A Dog's World 

~海外で暮らす・日々の記録・旅の記憶~   

バンジャルマシン旅行記(インドネシア)

バンジャルマシン(1) リバーシティー

"リバーシティー" あるいは "東洋のベニス" などとも呼ばれる南カリマンタン州の州都バンジャルマシンは、町の中を縦横無尽に川が流れ、人々の移動手段として忙しそうにボートが行き交っています。

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川に張り出した家並みは、近づいてみると思っていたよりは快適そう。川とともに暮らす生活スタイルは、記憶の底にあったアジアの風景を思い出させてくれます。泳ぐのもトイレも洗濯も歯磨きも一緒くたなんですけどね。

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バンジャルマシン(2) 町の風景

今日はバンジャルマシンの町中を、徒歩、ベチャ (自転車タクシー)、オジェッ (バイクタクシー) などでぐるぐると周りました。町の見どころとしては次の3つ。

①スルタン・スリアンシャ・モスク (Masjid Sultan Suriansyah)
南カリマンタンで一番古いモスク、300年以上前のもの、緑色で可愛い。

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②サビール・ムフタディン・モスク (Masjid Raya Sabil Muhtadin)
1981年に完成したインドネシアで二番目に大きいモスク、スタイルはモダン。

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③ワサカ博物館 (Museum Wasaka: Waja Sampai Kaputing)
バンジャルマシンの12の伝統家屋のうち "Bubungan Tinggi" スタイルの建物、今は博物館として利用。

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バンジャルマシンの名物料理といえば、ソト・バンジャル。ソト・アヤム (チキンスープ) と何が違うのかよくわかりませんが、ロントン (お米をギュッと固めたお団子) が入っているのが特徴なのかな。味はあっさりめのチキンスープ。美味しいです。

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今日行ったお店、店名がそもそも "Sate Kijang (鹿肉のサテ)"。これは頼まないわけにはいかないでしょう。とっても美味しかったです、鹿のサテ。豚、鶏、牛、羊、そのどれとも違う味でした。

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途中で喉が渇いたのでパパイヤジュースを買って飲んだらメチャメチャ甘くてさらに喉が渇くはめに。

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その後はローカルマーケットをぶらついてみたり、ベチャのおじさん大変だなと思ったり、巨大なサルの像を見つけて驚いたりした一日でした。ちなみにベチャは車の走行を邪魔しているとしか思えないのですが、今日はついに一度もクラクションを聞くことはありませんでした。バンジャルマシン人は大人だなと思いました。

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バンジャルマシン(3)フローティングマーケット

本日は朝5時半、ホテル前ボート乗り場発、まだ暗いうちからボートに乗ってロクバインタン水上市場 (Pasar Lokbaintan) へ。英語ではフローティングマーケットと言いますが、売り子さんたちがそれぞれボートに商品を積んでこちらの船に寄ってきます。地元民同士では物々交換もありなのだとか。風情があっていいですね。自分はビンカというバンジャルマシンのお菓子を4個45円で買いました。

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7時半くらいにはもう市場を出ました。ホテルに向かう帰路、どの家でも朝の水浴 (マンディ)、洗濯、歯磨きに忙しそうでした。昨日見た巨大なサルの像、口の中にノズルが付いてるなあと思っていたら、大量の水を噴射していました。マーライオン的な? 8時半ホテル帰着。朝食ビュッフェ食べて少し寝る。

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バンジャルマシン(4) 島巡り

お昼は昨日とは別のお店でソト・バンジャルを。ご飯とロントンを選べたのでロントンを入れてもらいました。小さく切ってあったので食べやすかったです。やっぱりソト・アヤム (チキン・スープ) とは味が違いますね。見た目もちょっと濁っている。なんだかコクがあるのだけれど、何なのかはよくわかりません。でも美味しいな。

