A Dog's World 

~海外で暮らす・日々の記録・旅の記憶~   

 肥満は富や美の象徴?

世界の肥満人口ランキングをネット検索すると、以前は次のようなランキング表がトップに出てきました。中東諸国とアメリカが上位、あとは中米など。しかしこれ、「ある地域」がすっぽり抜けています。どこかわかりますか?

そう、大洋州の島国が抜けているんです。以前は、この地域の統計が世に出ていなかったのかもしれません。最近は、次のようなランキング表がよく出るようになりました。圧倒的に大洋州が多いですね。そして中東、アメリカ、中米。

表の説明書きには、島嶼国が目立つこと、様々な要因として、食習慣の変化 (輸入食品・高カロリー・加工食品)、運動量の減少、遺伝的な体質 (もともと脂肪を溜め込みやすい)、大きい身体を褒め称える文化的背景などがあげられています。

大洋州には足掛け5年住んでいましたが、その頃、なんでもランキングのサイトが発表した「太った女性を褒め称える国トップ10」を見て、すごく納得したことを思い出しました。

トンガ語にはそもそもネガティブな意味での太い (=肥満) という単語がないそうです。「身体が大きい」という表現は、健康的でポジティブな印象。実際、昔は「筋肉質で固太り」がトンガ人の標準体型でした。

しかし近年は、コンビーフや冷凍羊肉など、安価でカロリーが高い輸入食品が広く食べられるようになったせいで、見た目は同じ「大きな身体」でも、すっかり肥満体型になってしまいました。

自分は大洋州の前は中東に長くいましたが、エジプトもヨルダンも、「太っていることは良いこと」と言う人が多かったです。サウジアラビア (の若い世代) は、もう少しフィットネスに関心が高かった印象。

以下、ランキングサイトの英文を直訳したものです。表現がきついですが、私見ではありませんので、悪しからず。

1位:モーリタニア
西アフリカの国モーリタニアでは、女性の肥満は美しさと富の象徴です。若い女性は、脂肪たっぷりのラクダのミルクを毎日飲んでいます。中には、体重を増やせず、食欲増進のために体重管理センターで定期的に抗ヒスタミン剤とステロイドを摂っている女性も。運動することも冷たい目で見られます。そして出産後、太いウエストを維持できずに離婚する女性もしばしば。

2位:ナウル
南太平洋の小さな島ナウルも、肥満が受け入れられています。そのせいもあって、31%という世界最高の糖尿病発症率です。この国の1万4,000人の人々は、肥満を美やたくさん子どもが産める体形と結びつけ、女性は出産に備えて太らされます。また、生鮮食品の輸入はコストがかかりすぎるため、ほとんどありません。安くて脂肪の多い食品ばかり、ニュージーランドやオーストラリアから持ち込まれています。

3位:タヒチ
タヒチは、丸顔とぽっちゃりした体の女性が崇拝されています。この国の肥満原因は、炭水化物やココナッツミルクなどの甘い物を普段よく食べるせいです。ちなみにタヒチはフランス領なので、フランス料理が主に食べられています。

4位:アフガニスタン
アフガニスタンは太った女性を、不妊の多い環境のせいもあって重宝しています。砂漠の中で必死に暮らしててきたため、女性の体重と妊娠を強く結び付けているのです。ただ、体のほとんどがブルカ(ヴェール)で隠されているため、女性の体形ははっきりと分からないようになっています。しかし、ふくよかで丸みのある顔立ちが強く好まれています。

5位:南アフリカ
南アフリカ人は、体重が減ると病気と関連付ける傾向があるため、痩せていることにネガティブなイメージを持っています。そのため、太った女性は健康的で経済的地位の象徴として愛され続けています。

6位:サモア
サモア人は第二次世界大戦後、タロイモや魚の代わりに加工食品を食べるようになってから、体重が増加傾向にあります。この肥満は最近始まったわけではありません。生物学的人類学者によると、サモア人は長年の食糧不足から、先天的に余分なカロリーを脂肪細胞に溜め込むようDNAにプログラムされているそうです。それで大柄な人が一般的となり、太った女性も「これが普通」と受け入れられているのです。

7位:ジャマイカ
ジャマイカでは、大きなお尻や下半身がとくに重視されています。そのため、女性の約65%は肥満です。理想的な女性の体型は、なんと医学的な理想体型のおよそ2倍。さらに、もっと体重を増やしたいと望む女性をターゲットにした、ピル市場も急成長しています。

8位:フィジー
南太平洋の孤島フィジーは、太いウエストの女性は健康でお金持ちで子どもがたくさん産める存在とあがめられています。フィジーの人々がほとんど肥満体質なのは、健康リスクに対する教育不足が原因です。しかし、この国で彼らは幸せに過ごしています。

9位:クウェート
中東のクウェートは昔から、砂漠の遊牧民達が太っていることは健康と富の象徴であると考えられています。そしてこの慣習は今も続いています。また、女性は家を飾るデコレーションと捉えられているため、大きければ大きいほど富裕ということになっています。ちなみに、死因の1位は心血管疾患で、15歳以上のクウェート女性の52%は肥満体質です。

10位:トンガ
南太平洋の小さな島トンガでは、体が大きい方が魅力的とされています。ちなみに、島の成人住民11万4千人のうち、肥満体質の人は約10万人も。北米肥満学会が2004年に発表した研究によると、トンガ人は遺伝的に肥満になりやすい体質なのだそうです。

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以上です。トンガのミスコン「ミス・ヘイララ」も他国にくらべたらふくよかな女性が多かったですが、審査のひとつであるダンスはみんなすごく優雅で軽やか、健康的で良い印象しか受けませんでした (⇒トンガの伝統文化)。(※写真はトンガの結婚式、みんな背中が大きい)