A Dog's World 

~海外で暮らす・日々の記録・旅の記憶~   

北アフリカ旅行(モロッコ、チュニジア、エジプト)

カタールから行った旅行。2週間かけてのんびり3ヶ国 (モロッコ→チュニジア→エジプト)。モロッコは映画「カサブランカ」の面影を求めて (実際には映画はアメリカでセット撮影されたものですが)、チュニジアは知人がいたので、エジプトは初めて本気で挑む観光らしい観光をテーマに。

モロッコ旅行

カサブランカのみ。ガイドブックは持たず、観光らしい観光もせず、いきあたりばったりで数日間町をブラブラしただけ。カサブランカは小さなドーハの町からくらべたらかなりの大都会でしたが、まだ裏路地には古いアラブの町並みがあって、散歩するだけで楽しかったです。新鮮な気持ちになりました。

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大通りで化石をたくさん売っていて、いくつかお土産に買いました。あ、大西洋を見に行きました。現地人の若者と知り合いになって車をチャーターしてもらって。その日は一日の終りに、彼に少しお金をあげました。というかはっきり請求されたので、むしろガイドを雇ったような格好になりました。まあいいんですけど、1000円とか2000円だったから。

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カサブランカで何を食べたんだっけな。たぶんアラブ料理だったはず。で、とくに目新しいわけでもないのでそんなに記憶にも残っていなという。。

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チュニジア旅行

チュニスの知人を訪ねました。車を出してもらってカルタゴの遺跡や地中海に連れて行ってもらったり、美味しいレストランやスーク (市場) に行ってもらって、ひととおり観光と買い物を楽しむことができました。3泊だったかな。チュニジアのいいところをコンパクトにギュッと見ること感じることができたので、とてもいい思い出に。未だにチュニジアは印象がいいです。また行ってみたい。カラスミも美味しかったです。

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チュニジアのカラスミ

カタールからチュニジアに旅行に行きました。カタールも同じように海に面した国ですが、やはりペルシャ湾と地中海の差なのか、どうもチュニスは空気感が違います。海の向こうはヨーロッパという意識がそうさせるのか、どこかキラキラしているような、まぶしさを感じました。カタールの海の向こうはイランだしそりゃ違うよなぁ、などと考えながら。

チュニスではいろいろなチュニジア料理を楽しみました。クスクスはもとより、焼きサラダ (火を通したトマトサラダ)、ブリック (トマトソースでソーセージなどを煮込んだもの) など、チュニジア在住の知人にそれなりのお店に連れて行ってもらったのもありましたが、どこで何を食べても美味しいものばかりで、はずれがありませんでした。ヨーロッパが近いと料理も洗練されるのでしょうか。

チュニスは本当に良い印象ばかりでしたが、市内のスークに行ったときも、カタールとは違っていわゆるお土産になりそうなこじゃれた物がたくさんあって、迷路のような小道を歩いているだけでも十分楽しめました。

スークを後にして、さて次はどこに行こうかと思ったとき、少し離れたところで何やら人の動きがあるのが見えました。別のスークかなと思って足をのばしてみると、そこは魚スークでした。生の魚もたくさん売っていましたが、気になったのは各屋台の軒先につるしてある茶色いものでした。

15センチくらいの細くて平べったい棒のようなもので、見た目にはサラミかタクアンのようでしたが、もしかしてこれがカラスミか、と思って店の人にたずねると、「サマク・ブーリー (ブーリー魚)」と言われました。「ブーリーってブリ?ボラ?」 一瞬迷いましたが、とりあえず5本ばかり買うことにしました。値段はよくおぼえていないのですが、1本500円から1000円くらいはしたように思います。

それを食べたのは、チュニスの後エジプトを10日ほど旅行してカタールに帰った後のことでした。やや堅くなってはいたものの、ねっとりした噛み心地と、鼻にぬける磯の香り、そして口中ににじみ出るおいしさは、まさにカラスミそのものでした。もっとたくさん買ってくれば良かったと、ここまで後悔したものは他にありません。

