エアラインの客室乗務員 (CA/FA) が着用する制服は、昔から話題に事欠きません。どのエアラインがベストあるいはワーストかということも常に話題に上がります。
いろいろな見方があるので、ベストもワーストも投稿者の胸先三寸ではありますが、先日ネットで見かけたものをサンプルとして紹介します。これはベスト版。
評価基準は次のとおりだそうです。
・デザイン:シャープかつ記憶に残るか
・快適性:長時間の着用に適しているか
・機能性:飛行中業務が快適に行えるか
・アイデンティティ:航空会社の自己表現
■1位:海南航空
チャイナドレスからインスピレーションを得たデザインは、体にフィットするシルエット、七分袖、そしてすっきりとしたシンプルなラインが特徴。柔らかなグレーの生地に赤のアクセントが加わり、落ち着きと優雅さを演出。洗練されたデザインでありながら、意味深く、そして仕事にも実用的という、バランスのとれたデザインが際立つ。
■2位:エティハド航空
深みのあるプラムとブラウンのトーンを採用し、派手になりすぎず高級感を演出。デザインはシャープでモダン、かつ個性あふれる仕上がり。帽子とスカーフが華やかさを添えながらも、すっきりとしたプロフェッショナルなフィット感を保っている。ブランドイメージを明確に表現した際立つデザインで、機内でも違和感がない。
■3位:ベトナム航空
国のシンボルであるアオザイを基調に、ドレスとパンツの組み合わせは優雅で色彩豊か、客室内で際立ちながらも、過剰な装飾はない。長年にわたり変わらぬスタイルが保たれているのには、確かな理由が。フィット感はフォーマルな印象を与えるが、それは文化的な誇りを明確に示し、乗務員に強いアイデンティティを与えている。
■4位:ヴァージン・アトランティック航空
ヴィヴィアン・ウエストウッドがデザインした鮮やかな赤のスーツは洗練されたデザインで、エネルギーに満ちている。生地はペットボトルをリサイクルしたもの。スタイリッシュでありながら力強いラインと快適なフィット感で実用性も兼ね備える。航空会社の明るいブランディングにマッチし、乗務員の個性を際立たせている。
■5位:シンガポール航空
サロンケバヤ (Sarong Kebaya) は、世界でもっとも象徴的な客室乗務員の制服のひとつ。1970年代にピエール・バルマンによってデザインされて以来ほとんど変わっておらず、それが魅力のひとつでもある。それぞれの色が乗務員の階級を示し、全体的なデザインはエレガントで細部にまでこだわり、伝統を尊重している。このデザインは柔軟性よりもフォーマルさを重視しているが、航空会社のアイデンティティをしっかりと支えている。
■6位:エミレーツ航空
ベージュのスーツ、赤い帽子、そして特徴的なベールで知られているスタイリッシュで統一感のある制服は、洗練された高級感を醸し出し、乗客がエミレーツブランドを容易に連想することができる。世界中の空港ターミナルで目立ち、写真にも映える。よりフォーマルなスタイルでありながら、プロ意識と誇りを明確に伝えている。
■7位:デルタ航空
プラムカラーのユニフォームは乗務員の快適性を考えてデザインされた。伸縮性があり、しわになりにくい素材で、長時間のフライトでも快適に着用できる。カッティングはモダンですっきり、過剰なスタイリングにはならず、色合いも主張しすぎず良い印象を与える。機能性とスタイルが見事に融合した素晴らしい例。
■8位:トルコ航空
イスタンブールの芸術と建築にインスピレーションを得た繊細な模様が特徴。深みのある赤とグレーの色合いは、洗練された控えめな印象を与え、スカーフとネクタイが地元の雰囲気を醸し出し、思慮深くきちんと整えられた印象を与える。派手さはないが、静かな自信をもって航空会社のアイデンティティを反映している。
■9位:大韓航空
柔らかなティールとクリーム色のユニフォームは、軽やかでモダンな印象を与え、落ち着いたスパのような雰囲気が、他の航空会社とは一線を画している。色使いも目に優しく、全体的なデザインはエレガントでありながら、堅苦しくなりすぎない。特に搭乗時や機内では、清潔感と優雅さが際立つ。
■10位:大英航空
赤いアクセントとシンプルな仕立てが特徴のスマートなネイビーの制服を採用。明快でプロフェッショナル、そして職務を遂行する力を持っている。目を引くデザインではないが、乗客の信頼を得るための一貫した外観を維持している。実用的で快適、メンテナンスも簡単。
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■おまけ
ブラニフ航空 (Braniff International Airways) は、1928年から1982年まで営業していたアメリカの航空会社です。1960年代、国内外の航空会社との競争が激化する中、斬新な広告戦略を打ち出し、「ジェリー・ビーンズ・フリート」をテーマに15種類のカラフルな塗装を自社機材に施したり、エミリオ・プッチがデザインした斬新な客室乗務員の制服を導入するなどしました。今はもうなくなってしまったのが残念です。こんな制服だったらぜひ乗ってこの目で見てみたかった。