2月頭に宣言していたとおり (⇒過去記事)、この1ヶ月はたくさん日本のアニメ映画を観ました。これまでにない公開ラッシュで、毎週新作が公開されるのが本当に楽しみでした (日本より数ヶ月遅いです)。他に洋画・タイ映画も10本近く観ているので、2月は本当に映画月間でした。ちなみに映画館は常にガラガラでした。観客はいてもせいぜい10人ちょっと。経営大丈夫かな。。
観た順番は、岬のマヨイガ、アイの歌声を聴かせて、銀魂 THE FINAL、EUREKA/交響詩篇エウレカセブンHE、サマーゴースト、映画大好きポンポさん。ポンポさんは最後にようやく観ることができました。よかった。どれも雰囲気の異なる作品で、全体で考えても、いいものを観させてもらった1ヶ月だったなと、あらためて感動です。
■岬のマヨイガ
すでに感想を書いたので省略 (上のリンクの過去記事に)。
■アイの歌声を聴かせて
序盤こそ共感性羞恥で観ているのがいたたまれなくなったりもしましたが、次第にそのストーリーに引き込まれ、随所に張り巡らされた伏線が明らかになってくると、もう拍手喝采、なんて面白いんだと、姿勢を正して鑑賞しました。これは21世紀の "攻殻機動隊" なのかもしれません。士郎正宗先生の漫画版には感動したなあ。生命とは何かという命題が見え隠れする、もう哲学の世界だなと。押井守監督の映画版も良かったですけどね。漫画版とくらべるとシリアスすぎるのと、人形使いの声がちょっとイメージとは。。
■銀魂 THE FINAL
初期はジャンプで読んでいましたが、後半はさっぱり。映画版も観たことがありませんでした。今回初めて観た銀魂映画の世界観は、、、もう何がなんだかさっぱりわからないけれど、とにかくサービス精神旺盛に、そして制作側も楽しんで作っているんだなということがわかりました。すごいのひと言、究極の悪ふざけ。いや、自分はいい意味でそう思いました。面白かったです。そしてやはり、劇中歌が熱かった。
■EUREKA/交響詩篇エウレカセブンHE
今回はこれが一番の問題作でした。エウレカセブンのTV版全話で感動し (最後の最後にずっこけましたけど)、ポケットが虹でいっぱいは「こういうのじゃないんだよ・・」とやるせない気持ちになり、ハイエボリューションの1で「これはキタかも!」と再び血が沸き立つ感覚を思い出したと思ったら、ハイエボ2/ANEMONEでまたも天を仰いでしまった、という経験を持っています。
ANEMONEはドミニクとアネモネの二人をまた観ることができた、しかもアネモネが病んでいないという、この点最高にハッピーではありましたが、またパラレルワールドだったし、次作 (完結編) がどうなってしまうんだろうという不安が抑えきれませんでした。
なのでおっかなびっくりの鑑賞となりましたが (事前にレビューはいっさい見ませんでした)、観た感想は、うーん、うーーーん。。。世界観が突飛 (なんでもあり) すぎて、何かすべてが違うような。。エウレカに久しぶりに会えたと思ったら、え?年をとっている!?しかもけっこうなやさぐれ??いやそこは呪縛とかなんとかにして成長させちゃいけなかったんじゃ。。まあでもそうするとまんまシン・エヴァになっちゃうか。。
あとはメカがどうにもやぼったいんですよねえ (TV版にくらべたら)。まあ作品はクリエイターのものですから、どう作ろうが観客はそのままを観るしかないのですが。やはりTV版が偉大すぎたのかな。自分はただ、レントンとエウレカがまた子供たち (モーリス、メーテル、リンク) のもとに帰ってくる、それだけを観たかったんだけどなあ。。
■サマーゴースト
40分の中編アニメ映画+40分のビハインド・ザ・シーン (制作の舞台裏)。本編はいい意味でこの上映時間が功を奏していたと思います。もう少し長いとディティールを描かなければならないだろうし、そうするとちょっと無理が出てきそうだし。丁寧に描き込まれたきれいな画がスーッとアニメーションで動いていく、それがとても心地よかったです。終わり方も「ほほー」と感心したし、自分は好きな作品です。
おまけかと思って観ていたら、普通に感動してしまったのが、制作の舞台裏を撮ったドキュメンタリーの部分。日本でもこういう (合計80分の) 上映方式だったんでしょうか 。若きクリエイターたちの奮闘ぶりが、もう熱くて熱くて。なんだかこちらも目頭が熱くなってしまいました。
【追記】タイの上映時間は合計80分という情報でしたが (SF Cinema City)、ウェブには合計64分という情報もあって、自分でも今となっては舞台裏のフィルムが40分だったのか24分だったのか定かではないという・・・。すみませんあやふやで。たっぷり観たなという満足感はありました。SF Cinema Cityは上映前に20~30分、予告編やCMや国王讃歌を流すので、上映後に腕時計を見ても結局本編が何分だったのか、いつもちょっと混乱します。
■映画大好きポンポさん
原作は知らず、この映画がポンポさんの世界初体験。すばらしく面白かったです。映画制作の現場が舞台の本作、ストーリーもキャラ設定もすごくよく練られていて (というかブレがなくて)、無駄なシーンやセリフは一切ないんじゃないかと思えるほど。作画のクオリティも高いし、最後まで一瞬たりとも飽きずに観終わりました。
本質的に悪人が出てこない映画です。最後は夢も実現します。しかしそれがヌルいとかダサいとは思わない、いや思わせない、制作陣の力量に感服しました。あらためてネットでレビューを見てみると、原作ファンは一部に不満もあるようですが、やはり総じて評価は高い作品だと思います。観てよかった。