A Dog's World 

~海外で暮らす・日々の記録・旅の記憶~   

砂金&ダイヤモンド採掘場@バンジャルマシン

1月24日「ゴールドラッシュの日」にちなんで、過去記事「バンジャルマシン旅行記 (インドネシア)」から、砂金とダイヤモンドの採掘場を見学した部分を抜粋、再録 (写真を少し変えました)。

バンジャルマシン(5)砂金&ダイヤモンド採掘場

朝食は町に出てソト・バンジャルをいただきました。土曜日なので町は人出でにぎわっています。昨日は閉まっていた中国寺院が開いていたので中をのぞいてみました。通りの喧騒とはうってかわって、中はしんと静まり返っています。イスラム色が極めて強いバンジャルマシンですが、自分がいる場所を一瞬忘れそうになりました。ホテルに戻ってタクシーをまっている間、毎日やっている楽団の生演奏を聞いて穏やかな気持ちに。

世界を見渡してもダイヤモンドが産出する地域は限られていますが、実はここ南カリマンタンもそんな希少な場所のひとつ。本日の目的地はバンジャルマシン市のお隣、バンジャル県マルタプラ郡チュンパカ (Cempaka)。チュンパカ地域にはさらにたくさんの小さな村があって、訪れたのはポンポンという名前ののどかな村です。

ここでは11グループが採掘を続けていて、機械掘りと手掘りの両方を見ました。機械掘りといっても最後は手作業で貴石を探します。どんどん掘るせいか足場が悪く、3ヶ月前にも土砂がくずれて一人亡くなったそうです。狙いは砂金とダイヤモンド。それほど儲かる仕事ではないそうです。一発当てたらでかいんですね、きっと。

一方の手掘りグループは、もう30年この仕事を続けているというファミリー。1ヶ月で10メートル掘ったそうですが、ダイヤモンドが出る地層にたどり着くまでさらに10メートル掘り進めるとのこと。掘る前は地鎮祭を行ない、ダイヤモンドが出たら山羊をさばいて神様に捧げるそうです。土地のオーナーに売上げの20%を納めると聞いて、やはりどの国も地主は強いなあと思いました。

採掘の見学を終えると、村の茶屋で案内人にコーヒーをご馳走になりながら、あれこれ石を見せられました。お決まりですね。そしてついつい見入ってしまう自分。これもいつものパターン。石とか好きなんですよね。

その後はガイドが 「ダイヤモンド研磨を見学する」 と言って、マルタプラの町に戻ってきました。ですが、町をぐるぐる走り回って一向に現場に着きません。何度か車を止めて場所を聞きながらも、30分以上うろうろしていました。ようやくたどり着いたその先は、自分が想像していた 「研磨工場」 などではなく、村の研磨職人の家でした。

アハマドさんはこの道50年のプロ研磨職人。しかし彼の仕事場は 「工房」 などとはほど遠い、普通の小部屋。道具もなんとも古臭い。けれどもその腕を買われて注文はひっきりなし。今でも年間で休むのはわずか7日間とのこと。この日磨いていたのは写真の2カラットと1カラットのダイヤモンド。個人からの発注だそうです。

ちなみに、チュンパカ (Cempaka) とは花の名前です 。英名 Magnolia Champaca、和名キンコウボク。見た目は華やかではありませんが、しおれてもなお強い香りを放つ様から、バリ島では女性はかくあるべきと言われているそうです。

【追記】村人から買ったダイヤモンド。値段は合わせて数千円でしたが、数年ぶりに見返してみたら、なかなかきれいじゃないですか。大きさは米粒以下ですが。