ディズニーアニメの実写化映画は、2015年のシンデレラから、ジャングルブック、美女と野獣、ダンボ、アラジン、ライオンキング、ムーランなどを映画館で観てきました。これらはインドネシアかタイにいた時に観たもので、どれも音声は英語でした。
もし日本にいた時だったとしても、もともと洋画はオリジナル音声で観たい派なので、日本語吹き替え版では観なかっただろうなと思います。歌がある作品はなおさらです。DVDでは一応吹き替え版も観ますが、日本語でも (いや日本語の方が) 良かったのは、アナ雪1くらいでしょうか。
現在、いろんな意味で世間をにぎわせている映画「リトルマーメイド」ですが、あまりにも賛否両論なので、かなり迷いつつ、しかしそうは言っても天下のディズニー映画だし、これまで観た実写版はどれも良かったので、覚悟を決めてタシケントの映画館で観てきました。
案の定、映画が始まってものの数分で、「ああやっぱりロシア語か・・・」とがっくり肩を落としたわけですが、ストーリーはアニメ版を知っていたので大きな問題はなし。しかし、賛否両論の中でもそこだけは絶賛されている、肝心のアリエルの歌唱が、ロシア人の歌声になっているわけです。
英語の "Part of Your World" は耳に残っていましたが、ロシア語版では今ひとつピンとこず。もっとも、アニメの日本語版でもピンとはこなかったので、ロシア語では言わずもがなです。"Under the Sea" もそう。本当に、ロシア語の歌ではもうどうにもこうにも。。(アニメの日本語版も同じく)。
歌唱パートという感動ポイントが大きく削がれたことに加え、カニのセバスチャンも、思っていた以上にカニだったなあ。。カモメのスカットルも魚のフランダーも、その造形にディズニー的なデフォルメが感じられず、リアリズムとファンタジーが今ひとつ噛み合っていないような印象。陸上パートも含め、あまり子供向け映画という感じではありませんでした。
あとは海の表現ですね。昨年「アバター:ウェイオブウォーター」をIMAXで観ていたので、本作はどうしても見劣りするというか。。また、アニメですが「モアナと伝説の海」のように、ポリネシアの海と自然環境をしっかり再現していた作品は、こちらも作品世界にどっぷり浸れました。モアナの浅い海・深い海の色は、まさにトンガで見たそれでしたから。もちろん陸上の風景も (⇒コチラ)。
一方、本作は、海の暗さや時化 (しけ) 具合、さらには原作の舞台からして、ヨーロッパの北の海なんだろうとは思うのですが、陸上パートが、狭い領土のわりに人種が雑多だし、白砂のビーチがなんとなく南国を思わせます (南欧とかカリブとか)。ここはいったいどこなんだよと、その辺りの整合性が、実は意外と気になったりしました。逆に人魚は気にならなかったです (空想上の生き物なのでなんでもあり)。
あれこれ文句を並べましたが、そうは言っても北米では絶好調のようですから、自分なんかがどう思おうと最終的には大ヒット間違いなしでしょう。というか、歌唱パートを原曲 (英語) で聴かなければ評価のしようがないですね。いつか必ず英語版を観なくては。
ちなみに、リトルマーメイドで少しもやもやが残ったので、家に帰って久しぶりに実写版アラジンを観ました。うんうん、これこれ。"Do you trust me?" からの "A Whole New World" は、何度観ても感動します。個人的に好きな映画の相当上位。