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午後はボートをチャーターしてまずはクンバン島 (Pulau Kembang) へ。川を行く道中、ずっと左右に民家が軒を連ねていて、住民の私生活を延々のぞき見しているような妙な感覚になりました。また、とにかくたくさんモスクがあるのが興味深かったです。

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クンバン島は猿が300匹いる無人島です。今は上陸地点に管理小屋があって入場料が7,500ルピア (65円)。案内人のおばちゃんが早足&早口 (インドネシア語) でずっと先導してくれるので、猿見学お散歩コースは一周5分くらいであっさり終了。

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次は、テングザルを見るべく、目指すはカゲッ島 (Pulau Kaget)。エリアとしてはバンジャルマシンを出て隣のマルタプラになります。少し遠出になるので、川の周囲の景色も都会のそれから田園風景そのものに変わってきました。

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カゲッ島は自然保護区に指定されており、面積85ヘクタールの自然環境の中に、カリマンタンのみに生息している絶滅危惧種のテングザルがいます。川の畔に建てられたあの口から水を噴射する巨大なサルこそ、南カリマンタン州のマスコット、テングザルだったんです。

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ツアコン曰く、午後のこの時間はテングザルが樹に登ってエサ(木の実、木の花)を食べるので目撃率が大いに高まるとのこと。実際そのとおり、すぐにふたつの群れに遭遇することができました。ひとつの群れはボスザルを中心に6匹だそうです。しかし70mmレンズでは辛かった。望遠レンズ持ってくれば良かったなー。

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帰りはちょうど夕暮れ時。子供ばかりか大人までも、水遊びや水浴を楽しむリラックスタイムでした。気持ちよさそうだったなあ。

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夕食はまたSate Kijangでソト・バンジャルを食べました。うん、やっぱりソト・バンジャルはこういう味なんだな。何が違うかわからないけれど、やっぱり他のスープとは違ってちゃんとソト・バンジャルの味だ。白濁しているし。ちなみにいつも一人の食事ですが、今日は隣の椅子にずっと猫が座っていたのでさみしくなかったです。

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バンジャルマシン(5) ダイヤモンド採掘場

朝食は町に出てソト・バンジャルをいただきました。土曜日なので町は人出でにぎわっています。昨日は閉まっていた中国寺院が開いていたので中をのぞいてみました。通りの喧騒とはうってかわって、中はしんと静まり返っています。イスラム色が極めて強いバンジャルマシンですが、自分がいる場所を一瞬忘れそうになりました。ホテルに戻ってタクシーをまっている間、毎日やっている楽団の生演奏を聞いて穏やかな気持ちに。

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世界を見渡してもダイヤモンドが産出する地域は限られていますが、実はここ南カリマンタンもそんな希少な場所のひとつ。本日の目的地はバンジャルマシン市のお隣、バンジャル県マルタプラ郡チュンパカ (Cempaka)。チュンパカ地域にはさらにたくさんの小さな村があって、訪れたのはポンポンという名前ののどかな村です。

ここでは11グループが採掘を続けていて、機械掘りと手掘りの両方を見ました。機械掘りといっても最後は手作業で貴石を探します。どんどん掘るせいか足場が悪く、3ヶ月前にも土砂がくずれて一人亡くなったそうです。狙いはダイヤモンドと砂金。それほど儲かる仕事ではないそうです。一発当てたらでかいんですね、きっと。

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一方の手掘りグループは、もう30年この仕事を続けているというファミリー。1ヶ月で10メートル掘ったそうですが、ダイヤモンドが出る地層にたどり着くまでさらに10メートル掘り進めるとのこと。掘る前は地鎮祭を行ない、ダイヤモンドが出たら山羊をさばいて神様に捧げるそうです。土地のオーナーに売上げの20%を納めると聞いて、やはりどの国も地主は強いなあと思いました。

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採掘の見学を終えると、村の茶屋で案内人にコーヒーをご馳走になりながら、あれこれ石を見せられました。お決まりですね。そしてついつい見入ってしまう自分。これもいつものパターン。石とか好きなんですよね。

