A Dog's World 

~海外で暮らす・日々の記録・旅の記憶~   

バンコク心霊スポット7選

スワンナプーム国際空港:税関の柱

スワンナプーム国際空港に降り立つ外国人のほとんどは、空港税関の部屋の太いコンクリートの柱に隠された恐ろしい物語を知りません。

空港で働く人たちは、この部屋を中くらいの長さの髪の女性が出入りするのをよく見かけるという噂があります。これは、空港建設当時、柱の型枠の中に落ち、生コンクリートを注がれ絶命した女性労働者の幽霊だと言われています。

後に遺体は取り出され、柱は補修を受けたそうです。柱の表面が荒れているのが動かぬ証拠と言われていますが、逆に荒れているから何かあったのではないかと、後で物語が作られていったのかもしれません。

タイが面白いのはここからで、ピー (タイ語でお化けや精霊) を信仰する文化が根付くタイでは、幽霊もそのうち信仰の対象となり、「メーナーク・プラカノン」の事例よろしく、ここでも幽霊から宝くじの当選番号を得た人が何人も出たという噂が広まりました。

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タマサート大学:赤いエレベーター

1976年10月6日の朝、武装した警官隊と右派集団がタマサート大学に突入し、前夜から抗議活動を行っていた学生と左派市民に容赦ない攻撃を加え、多数の犠牲者が出ました (血の水曜日事件)。

学生グループが教養学部の建物にあるエレベーターを使って逃げようとした際、ドアがなかなか閉まらず、彼らは標的となってしまい、あたりは血の海になったと言われています。その後、なぜかエレベーターの扉は清掃しても血痕が落ちなかったので、扉は真っ赤に塗り直されました。

その後、赤いエレベーターでは、多くの教員や学生が、一人で乗っても人であふれているような錯覚を覚えると訴えました。時々アラームが鳴り、少人数なのに定員オーバーとみなされることもありました。

現在、扉はボルトで固定され、赤いエレベーターは稼働していません。タマサート大学で過去に起きた悲劇の記憶として、その姿をとどめています。タイのドキュメンタリー映画「パラドクソクラシー」では鎮圧当時の生々しい様子が語られています。

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廃墟ビル:サトーンタワー

BTSサパーンタクシン駅からあたりを眺めると、ひときわ目立つ高層ビルがあります。建設途中に放棄されたまま老朽化してしまったビル、サトーンタワーです。47階建てのこのビルは、1997年のアジア通貨危機のあおりを受け、オーナーが建設を諦めてしまったものです。

ほの暗くさびれた外観は、テレビ番組が撮影に来たり映画の題材になったり、バンコクではもっとも有名な心霊スポットと言われています。また、心霊マニアとともに多くの写真家を集めるフォトスポットにもなりました。

タイ映画「The Promise」はこのビルを舞台にしたホラー作品です。後味悪い系の秀作。

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ワット・マハーブット:メーナーク・プラカノン

メーナークはタイの歴史上もっとも悲しい幽霊の一人です。ワット・マハーブットに祀られ、なぜか今はギャンブルの神様として崇められています。

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サンティカバプ:死のカウントダウンパーティー

サンティカパブはエカマイ通りにある有名な高級ナイトクラブでした。しかし2008年12月31日夜に開催されたニューイヤーパーティーの最中、花火が原因で火災が発生、消火・防火設備の不備などで大勢の客が逃げ遅れ、その結果、67人が死亡、200人以上が重軽傷を負う大事故となりました。

この惨事には、不吉な前兆がありました。まず、その夜演奏していたバンドは "Burn"。さらに、パブはその後閉鎖する予定だったため、パーティーは "Goodbye Santika"と名付けられていたのでした。 

その後パブは解体され更地となりましたが、夜、大勢が苦しそうに叫ぶ声を聞いたという人が跡を絶ちません。また、深夜にここを走っている時、車を拾いたいように手を振っている人を見たというドライバーも多数いるそうです。

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バーンパコン川:自殺橋

日本の青木ヶ原樹海やサンフランシスコのゴールデンゲートブリッジなど、多くの国では人々が人生を終わらせるために赴く特別な場所がありますが、タイでは、バンコク郊外にあるバーンパコン川にかかる巨大な橋が、その場所のひとつです。

ここで亡くなった人々の霊は、同じことをするよう生者に呼びかけているようで、通行人に橋から飛び降りるよう呼びかける赤い服を着た女性を見たと主張する人もいます。

発端は、1930年代後半に橋を建設していた際、完成を見ないまま亡くなった労働者のこの世に対する未練が引き起こしたものだと言われています。成仏できず、その魂の怒りが生者に向かったのだそう。

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ワット・サミアンナーリー:黒いドレスの女

バンコクから北方に延びる線路の近くにあるワット・サミアンナーリー。タクシー運転手が寺院の近くで黒いドレスを着た2人の女性を乗せたところ、線路に連れて行くよう頼まれ、目的地に着いて後ろを振り向いたら2人は消えていた、という経験談がよく聞かれるそうです。

この女性は、ディーゼル列車に巻き込まれて亡くなった2人の姉妹だと言われており、空になった後部座席から恐る恐る前を向き直したタクシー運転手は、女性の胴体2組が線路を這っていくのを目にするのだそうです。

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