A Dog's World 

~海外で暮らす・日々の記録・旅の記憶~   

ウズベキスタンの伝説

古代の伝説によれば、主は創造した世界の土地をすべての民族に割り当てました。親切でフレンドリーなウズベクは、その場にいた全員に「お先にどうぞ」と言って道をゆずるのでした。

ついに彼の番が来たとき、主は彼に言いました。「息子よ、そなたは来るのが遅すぎた。私はすでに土地の割り当てを終えたのだ。そなたは一体どこにいたのか?」

ウズベクは天の御父に頭を下げ、胸に手を当てて言いました。「ああ、私たちの創造主よ!あなたは私に常に慈悲深く、隣人を愛することを教えてくださいました。ですからから私は、望む者全員に道をゆずったのです。そのため私は、あなたの目の前に現れた最後の者になってしまいました」

すると神の顔は明るくなり、純粋な笑顔が彼の顔を照らしました。「息子よ、ウズベク!そなたは純粋な魂を持った本当に寛大な人間だ。私は自分のために残した楽園のような土地を、そなたにあげよう」

そうして天地の創造主は、山から流れる二つの大きな川の間にある土地をウズベクに与えました。この土地がウズベキスタンです。

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ウズベクの語源

ウズベクの語源については諸説あります。 ひとつは、オグズ・ベグ (Oghuz Beg) としても知られる歴史的偉人オグズ・カガン (Oghuz Khagan) がウズベク (Uzbek) という単語になったという説。

また、テュルク語で "自己" を意味するオズ (Öz) と、称号であるベク/ベイ/ベグ (bek/bey/beg) から、独立した真の人間、または領主自身を意味するという説。

さらに、オグズ (Oğuz) から変遷したウグズ (Uğuz) という単語の変種 "Uz" が、"bek" という単語と結合し、「オグズの指導者」を意味するウグズベク (Uğuz-bek) →ウズベク (Uz-bek) になったという説もあります。

人名としてのウズベクは、12世紀のアラブやペルシャの文献に見て取れます。ジョチ・ウルス (キプチャク・ハン国) の第10代ハン「ウズベク・ハン (Özbek Khan)」(在位1313-1342年) の統治下に、ウズベクはこの地域の民族名として広く知られるようになったそうです。