その後はガイドが 「ダイヤモンド研磨を見学する」 と言って、マルタプラの町に戻ってきました。ですが、町をぐるぐる走り回って一向に現場に着きません。何度か車を止めて場所を聞きながらも、30分以上うろうろしていました。ようやくたどり着いたその先は、自分が想像していた 「研磨工場」 などではなく、村の研磨職人の家でした。

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アハマドさんはこの道50年のプロ研磨職人。しかし彼の仕事場は 「工房」 などとはほど遠い、普通の小部屋。道具もなんとも古臭い。けれどもその腕を買われて注文はひっきりなし。今でも年間で休むのはわずか7日間とのこと。この日磨いていたのは写真の2カラットと1カラットのダイヤモンド。個人からの発注だそうです。

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豆知識:ダイヤを磨いたあとはお米の粉をかけて揉むときれいに汚れが取れます。

バンジャルマシン(6) マルタプラの町

ダイヤモンド採掘見学を終え車で移動中、ダイヤモンドをモチーフにしたモニュメントが目に飛び込んできました。マルタプラの町のシンボルです。

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お昼に食べたものは地元特産のハルアンという淡水魚のグリル。これ、かなり美味しかったです。そりゃあ猫も横から離れません。尻尾とか骨とかあげました。つけ合わせの野菜はキャッサバの葉っぱ。これは苦い。

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屋台街のあるこの場所がちょうど町のセンターのようで、横に大きな市場がありました。昔ながらの市場の方には食材、特に魚がたくさん。活魚も干物も。市場でガイドがわざとらしくハルアン (写真の黒い魚) を指差して 「これは何だ?」 と自分に聞いてきます。こちらが 「ハルアン」 と答えると、売り子たちからどよめきが。ガイドはこれが面白いらしく、全部で5回くらいやらされたかな。

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モダンなマーケットもあります。もちろん金や宝石もたくさん。市場に隣接して立派なモスクもありました。きれいですね。社会科見学なのか学生がたくさんいました。

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ちなみに、チュンパカ (Cempaka) とは花の名前です 。英名 Magnolia Champaca、和名キンコウボク。見た目は華やかではありませんが、しおれてもなお強い香りを放つ様から、バリ島では女性はかくあるべきと言われているそうです。

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バンジャルマシン最後の晩餐は、結局今日も Sate Kijang。他に適当なお店がないのと、やっぱり鹿のサテが美味しいから。ソースが単純なピーナッツソースではなく、なんとも奥深い味なんです。レシピが知りたい。店内は店名 (Kijang=鹿) にかけて映画ディアハンターのポスターが貼ってあったりして意外とモダンです。おすすめのお店なんですが、3日間、他にお客を一人も見なかったのはなぜだろう・・・。

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バンジャルマシン(7) モダンな町並み

日曜の朝、今日もテングザルが勢い良く水を噴射していました 。人々は川沿いに集い、集うからこそ何かしらイベントもあり、こうしていつもみんなにぎやかな週末を過ごしているんだろうなと。

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これまでバンジャルマシンの観光的な要素を紹介してきましたが、普通に都会の顔も持ち合わせています。ドゥタモールにはショップやレストランが入り、生活の便利さもあります。

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町には車とバイクがあふれていますが、けっして不用意にクラクションを鳴らさないマナーの良さには感心しました。歩道や並木もあってとても歩きやすかったです。

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一方、イスラムがとても強い地域なので、アルコールを飲める場所はごく一部のホテルに限られています。町は健全そのもの。ここが気になる人は、たぶんバンジャルマシはつまらないでしょうね。実際ほとんど外国人観光客は見ませんでした。

カリマンタンと言うよりボルネオと言った方がピンと来るかもしれませんが、やはりここの日差しはきつかったです。肌がジリジリと焼けるよう。すっかり日焼けしてしまいました。自分も川に飛び込みたかった!

