A Dog's World 

~海外で暮らす・日々の記録・旅の記憶~   

いいもの見つけた:ブリンザチーズ

スーパーマーケットに行くといつもチーズコーナーで立ち止まってしまいます。どれもこれも美味しそうで、片っ端から買っていってやろうか、などと鼻息を荒くすることもあったりなかったり。

ずらりと並ぶチーズには輸入品も多く、その値段はおよそ日本並み。手が出ないわけではありませんが、どうせならウズベキスタンの国産品を (手頃な価格で) 買いたいところです。

お店の奥の惣菜コーナーにもチーズの一画が。棚のチーズよりも本格的なチーズが揃っているような気がするし、大きなチーズをカットして小分け販売しているので、どちらかというとこちらの方が手が出しやすそう。

そして今回目をつけたのが「ブリンザチーズ (Bryndza/Brynza/Brinza)」。中・東欧で古くから作られ (起源は1370年のクロアチアという説)、主には羊乳を使うフレッシュチーズですが、国・地域によって製法は様々 (牛乳も使われます)。

写真はカルジンカ (Korzinka) のチーズコーナーです。ブリンザが数種類ありました。1キロ71,990スム/880円は比較的手が出しやすい価格。今回は緑 (45%) と赤 (30%) を購入しました。青は「しょっぱい」とのことだったので (by Googleレンズ翻訳)、パス。

それぞれ308グラム (22,173スム/270円)、362グラム (26,060スム/318円)。程よい大きさです。袋から取り出すときにポタポタとしずくが垂れ、モッツァレラと同じく水に浸して保管するフレッシュチーズだとここでようやく知りました (ブリンザは9%の塩水だそう)。

あらためて表示をGoogleで翻訳すると、羊乳ではなく牛乳 (Sigir Suti) でした。そのまま食べてみると、それほどクセもなく、安いモッツァレラのような味・食感でした。ミルクの風味はありますが、食感はちょっとスカスカというか、よく水を切った木綿豆腐というか、口の中でとろけるような感覚はありません。むしろずっと粒のままというか。

その昔、エジプトで食べた国産の安いモッツァレラチーズを思い出しました。モッツァレラってこんなものなのかなとグルメの友人に伝えたら、「本物を食べてください」と言われ、後年イタリア製のちゃんとしたモッツァレラを食べたところ、「ああ、別物だ」とその美味しさに感動した、なんてことがありました。

表示の30%と45%の意味は、乳脂肪分のことなのかと思いましたが、定かではありません。45%の方がまだボソボソ感が少なく、口の中でネットリする感覚もあって美味しかったです。30%も味はほとんど変わらないので、同じ味なら (きっと) カロリーの低い方を好む人も多いのかなと思いました。

その日の夕方、こんどは熱を加えてみました。オーブンがあればよかったのですが、ないので電子レンジで3分ほど加熱。形がくずれトロッとして、フォークで持ち上げるとビヨーンと伸びる期待通りの光景が。食感もまったく異なって、口の中でガムを噛んでいるようなしっかりした、表面はヌメヌメといい感じの食感に。

これは美味しいです。生のままでもいいですが、熱を加えて溶かして食べた方が、個人的には断然美味しいと思いました。写真でもわかるとおり、熱した後は水分 (塩水) がけっこう出ます。ここまでだとピザ用チーズには使えないかも (オーブンなら水分飛ぶかもしれませんが)。

インターネットであれこれ調べていたら、ブリンザをダイエットに使う実験をした論文もありました。中年女性を対象にした臨床試験で、結果としてはみんなに腸内環境の改善が見られたというような内容でした。1日30〜70グラム食べることで健康的な改善が見られるそうなので、これはいいものを見つけたなと。しばらく食べてみよう。

* * *

ブリンザというかチーズの起源として、アラビア半島のベドウィンが偶然生み出したものという説が根強くあります。動物の胃袋を干して作った水筒に羊の乳を入れて、一日中放牧を行っているうちに、自然とチーズが出来上がった (白い粒上のものが分離していた) というストーリー。イメージはきっとこんな感じ↓ (サウジアラビアのジャナードリーヤにて撮影)。