中央アジアの手延べ麺、ラグマン。お店によってはバシバシと麺を打つ音が聞こえ、厨房で麺を打っている様子がわかるお店もあります (写真はアンジール)。こういう光景を見ると俄然食欲がわいてきます。
Wikipediaによれば、ラグマンは拉面 (中国ラーメン) のルーツのようです。曰く、
『毎年中国の食品産量を計算する中国国家食糧局のサイトによれば、拉麺の麺は小麦粉・塩・水のみで作ることであり、陝西省・甘粛省から新疆ウイグル自治区にかけての中国西北部で伝統的に食されるラグマンに由来するとされる』
拉面には土地の名前を冠した「十大ラーメン」と呼ばれるものがあり、「蘭州ラーメン (兰州拉面)」もそのうちのひとつです。
蘭州ラーメンはシルクロードの重要な中継都市、甘粛省蘭州市発祥のラーメンで、歴史は唐の時代に遡ると言われます。イスラム的価値観に沿った清真料理の一つで、豚肉やアルコール、血を原材料としません。
タシケントではラグマンはもっともポピュラーなウズベキスタン料理のひとつで、いろいろなお店でいただくことができます。蘭州ラーメンも提供するお店が複数あり、自分もよく食べに行っています。
日本のラーメンは中国の拉面から独自進化を遂げたとよく言われますが、ラグマンも蘭州ラーメンも日本のラーメンも、それぞれに味わい深く、その美味しさは甲乙つけがたいです。
3つの麺のどれかを食べる時、ふいに他の2つのことを思い出し、漠然と歴史のつながりを感じるとともに、ちょっとした知的好奇心をかき立てられています。食事そのものが歴史の追体験というか。
下の写真3枚、Lagmon-La mian-Ramen、全部タシケントで食べられるという幸せ。どれが一番美味しそうですか?
■ラグマン@カラサライラグマン
■清湯牛肉面 (蘭州ラーメン)@シーベイ
■ラーメン@ドングリ
バリエーションで言えばラグマンは汁麺か炒め麺しかなく、また味付けもどこで食べてもほぼ同じなので、それもまたオリジンたるゆえんかなと思ったり。
麺なんて何味だって美味しいに決まっているのに、ここまでバリエーションがないのはむしろすごいことなのかもしれません。