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サマルカンド観光(2)シャーヒズィンダ廟群

「シャーヒズィンダ廟群」は、ティムールの親族や王朝関係者の霊廟、モスクなどが立ち並ぶ遺跡群で、それぞれ11~15世紀及び19世紀に、アフラシヤブの丘に建設されました (建設時期には諸説あり)。2001年、UNESCO世界遺産に登録された「サマルカンド-文化交差路」を成す構成要素です。

シャーヒズィンダ (=生ける王) という名前は、預言者ムハンマドのいとこであるクサム・イブン・アッバースの伝説に関係しています。 7世紀、アラブの侵略に伴いサマルカンドにやって来たクサムは、礼拝中、異教徒に襲われ首をはねられてしまいました。しかし彼は動じることなく礼拝を終えると、自分の首を抱え深い井戸に入っていきました。彼はここで永遠の命を手に入れ、イスラム世界が危機に陥った時、救いに現れるのだと伝えられています。

青基調のモザイク画で装飾された壮大な霊廟は、まさにサマルカンドブルー。石段を上り、門をくぐったその先には、まるで時空を超え異世界に迷い込んだような空間が広がっています。日曜日の朝一番 (07:00オープン) に行ったところ、まだ来訪者もまばらで、存分に写真を撮ることができました。曇り空だったのがちょっと残念。

サイト入口
ティムール朝第4代君主ウルグ・ベクの命により建造されたもの (1435年)。

石段
石段を数えながら上り下りし、行きも帰りも同じ段数だったら、天国に行けるのだそうです。

カーズィーザーダ・ルーミー廟 (1420年代)
ウルグ・ベクの天文学の師匠カーズィーザーダ・ルーミー (Qadhi Zada Al-Rumi) の霊廟とされます。

石段上ってすぐの4廟
シャーディムルク・アカ廟 (1372年)、トゥグルテキン廟 (1375年)、シリンベク・アカ廟 (1385年)、アミールゾダ廟 (1386年)。5枚目の写真の小さな廟は詳細不明 (1430年代?)。

詳細不明の廟
ウスターズ・アリー、ウルグ・スルタン・ベギム関係の霊廟と言われています (1385〜1390年代)。

アミール・ブンドゥク廟と奥の門
ティムールの部下の将軍の廟。タイル装飾が施されておらず未完成 (写真向かって左側、1390年代または1420年代)。そして奥の門。

奥の門以降
トゥマン・アカ廟 (1404年)、フジャ・アフマド廟 (1350年)。

クサム・イブン・アッバース廟 (11~15世紀) は見逃しました。たぶんこの奥にあったのかな。ここはモスクも兼ねていて、なんでも入り口を3回通るとメッカに巡礼したのと同等になると信じられていたそうです。

【追記】
後日、クサム・イブン・アッバース廟を見ることができました。