っている方がずっと好意的に見られました。新型コロナ禍のタイでがんばってダイエットしたらちゃんと結果が出たのですが、在宅勤務が解除され久しぶりに出勤した際、スタッフたちから口々に「どうした?病気か?」と心配されてしまいました。

参考までにトンガ人の写真を1枚。こう見えてみんな身軽で踊り好き。体幹がしっかりしています。太っているけれど肥満ではない、という人も多いです。写真の過去記事はコチラ (トンガ国葬)