A Dog's World 

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現代のバベルの塔?(サウジアラビア)

以下は、2008年にサウジアラビアの首都リヤドにいた頃、ローカルニュースを読んで書いたものです。

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現代のバベルの塔?

旧約聖書の創世記に登場する「バベルの塔」の物語は、世界にさまざまな言語が存在する理由を説明するための物語であるととともに、人々が「石の代わりに煉瓦を、漆喰の代わりにアスファルトを用いた」という記述から、古代世界における技術革新について語られた物語でもあります。結末としては、人間の技術には限界があった (神の鉄槌が下った) わけですが。

そんな聖書発祥の地にほど近い、ここアラビア湾岸地域では、まさに現代のバベルの塔とも言える超高層ビル建設プロジェクトが着々と進んでいます。

アラブ首長国連邦のドバイで建設中の「ブルジュ・ドバイ (ドバイタワー)」は、すでに台湾の「台北101」を抜き、世界一高いビルになりました。現在は600メートルを超えており、最終的な高さは公表されていませんが、デベロッパーによれば700メートルを超えることは確実視されています。2009年6月30日完成予定。(※注:ブルジュ・ハリファとして完成、2010年1月開業、高さ828メートル)

ドバイタワーに対抗するかのように、クウェートでは「千夜一夜物語」にちなんで1001メートルの超高層ビルの建設計画が公表されました。

しかし驚くなかれ、ここサウジアラビアの西の都ジェッダでは、なんと1マイルタワー、つまり高さ1600メートルの超々高層ビルの建設が発表されたのです。

お金が有り余っているのはわかりますが、それだけの高さのビルを建てる必要が本当にあるのでしょうか。技術革新にはとても意義深いプロジェクトだとは思いますが、実用性を考えると果たして上の方は快適に利用できるのか・・・。

ちなみに、エチオピアの首都アジスアベバにも「世界一高いビル」の計画がありました。もともと標高2400メートルなので、それプラス、ビルの高さで言うと、なるほど世界一も夢ではありません。現地で新聞発表を見た時は一瞬度肝を抜かれましたが、記事を読み進むにつれ、次第に悲しい気持ちになっていきました・・・。日本のゼネコンの名前が載っていたけれど、どうなったかなぁ。

* * *(過去記事ここまで)

さて、最近ふと1マイルタワーのことを思い出し、今はどうなったのかなと調べてみたところ、なんと、建設は着々と進んでいたのでした (コロナの影響でやや停滞)。ただし、1マイル (1600メートル) は断念し、1008メートルらしいです。名前はジェッダタワーになるそうです (キングダムタワーとも)。完成したらぜひ見に行きたいなと。

ちなみにドバイではまた新しい超々高層ビル「ドバイ・シティ・タワー」が構想されているそうです。その高さ、なんと2400メートル。大丈夫なのか・・・。

さらに、サウジアラビアでは「ザ・ライン」と名付けられた、幅200メートル、全長170キロメートル、高さ500メートルの "スマートシティ" が計画され、すでに着工されているそうです。ほとんどSF映画ですね。もう何がなんだか・・・。(⇒Wikipedia)