A Dog's World 

~海外で暮らす・日々の記録・旅の記憶~   

The Promise(タイ映画)

「The Promise」は2017年のタイのホラー映画です。昔、一緒に死のうと誓った親友イブとの約束を守れず、ひとり生き残ってしまった主人公ブーム。20年後、ブームの娘ベルに襲いかかる亡き親友の見えない魔の手。果たして生き残れるのか、というお話。

鍵となる舞台は実在の "サトーンタワー"。BTSサパーンタクシン駅からもよく見えるこの47階建ての高層マンションは、チャオプラヤー川を見下ろす絶好のロケーションにありますが、途中で建築が放棄され廃墟ビルに。心霊スポットとしても有名なため、内部を撮ったシーンでは画面からうすら寒いものが伝わってきます。

コメディ要素は一切なし、ガチのやつ。化け物メイクの幽霊などは出てきません。娘を夢遊病にして首を吊らせるなど非常に陰湿なやり方。そう、ターゲットになったのはブーム自身ではなく、15歳になる娘のベルでした。親友が命を断ったのも15歳の時だったからでしょう。

娘のことになれば母は強い。ブームはサトーンタワーに乗り込みイブを説得しようと試みますが、自分はイブが見えません。なので、建設作業員の子供で霊が見える少年を連れていきました。怖くて泣き叫ぶ少年を怒鳴りつけ強引に建物の奥へ進むブーム。

ついにイブと対峙した際も、その姿はぼんやりとした影 (壁の染み) のみ。会話は少年が落としたビー玉の動きで。自分はこの方がよりリアルだなと思い、ゾクゾクが止まりませんでした。もっとはっきり化け物を見て "ギャーッ" と叫びたい層にはウケないかも。

結局、ベルが15歳になったその日の夜、ベルは監視の目をくぐり抜けサトーンタワーに行ってしまいます。追いかけたブームは途中でベランダから落下。ベルはかつてイブがそうしたように、自らを拳銃で撃つのでした。しかし。。。

結末はあれで良かったのかな。イブの魂はどうなった?ベルはあれでよかったの?ブームにとってわずかに希望が見えるようなエンディングだったけど本当にそう? ・・・個人的にはかなり救いのない終わり方でした。タイ映画の真骨頂ですかね、この後味の悪さ。

15歳のブームを演じたThunyaphat Phatrathinchaicherin (Namfah) が可愛かったです。儚げな表情が強く印象に残りました。大人ブームのNamthip Jongrachatawiboon (Bee) は強い母のイメージにぴったり。イブはPanisara Rikulsurakan (Care) が不気味な雰囲気を醸し出し、ベルのApichaya Thongkhamはいい感じの "ホラー映画顔" でした (目が小さめで少し離れている、見え方によって子供っぽかったり怖かったり)。

f:id:ishigaki10:20210508122733j:plain