まるしまのおにぎり
年明けのこと、知人が鈍行列車で東京から大阪まで移動するというので、東京から静岡まで一緒に東海道線に乗りました。この路線、自分は学生時代に一度乗ったことがあるだけで、本当に久しぶりです。
高速バスの方が安いし早いくらいですが、たまにはいいですね、こういうのんびりした旅も。まばらに乗った乗客はみなどこか物憂げで、ついそれぞれのドラマを想像してしまいました。
静岡駅では知人も降り、静岡おでんのお店にご案内。「まるしまのおにぎり」は昔ながらのたたずまいのお店で、朝6時半から開いています。朝食 (ご飯、お味噌汁、おしんこのセット) が300円、おでんはどれでもひと串60円です。お赤飯のおにぎりも美味しい。
ちなみに静岡おでんとは:
①黒はんぺんが入っている
②黒いスープ
③串に刺してある
④青のり、だし粉をかける
⑤駄菓子屋にもある
冬に食べる熱々おでんはもちろんのこと、夏休みに川で泳いで身体が冷えた後に駄菓子屋で食べるおでんは、子供心に格別な美味しさだったなと思い出しました。
大やきいも
「まるしまのおにぎり」と同じく静岡駅周辺で地元民に愛されているお店「大やきいも」。創業からおよそ100年、昔懐かしい店構えで、木のぬくもりが広がるレトロな店内は、昭和中期の駄菓子屋といった風情のお店です。
そう、静岡では昔から、おでんは子どもたちが駄菓子屋で食べるものなんですね。もちろん、今では静岡の堂々たる地元グルメとして、お酒のお供としても確固たる地位を築いています。
おでん種の中でも特に有名なのが「黒はんぺん」。しかしこの言い方、静岡の人間にとっては若干の違和感が。
自分の体験談で言えば、東京の学校に進んだ際、阿佐ヶ谷のスーパーではんぺんを探したところ、白いはんぺんはあるものの、普通のはんぺんがないと不思議な思いをしたことがあります。
つまり静岡の黒はんぺんこそただの「はんぺん」であって、他県のものは「白はんぺん」であるというのが本音のところです。
まあ「黒はんぺん」で全国的に有名になってしまったので、これはこれでいいんですけどね。今では静岡でもあえてそう呼んだりするし。
ということで、「大やきいも」のおでん、そして黒はんぺん。昔ながらのほっとする味でした。これで1串60円ですからね。ノスタルジーと優しさにあふれています。
あ、お店の名前のとおり、本当はやきいもが大変有名なお店です。大学いもも外せません。作りたての大学いものなんと美味しいことか。ああまた食べたくなってきた。
※2018年の記事を編集再録。