この旅行からちょうど10年後、エジプトに赴任しました。実はエジプトでもカラスミは売っています。「重金属がたっぷり含まれている」などと言われていたこともあってか、チュニスのカラスミより美味しいとは思いませんでした。もう一度チュニスに行ってカラスミが食べたいなぁ。っていうかそのお金があったら日本で高級カラスミが買えますけどね。

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初めてのエジプト旅行

初めてのエジプト旅行はカタール赴任中のこと。それはもうワクワクしながら行ったものです。ホテルも含めて何も計画せずに行ったので少し不安もありましたが、不安よりも期待の方が上回っていました。

カイロ空港に降り立ち、入国カウンターはどの方向だと通路でキョロキョロしていた時のことです。1人の女性がこちらに近づいてきました。首から何かIDカードを下げており、身なりはきちんとしたスーツ。

彼女は私の目の前に来ていきなり「パスポートを見せろ」と言いました。すっかり空港のスタッフだと思ってあわててパスポートを見せると、次に「ホテルはどこだ、ツアーは予約しているのか」と鋭い質問が飛んできました。

一瞬ドキッとしながら、「何も予約していない」と答えました。「では、こちらへ」と言うと、彼女はパスポートを手にして歩き出しました。こちらはもうついて行くしかありません。

ホテルは嘘でも予約してあると言った方が良かったかなと後悔しました。てっきり彼女は警察官で、ホテル予約もなしに来た旅行者に、何かペナルティーを科すのだろうと思ったからです。

しかし、それはまったくの見当違いでした。小さな部屋に招き入れられると、彼女はそれまでの冷たい表情をすっかり変え、急にニッコリ微笑んできました。そして、やおらエジプトツアーのカタログをドンと机の上に広げたのです。

「あ、そういうことか」 一瞬で理解しました。彼女は警察官ではなく、観光旅行の手配師だったのです (正確にはエジプト政府観光局職員)。彼女の押しの強さと自分の気の弱さからして、もう断るのは無理とあっさり白旗を上げました。

結局その事務所で、カイロ市内ツアー (考古学博物館、ムハンマドアリーモスク、ハンハリーリスーク、ベリーダンス付きナイル川ディナークルーズ、コプト博物館、他)、ギザとサッカラのピラミッド見学、ルクソール夜行列車の旅、アレキサンドリアバスツアーと、盛りだくさんのツアーを予約することになりました。

ホテルを含め全行程の予約と、その日カイロ市内に行くタクシーの手配も済ませました。値段については比較のしようがありませんが、それほど高いとは思いませんでしたし、何より自分1人でやったらとてもこんなアクティブには動けませんから、ここですべて頼んで良かったと今でも思っています。空港の入国手続き前にこんな客引き (政府観光局だけど) がいるなんて、他の国ではなかなかないでしょうね。

初めてのエジプト旅行は、やはり見るもの全てが新鮮で、毎日が驚きの連続でした。一番印象に残っているのは、カイロからルクソールに行った夜行列車です。グッスリ眠って翌朝に目を覚ますと、窓の外には延々と続く田園風景。朝靄が立ちこめ、朝日を受けて黄金色に輝くその景色は、今でも忘れられない光景のひとつです。

列車のコンパートメントで食べた朝食はいたって普通のものでしたが (クロワッサン、コーヒー、フルーツ)、殊の外美味しく感じました。振動・騒音も予想以上に少なくとても快適で、カイロで乗ったタクシーやバスとは大違いでした。カイロで見たピラミッドもかなり感動しましたが、ルクソールはその感動を大きく上回るものでした。

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※これ以降、エジプトにはなんだかんだ4回行って、あげく、仕事で3年滞在。観光地としては本当に筆舌に尽くしがたいほど素晴らしいんですけどね。

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