JR静岡駅のちょっと先にある二郎系ラーメンのお店に初めて入った時のこと。20席ほどあるL字カウンターはすべて満席、自分は店内で列に並び、10番目くらいで待っていました。
壁際に立ち、カウンターのお客さんを見るともなしに見ていると、なんだかみんなやけにまったり・ゆっくり食べているような。ラーメン二郎の殺伐とした店内のイメージ (※個人の印象です) とは程遠い、明るくけだるい空間だなあと。
お昼のピークタイムを過ぎた頃とはいえ、自分の背後に10人以上腹ペコのお客さんが待っていると考えたら、ついつい急いで食べたくなるものです。しかしそこはのんびり屋さんの静岡県中部の民、各々マイペースで、食べたいように食べているように見えました。
自分はもしかしたら、ちょっとだけイライラしていたかもしれません。以前、品川のラーメン二郎に並んだ時は、この倍は人が待っていましたが、思っていたより早く順番が回ってきました。ラーメン二郎はみんな食べるのが (異常に) 早いですからね。
さて、しばらく待って、ようやく着席。食券は事前に渡してあったので、座って1分もしないうちにラーメンが着丼。オーダーは小ラーメン (麺250グラム)。写真を急いで2~3枚撮ると、あとはもうひたすら麺をかき込みました。
茹でたての太麺からもうもうと立ち上る湯気をフーフー吹いて、一心不乱に頬張ります。熱い、けれど、旨い。熱々で提供されたラーメンですから、熱々のうちに食べるのが礼儀でしょうし、味わい的にもその方が良いに違いありません。
時間は測りませんでしたが、10分くらいで食べ終わったと思います。残ったコップの水を飲みながら、周りを横目で見てみると、自分より数分先に座って食べ始めたお客さんたちは、まだみんな食べていました。
小ではなく大ラーメン (麺375グラム) だったのかもしれませんが、やはりみんな、食べるのが遅いのかなと。中には麺を持て余し気味に1本ずつすするような人もいて、さすがにそれはないんじゃないかなと。
自分はふだん取り立てて早食いではないですが、でもラーメンですからね、20分も30分もかけていたら、麺がのびて美味しくなくなってしまいます。お店側の都合とは関係なく、自分が美味しく食べたいから、自然と早食いになっているというわけです。
もっとも、ラーメン二郎はちょっと特殊で、麺は見込みでまとめて茹でられますから (1ロット4~6人分)、ほぼ同時に丼を受け取る "ライバル" たちの存在が頭をよぎり、自然と早食いレースが展開されるような気がします。
この手のお店は大食いチャレンジ的なことをついしたくなりますが、無理せず自分に合ったサイズを選びたいですね。昔、新宿の麺屋武蔵でつけ麺の大盛り無料につられ、麺400グラムを頼んでお腹パンパンになった苦い思い出があります。
400グラムは食べ切ったけれど、最後はもう無理して飲み込んでいたし、時間もかかってしまったし、あの日はかなり反省しました。あれからずいぶん年月がたった現在、大ラーメン (麺375グラム) はたぶんもう無理。
食べられたとしても時間がかかるだろうし、最後まで美味しく食べられるとは思えないので、やはり自分は次も小ラーメンを頼むんだろうな。一度くらいは大にチャレンジを、、、いや、そう考える人がいるから、背後の待ち客にイライラされるのか。。。
ちなみに、もうひとつの可能性として、その日の夜「静岡県民は猫舌ですか」とChatGPTに聞いてみました。まあ、とくにそういった調査報告や研究結果はないという回答でしたけれど。また、静岡は食事に時間をかける県民性の上位でもありませんでした。
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これで思い出すのが、バンコクのタイ人もご飯を食べるのが遅かったこと。スタッフとタイラーメンを食べた時も、そこまで熱々スープでもないのに、かなり時間をかけずっと麺をフーフーしながら食べていました。
スタッフ曰く、タイ人は猫舌が多いとのことでしたが、こちらもChatGPTの回答は、そういう確固たる事実はなく、ただしタイ料理はぬるい料理が多いので、熱い料理には慣れていない可能性があるとのことでした。
タイラーメンで熱々スープなんて、自分はバンコクで1軒だけですね、本当に熱々を食べたのは。舌を火傷しそうになるくらいの熱々スープなんて、バンコクに4年いて後にも先にもここだけでした (写真:ナンルーン市場のルンルアン)。
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話が少し飛躍しますが、熱いのが苦手な人を猫舌と言うなら、その反対、熱いのが得意ではなく、冷たいのが苦手な人はなんて言うのだろうと、ふと疑問が湧きました。結局そんな単語は存在しないようでしたが (知覚過敏とはまた違います)。
なぜこんなことを思ったかというと、タイ料理って冷たい料理もあまりないんですよね。麺料理ならなおさら、まったく思いつきません。熱いのも苦手だし、冷たいのも苦手なのかな。一年中暑い国ですから、冷たい料理があってもいいような気はしますが。
タイの冷たい料理は自分が知る限りふたつ、冷製豚足 (カームーチェーイェン) とカオチェー (水茶漬け)。 冷製豚足は中国系の料理でしょう。写真の1軒しか知りません。
カオチェーはもともと宮廷料理だったそうです。やはり冷たい料理は手間がかかるのかな。とくに氷は、昔は貴重だったんでしょうね。
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冷たい料理が見当たらないのは、インドネシアもそうでした。何かそんなの食べたっけかな、いや思い出せないな。ほんのり温かい料理というよりは、冷めた料理がデフォルトでした。それは、冷めても美味しいということでもありますが。パダン料理 (小皿料理) が良い例。