A Dog's World 

~海外で暮らす・日々の記録・旅の記憶~   

インド映画『RRR』を観て

数年前にDVDで「バーフバリ 伝説誕生/王の凱旋」を観てかなりおもしろかったので、同監督の最新作「RRR」を、期待しつつ劇場で観てきました。

感想としては、うーん、ちょっと、という感じ。バーフバリと同じく「ありえねー!www」というアクションはまあまあ良かったのですが、何しろ人が死にすぎました。

中国・韓国映画における日本人の扱いと同じで、インド人にとって、植民地時代のイギリス人は、いくら殺してもOKというのが、国民の共通認識なんでしょうか。

グローバルマーケットを意識して製作されたものではないのかな。欧米人は本作をどういう目で観るのでしょう。それにしても、これが2022年の作品なのかと。。

バーフバリは超B級大作でした。リアリティよりも超絶アクション、そしてトンデモ展開。それがあまりにも突き抜けていて、観ていて心地よかったし、快作だったわけです。

バーフバリでエンタメになっていたものが、本作では、史実をからめていることもあって、少しリアリティが出てしまいました。B級と言われたくなかったのかな。

なので、人が死ぬ様も、映画とは言え、どぎついんですよね。インド人の子供がイギリス兵をライフルで次々と殺していく。これに拍手喝采できる人、いるのかな (インド人以外で)。

最後の方の、暗い森の中での戦いで、オートバイをふり回してイギリス兵をバンバンやっつけていく、こういうありえない痛快アクションが、もっとほしかった。

銃ではなく人が武器になる、という台詞も、結局うやむやになってしまったし、暴力には暴力、銃には銃、そしてイギリス人ならいくら殺してもいい、という一点張りで通してしまった展開は、やっぱりちょっと平板でした。

エンドロールで、主人公たちが楽しげなダンスに興じていましたが、それでチャラになるわけないだろうと、やや呆然としながら観ていました。いやあんたたちさっきあんなに殺しといて、と思ってしまって。

バーフバリと違って、本作はシナリオに爽快感がなかったです (個人の感想ですが)。血だらけになるまで痛めつけられて、最後にイギリス兵を殺しまくって勝つ。まあそうなんでしょうけど、カタルシスは感じられなかったですね。

* * *

2014年にフィジーで観たインド映画「Kill/Dil」。この作品、冒頭で主人公がヒロインに会ってすぐ、「No Sorry, No Thank You」だよと言っていました。

これは、かの名作「Maine Pyar Kiya」の、サルマン・カーンの有名なセリフです。キルディルより20年以上前の映画なのに、未だにこうして引用されるんだなと、感動した記憶があります。

マイネピャールキャは大好きな作品で、未だに時々 YouTube で主題歌を聴いたりしています (⇒コチラ)。「Hits of 1989」というCDも持っています。

最近のインド映画も面白いですが、カタールとサウジアラビアに住んでいた時、よくインド映画をレンタルしていたので、その時代に観た映画はよく記憶に残っています。

個人的インド映画ベストスリーは、「Mother India (1957)」「Maine Pyar Kiya (1989)」「Chandni (1989)」(思い出補正込みです)。マザーインディアは、ヒロインのあまりに過酷な運命に、深夜一人で観ながら号泣してしまいました。