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タイの世帯別月収

タイ政府の2019年報告によれば、タイの世帯別平均月収は次のとおりです。だいたい日本の5分の1。バンコクだけなら日本の3分の1くらいなので、物価が日本の3分の1と思っていた感覚はだいたい合っていました。

※単位:バーツ (1バーツ=3.5円)
※町=都市部、山=都市部以外(山間部・田舎)
※バンコク=バンコク首都圏(近隣3県含む)
※ソース:タイ政府統計局

全国平均:26,018 (町:30,747、山:21,871)
バンコク:37,751 (町:38,691、山:32,841)
中部:25,782 (町:26,840、山:24,960)
北部:20,270 (町:23,534、山:18,384)
東北:20,600 (町:25,750、山:18,294)
南部:25,647 (町:26,916、山:24,949)

日本円に換算 (カッコ内:年収) ※端数は丸めた
全国平均:91,000円 (1,092,000円)
バンコク:132,000円 (1,584,000円)
中部:90,000円 (1,080,000円)
北部:71,000円 (852,000円)
東北:72,000円 (864,000円)
南部:90,000円 (1,080,000円)

実はバンコクと地方部はもっと大きな差になると思っていたので、この数字は少し意外でした。バンコクには日本並みに高いショップやレストランがいっぱいあって、どこもタイ人でそれなりににぎわっているので、これではバンコクが低すぎるのではないかと。

業種別に見てみると、例えばバンコクでも単純労働者23,000バーツ (80,500円) から企業経営者65,500バーツ (230,000円) までかなり幅があります。経営者にもさらに大きな幅があるでしょう。別のソースで、タイは1%の富裕層 (50万人) が国全体の富の58%を保有するという報告もありました。実際には統計データ以上の格差があるのでしょう。

言い方は悪いですが、貧困地域の代名詞であるイサーン (東北タイ) はもっと悲惨かと思っていたら、数字上はそう極端に格差があるわけではありませんでした。北タイよりも少し高いくらいだし。ただ、収入の内訳を見てみると、やはりなかなか大変そうです。

イサーン
月収合計:20,600
-現金収入:16,376
(稼働所得:11,960)
(親族送金:4,276)
(その他_:140)
-非現金収入:3,799(住居賃貸価値)
-その他: 425

バンコクにもたくさんイサーンの人たちが働きに来ていますが、現金収入のうち、イサーンは送金で得る金額が他の地域にくらべて多いです。なので、地元で得られる現金収入だけを見たら11,960バーツ (42,000円) と、北タイよりもやや少ない数字でした。

もうひとつイサーンで気になるのは借金額。世帯別の借金額はイサーンの都市部が259,702バーツ (909,000円) と全国で最も高い数字でした。北タイの1.7倍、バンコクの1.4倍。何の借金だろう。詳細はわかりませんが、これも重くのしかかっていますね。

さて、1人あたりの収入になると当然数字はもっと下がるわけですが、バンコクの街角に乱立するマッサージ店の施術師の場合、月収は10,000バーツ (35,000円) 前後だそうです (固定給ではなく歩合+チップ)。25日勤務なら1日400バーツの計算。

日本人も多く住むスクンビットだとマッサージは1時間300バーツ (1050円) くらいなので、取り分にもよりますが (良くてお店と半々?)、1日に最低3人は施術したいところ。でも新型コロナの現状ではこれもかなり厳しいようです。

なお、タイの法律で定められた日額最低賃金は地域によって313バーツ (1096円) ~336バーツ (1176円)。1日7時間労働としたら時給160円くらい。日本の低い方の県の5分の1なので、設定額としては妥当なのかもしれませんが、かなり厳しい金額ですね。屋台でご飯を食べたら1食40バーツ (140円)~。

そんなわけで、せめて自分がマッサージを受けた時は多めにチップを渡そうと考えたりもしますが、他のお客に影響が出ても申し訳ないし、そこはなかなか塩梅が難しいところです (チップを釣り上げるなという無言の圧力が・・)。まあでも観光客ほぼゼロの今は特別ですよね。

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※↑今年3月末の様子、電気の消えたマッサージ店
※地方出身の施術師は2ヶ月ほど田舎に帰省していた
※7月頃ビジネス再開、しかし今も客足は戻っていない