A Dog's World 

~海外で暮らす・日々の記録・旅の記憶~   

ツタンカーメンの黄金のマスク

今日からちょうど100年前の1922年11月4日、考古学者ハワード・カーターらの発掘調査隊が、ルクソールの王家の谷でツタンカーメンの王墓を発見しました。黄金のマスクは、自分が中東に住んでいた当時、カイロの考古学博物館にありました (写真は当時のもの)。

3300年の時を超えてなお輝きを放つその荘厳な美しさは、やはり世紀の大発見と言うにふさわしいものですね。カタールから、サウジアラビアから、そしてエジプト滞在中、考古学博物館には何度も行きましたが、見るたび圧倒されていました。

以下、過去記事の再録です。もうだいぶ昔のことですから、今はさすがに警備員がバクシーシ (喜捨、施し、チップ) をねだることはないと思います。

エジプト考古学博物館とティナ・ターナー

言わずと知れた世界最高峰の博物館。何がすごいって、ミイラが無造作に山のように積んであるところでしょうか。とにかく収蔵品が多すぎて、どれも考古学上とても貴重なものにもかかわらず、「とりあえず並べました」的なあまりに雑な見せ方が、なんともエジプトらしいです。

それにしても、ツタンカーメンの黄金マスクをはじめ、世界的に有名な収蔵品がキラ星のごとく並んでいる、こんなに貴重な博物館なのに、警備の人間はいたってのんびりしています。というか、警備そっちのけでお小遣い稼ぎしているところが、これまたエジプト的。

館内は写真撮影はOKですが、フラッシュは禁止されています。日本人が写真を撮っていると警備の人間がスッと近づいてきて、「今フラッシュが光ったぞ、バクシーシ」とよく言われていました。博物館としての罰金ではなく、警備員個人に払うお目こぼし金。

オートで光ってしまう人がいるんでしょうね。ただ、光っていてもいなくても、関係ありません。自分がフラッシュなしカメラ (Pentax LX) で撮っていた時も同じように声をかけられましたから、完全にパターンになっていたわけです。

また、こちらが収蔵品の前で静かに見入っていると、「これは○○○の像だ、説明したんだからバクシーシ」と言ってきたり、とにかく何につけ「バクシーシ」と言ってきました。たぶん実際にお金を渡す観光客 (日本人) がそれなりにいるんでしょう。当時は博物館に行くたび、鬱陶しくて仕方ありませんでした。

カイロ考古学博物館には、世界的なスターもやって来ます。一度、館内でティナ・ターナーを見た時は感動しました。あの顔、あの服、あの髪型。両脇には黒服・サングラスの屈強なボディーガードが2名。誰が見てもティナ・ターナーだとわかる容姿。たぶん最初から隠れる気などまったくなかったようです。堂々とした振る舞いはさすがの貫禄でした。

※過去記事:エジプトの観光・娯楽