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バンジャルマシン(8) ローカルフードまとめ

最後にバンジャルマシンで食べたもののまとめを。

ソト・バンジャル (Soto Banjar)
どの旅行ガイドにもまずこれを食べろと書かれています。ソト・アヤム (チキンスープ) にひと味コクを足したようなスープ。1枚めからSate Kijang、Kuwin Jaya、Pondok Bahari。スープの味はKuwin Jayaが一番美味しかったですが、揚げポテトが入っていなかったのが残念。トータルでSate Kijangかな。

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クトゥパッ・カンダンガン (Ketupat Kandangan)
南カリマンタン州でも料理が美味しいことで有名なカンダンガン地方のひと皿。たぶん写真のこれで合っていると思いますが、お店 (Lontong Orari) での品名は特にありません。載せる具 (ハルアンという地魚かチキンか煮玉子か) のチョイスが壁に書かれているだけ。ココナッツカレーの濃厚スープに甘辛チキンが絶妙にマッチ。とびきり美味しかったけれど、カロリー高そうだな。

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ナシ・クニン (Nasi Kuning)
直訳すればイエローライス。インドネシア各地にありますが、バンジャルマシンでも地元料理として紹介されています。ウコンの軽い苦味が新鮮。Pondok Bahariで食べましたが、甘辛チキンとよく合いました。Pondok Bahariは店内に招き猫がたくさん置いてあります。外には人の背より大きな招き猫も。

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ハルアン (Haruan)
地元特産の淡水魚。とっても美味しい魚です。市場でも生きたまま売られています。というかこうして地上でも長い間生きていられるくらい丈夫な魚なんでしょうね。と思って調べたら雷魚って出てきました。ハルアンのグリルを食べたお店ではジャックフルーツとカボチャのスープもいただきました。これも美味しかったなあ。

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やっぱりサテ・キジャン
鹿肉のサテは初めて食べましたが、肉自体も美味しいし、濃厚ソースがとにかく美味しかったです。結局3日連続で食べてしまいました。あとこのお店ではソプ・キジャン (鹿肉のスープ) とソプ・アヤム・カンプン (地鶏のスープ) もいただきました。こちらもなかなか美味しかったです。

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スイーツ
いくつか名物お菓子があるのですが、結局ビンカ (Bingka) しか見つけられませんでした。ひとつは水上マーケットで、もうひとつは町のお菓子屋さんで。たい焼きの生地がものすごくウエットになったような食感。どちらも甘さ控えめで美味しかったです。

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おまけ:出発前のドタバタ

この4連休は、本当ならもっと有名でベタな観光地に行きたいと思っていました。でも、いつものごとく飛行機の予約に出遅れ、チケット代は軒並み2倍以上に。自分自身に舌打ちしつつ、半ばやけくそでバンジャルマシンに決めたようなところがありました。

そうはいってもいろいろ調べていくと、バンジャルマシンもそれなりに見どころはありそう。だんだん楽しみになってきて、出発当日はうきうきしながら家を出ました。ところがです。

夕方18:35の飛行機に乗るため16:00前に町を出たのですが、なんとまさかの大渋滞。空港には18:00に着けばなんとかなるだろうと思いつつ、焦りはつのるばかり。どんどん時間が過ぎていき、結局、空港到着は18:30でした。

連休のため空港は人でごった返しています。チェックインはオンラインで済ませていました。預け荷物はなし。ダメもとでゲートまでダッシュ! そうしたら、なんと、間に合いました! もちろん自分が最後の1人。申し訳ない・・・。でも空港全体がすごく混雑していて、飛行機もなかなか飛び立てなかったみたい。

ということで、あやうく行けなかったかもしれないバンジャルマシン。実際に行ってみて、個人的にはインドネシアおすすめ観光地第1位となりました。本当に良かった。