A Dog's World 

~海外で暮らす・日々の記録・旅の記憶~   

シェフの気まぐれを楽しむ

その昔、学生時代にスーパーのお惣菜コーナーでアルバイトをしていたことがあります。メインはお寿司。繁忙期に手が足りなくなってくると、自分にもお稲荷さんや時には細巻きなんかも作れと、指令が飛んできました。

素人なりにご飯の量や力加減など気をつけて作っていたつもりですが、つくづく、毎回同じものを作る大変さを学んだ気がします。同じ見た目、同じ量、同じ味、これを継続することがいかに大変なことか。

そんな経験が大人になってから活きたのか、いろんな国で生活しながらレストランでご飯を食べても、「前に頼んだ時とずいぶん違うなあ」と思うことがあっても、「それはそうだよね、大変だもん」などと、むしろ違いを楽しんでいる自分がいます。

前より良くなっていればラッキーですし、悪くなっていても残念とは思いつつ、ブログのネタになるからいいや、くらいの気持ちの余裕はできました。実際、ジャカルタ生活中にあった事例を3つあげてみます。

①と②は、1回目に食べた時とくらべて2回目が残念だったケース。③は2人で同じものを頼んだら明らかに違ったもの。

①チーズの量が・・・②カレーの量が・・・③一緒に出すなら気をつけて・・・

さて、現在タシケントで暮らしていますが、レストランのクオリティーコントロールはとても良くできているように思います。とくにウズベキスタン料理は、お店による味の差異も少なく、どこで食べても一定の美味しさが保たれています。

そんな中、自分のお気に入りのひとつである、中国蘭州ラーメンのお店「シーベイ (Xibei)」、ここのククス (ウズベキスタン風朝鮮冷麺) は一味違いました。現在、タシケントに2店舗ありますが、1店舗目で最初に食べたククスの写真が次のもの。キンキンに冷えた甘酸っぱいスープと、太さ均一の極細麺が美味しかったです。

2店舗目のシーベイのククス。麺は同じ、スープの味も同じ。見た目は整っていますが、スープの量がだいぶ少なく、そこはちょっと不満でした。

再び1店舗目のククス。見た目がずいぶんきれいになっていたのと、こんどは麺が明らかに、ラグマンの手延べ麺でした。太さは均一ではなく、細いところと太いところが。ただし、普通のラグマンよりは細めに仕上げられていました。

そしてこれが、大当たり。もともとラグマンの麺はコシがあって大好きですが、さらに冷たいスープのため、よりしっかりした食感に。前に食べた時の麺がなかったのかはわかりませんが、今後もククスの麺はこれでいいと思える美味しさでした。

いつ行っても同じ味を安心して食べられるという楽しみ方もありますが、こうした変化 (シェフの気まぐれ?) もまた楽しいものです。さて、三度目の正直は、一体どうなることでしょう。